日産車のカスタムならまかせろ! オーテックジャパンが手掛けた車5選

くるまのニュース / 2020年10月20日 6時10分

各自動車メーカーは、すべてのモデルを自社で開発・生産しているわけではありません。なかには外部のエンジニアリング会社や、関連会社に委託しているケースも珍しくありません。そうした委託を受けている会社のひとつが、オーテックジャパンです。そこで、これまでオーテックジャパンが手掛けたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

■技術屋集団、オーテックジャパンがつくったクルマを振り返る

 国内外の自動車メーカーは、すべてのラインナップを自社で開発・生産しているとは限りません。なかには、外部のエンジニアリング会社や、子会社、関連会社に開発から生産まで委託するケースもあります。

 そうした会社のひとつが、神奈川県茅ヶ崎市にあるオーテックジャパンです。創立は1986年と比較的若い会社で、日産の関連会社として、主に特装車の開発や生産を請け負ってきました。

 オーテックジャパンが手掛けてきたクルマは多岐にわたり、商用車や福祉車両、そして日産車をベースにしたカスタマイズカーがあります。

 とくにカスタマイズカーは創立してすぐに製作しており、これまで数多くのカスタマイズカー、コンプリードカーを、世に送り出してきました。

 そこで、オーテックジャパンが手掛けた印象的なカスタマイズカーを、5車種ピックアップして紹介します。

●オーテック・ザガート「ステルビオ」

まさにバブルの申し子といえる高級車の「ステルビオ」まさにバブルの申し子といえる高級車の「ステルビオ」

 かつてはアルファロメオやランチアといったイタリア車を中心に設計、製造をおこなってきたカロッツェリア「ザガート」は、創業から100年を経過する老舗で、現在は「SZデザイン」に社名を変え、継続して工業デザインをおこなっています。

 日本車ではあまり馴染みはないのですが、1989年に発売されたオーテック・ザガート「ステルビオ」は衝撃的で、大いに話題となりました。

 ステルビオはオーテックジャパンが開発し、主要なコンポーネンツは日産2代目「レパード」から流用され、デザインはザガートが担当。

 生産はベースとなるレパードのシャシを日本からザガートに送り、アルミ製ボディパネルやカーボンファイバー製ボンネットなどを架装して輸入され、最終的にオーテックジャパンが仕上げて販売するというものでした。

 外観はザガートにより全面的に変更された2ドアクーペで、ボンネットに内蔵されたフェンダーミラーがユニークです。

 内装はレパードと共通の意匠ながら、ダッシュボードやシートが本革張りに変更され、メーターパネルやセンターコンソールなどに本木目がふんだんに使われるなど、高級なイタリアンスポーツカーをイメージさせます。

 搭載されたエンジンはオーテックジャパンがチューニングをおこなった、最高出力280馬力を発揮する3リッターV型6気筒ターボの「VG30DET型」で、トランスミッションは4速ATのみを設定。

 200台の限定販売で当時の価格は1870万円と、まさにバブル景気を象徴するような1台ですが、実際はクオリティに問題あったことから、陸揚げから納車までにかなり手間と時間がかかったといいます。

●プリメーラ オーテックバージョン

素材の良さを生かしたチューニングカーの「プリメーラ オーテックバージョン」素材の良さを生かしたチューニングカーの「プリメーラ オーテックバージョン」

 日産は1980年代に『1990年までに走りにおいて世界一を狙う』というスローガンを掲げ、これを「901活動」と名付け、プロジェクトをスタート。

 このスローガン現に向け、北米市場をメインターゲットとして4代目「Z32型 フェアレディZ」、日本市場では「R32型 スカイラインGT-R」、そして、欧州市場向けに「プリメーラ」が開発されました。

 プリメーラは1990年に発売された4ドアセダンで、FF車として欧州車に匹敵する走りの性能と快適性を実現。

 FF車のハンドリング世界一を目指すため、前輪にマルチリンクサスペンションを採用し、高いコーナーリングスピードでも安定した走りで、国内外から高い評価を得ます。

 このプリメーラをベースにカスタマイズされたのが、1994年発売の「プリメーラ オーテックバージョン」です。

 2リッター直列4気筒エンジンは圧縮比アップやECUのチューニング、専用のエキゾーストマニホールドが装着されるなどにより180馬力を発揮し、トランスミッションは5速MTのみ。

 サスペンションもオーテックジャパンによるチューニングで、ノーマルのしなやかさを生かしながら、運動性能を向上させています。

 外観では専用デザインのフロントスポイラー、スカイラインGT-Rをイメージさせる大型リアスポイラーによって、アグレッシブなスタイルを実現。

 内装も専用シート地や本革巻きのスポーツステアリングが奢られていました。

 なお、プリメーラ オーテックバージョンは1994に全日本ツーリングカー選手権参戦を記念して、デビューしました。

●シルビア オーテックバージョンK’s MF-T

とにかくド派手なエアロパーツが特徴の「シルビア オーテックバージョンK's MF-T」とにかくド派手なエアロパーツが特徴の「シルビア オーテックバージョンK's MF-T」

 日産「シルビア」は、国産スペシャリティカーの先駆け的存在で、初代は1965年にデビューしました。1988年に発売された5代目は、高性能のFRクーペというだけでなくデートカーとしても人気となり、大ヒットを記録。

 そして、1994年に登場した6代目ではトップグレードに220馬力を誇るハイパワーなエンジンを搭載するなど、スポーツカーとしてのイメージが強調されました。

 この6代目シルビアをベースに、1997年、オーテックジャパンが「シルビア オーテックバージョン K’s MF-T」を製作。

 シルビア オーテックバージョン K’s MF-Tは、後期型の「ツリ目」がベースで、エンジンは専用のターボチャージャーなどでチューニングされた2リッター直列4気筒ターボを搭載。最高出力はベースの220馬力から250馬力へ向上しています。

 外観では専用フロントバンパーにサイドステップ、さらに最大の特徴が大型リアスポイラーの採用で、ノーマルには無い迫力あるフォルムを実現。

 内装もホワイトメーター、MOMO製スポーツステアリングなどを装備し、専用の生地を採用したシートやドアトリムによって、スポーティに彩っています。

 シルビア オーテックバージョン K’s MF-Tは、ベース車のモデルチェンジのためわずか1年ほどで生産を終えてしまい、いまではかなり貴重なモデルです。

■スカイラインGT-Rをベースにした異色の2台とは!?

●ステージア オーテックバージョン 260RS

「スカイラインGT-R」の亜種といえるモデルの「ステージア オーテックバージョン 260RS」「スカイラインGT-R」の亜種といえるモデルの「ステージア オーテックバージョン 260RS」

 1985年に発売された7代目R31型 スカイラインにはステーションワゴンが設定されていましたが、1989年に登場した8代目で廃止されました。

 そこで、日産は新たなミドルサイズ・ステーションワゴン専用車として、1996年に初代「ステージア」を発売。

 シャシなどの基本的なコンポーネンツは9代目R33型 スカイラインと共有し、エンジンは全グレードに直列6気筒の「RB型」が搭載されました。

 ステージアには元々ターボエンジンを搭載する「RS」というスポーティグレードがラインナップされていましたが、1997年、さらに高性能なコンプリートカー「ステージア オーテックバージョン 260RS」が登場します。

 ステージア オーテックバージョン 260RSは「R33型 スカイラインGT-R」のエンジン、ドライブトレイン、ブレーキ、サスペンションなどが移植されたモデルで、まさに「GT-Rワゴン」といえるモデルです。

 搭載されたエンジンは280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒ツインターボの「RB26DETT型」で、トランスミッションは5速MTのみ。GT-R譲りの4WDシステム「アテーサE-TS」も組み込まれ、車体剛性もアップされています。

 走行性能はスカイラインGT-Rに匹敵しながらも、ステーションワゴンとして使い勝手の良さがあり、オールマイティに使える高性能モデルとなっていました。

 なお、ステージア オーテックバージョン 260RSは、期間限定や台数限定などではなく、2001年まで継続して販売され、現存数も比較的多いですが、中古車価格は高騰中です。

●スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー

覆面パトカーとしても活躍!?「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」覆面パトカーとしても活躍!?「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」

 1993年に9代目スカイラインが発売された2年後の1995年に、4代目となるR33型 スカイラインGT-Rが登場。

 エンジンやドライブトレインなど基本的なメカニズムは先代のR32型を踏襲し、ボディのサイズアップや、足回り、ブレーキの改良などがおこなわれました。

 そして、1998年にスカイライン誕生40周年を記念するモデル「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」を発売。

 オーテックジャパンによって開発されたスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは、1969年発売の初代以来となる4ドア版スカイラインGT-Rです。

 一見すると4ドアのスカイラインをベースにつくられているようにも見えますが、実際は2ドアGT-Rのシャシをベースに4ドアのボディパネルを組み合わせ、さらにブリスターフェンダーを4ドアで再現するために、リアドアとリアフェンダーは新たにプレス型をつくって製作されました。

 280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒ツインターボ「RB26DETT型」エンジンに、5速MTのトランスミッションを含む4WDシステム、サスペンション、ブレーキなどは、2ドアモデルと同じです。

 内装も2ドアモデルの意匠と変わりないですが、リアシートは専用のバケットタイプが装着され、4ドアでも乗車定員は4名に設定。

 ほかにもスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーの特徴として、リアスポイラーを装着せず、フロントスポイラーも小型の専用品とされるなど、派手すぎない大人のためのスーパーセダンに仕上がっています。

 なお、スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーが登場してから10か月ほどでR33型の生産が終了したため、生産台数は約400台と少なく、当時の価格は498万5000円でした。

※ ※ ※

 オーテックジャパンはほかにも数多くのコンプリートカーやカスタマイズカーを製作しており、高性能なモデルだけでなく、リムジン、内装を豪華に仕立てたモデル、外観をドレスアップしたモデルもあります。

 現在はカタログモデルとしてシックなカスタマイズカーの「オーテック」シリーズ、クラシカルな「ボレロ」シリーズ、スポーティな「ライダー」シリーズなどを展開し、「GT-R NISMO」や「マーチNISMO」の生産もおこなうなど、日産にとって重要なポジションを担っている会社です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング