レクサス初の電気自動車「UX300e」ライバルのコンパクトSUVと比較してみた
くるまのニュース / 2020年11月9日 19時10分
2020年10月22日、レクサスブランド初となる電気自動車(EV)市販モデル「UX300e」が発表された。2020年度分、限定販売135台に関する商談申し込み(抽選)の受付を開始している。UX300eは、コンパクトSUV「UX」をベースにしたピュアEVで、日本だけでなく欧州でも販売されるモデルだが、ライバルにはどんなモデルがあるのだろうか。
■Bセグメント・コンパクトSUVというジャンルになるUX300e
レクサスブランドで初となる市販EV「UX300e」が2020年10月22日に日本で発表、2020年度分の限定販売135台に関する商談申し込みの受付を開始した。
UX300eは、レクサスのなかでもっともコンパクトなSUV、「UX」をベースとする電気自動車(EV)だ。全長4495mmという電動BセグメントSUVで、最高出力203ps・最大トルク300Nmというスペックのモーターを搭載し、前輪を駆動する。一充電走行距離はWLTCモードで367kmというモデルとなる。
そんなUX300eのライバルは、どのようなモデルになるのだろうか。
日本で販売されるEVは、2009年に発売された三菱「i-MiEV」(2020年度内で生産中止が決定)や2010年に登場した日産「リーフ」(現行型2代目は2017年9月登場)などその歴史も長いが、近年では2019年に日本上陸したメルセデス・ベンツ「EQC」や、2020年上陸のアウディ「e-tronスポーツバック」、プジョー「e-208」など、ドイツやフランスのメーカーのEVが続々と登場している。
また日本車でも注目のEV、ホンダ「ホンダe」が登場したばかり。2020年は日本においてEVが再注目される年になった。
ただしホンダeは全長3890mmとコンパクトなモデル、そしてEQCは全長4760mm、e-tronスポーツバックは全長4900mmと、そのセグメントはミドルサイズSUVとなり、UX300eとはサイズが異なる。
2020年10月に発売された全長4395mmのマツダ「MX-30」や、2021年発売予定の全長4595mmの日産「アリア」は、UX300eの直接のライバルとなるが、日本ではMX-30にはまだフルEVは設定されていないし、アリアも発売されていない。
2020年現在、日本で販売されている、UX300eと同じコンパクトSUVのEVは、2020年7月29日に日本上陸を果たしたDSブランド初のEV「DS3クロスバック E-テンス」と、同年9月16日に発表されたプジョー「SUV e-2008」になる。
そんなフランス車EV2台とレクサスUX300eを比較してみよう。
「DS3クロスバック E-テンス」は2020年7月29日に日本で発表された
●ボディサイズ
レクサスUX300eは、全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mm、ホイールベース2640mmというボディサイズ。世界的に流行しているBセグメントSUVというジャンルになる。
対してDS3クロスバックE-テンスは全長4120mm×全幅1790mm×全高1550mm、ホイールベースは2560mmと、UX300eよりもひと回り小さい。具体的には、全長で375mm、全幅で50mm、ホイールベースは80mm、DS3クロスバックE-テンスのほうが小さい。
プジョー「e-2008」。日本では2020年9月16日に発表された
同じプラットフォーム「eCMP」を用いるプジョーのSUV e-2008は、全長4305mm×全幅1770mm×全高1550mm、ホイールベースは2610mmと、UX300eにより近いボディサイズになっている。全長で190mm、全幅70mm、ホイールベースは30mm、e-2008のほうが小さくなる。
ただし、3台ともに全高が1550mm以下と、多くの立体駐車場に対応しているのも特徴となっている。日本での使い勝手は良さそうだ。
通常時の荷室容量は、UX300eが303リッター。DS3クロスバックE-テンスは約350リッター、e-2008は434リッターだ。
■レクサスUX300eとプジョーe-2008の価格差は最大で206万円
●モーター出力・バッテリー容量
UX300eには最高出力203ps・最大トルク300Nmを発揮する「4KM」型と呼ばれるモーターが搭載され、フロントを駆動させる。
2020年10月22日に発表されたレクサスブランド初のEV「UX300e」
対するDS3クロスバックE-テンスとe-2008には、2車種とも最高出力136ps・最大トルク300Nmを発揮する同じモーターが採用され、フロントを駆動する。
モーターのスペックではUX300eのほうがよりパワフルになるが、最大トルク値は同じ。3台ともに電動駆動の力強い加速力を味わうことが可能だ。
では、バッテリーのスペックはどうか。
UX300eには容量54.4kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されている。充電性能は、200V/3kWの普通充電では電欠灯点灯から100%充電まで約14時間。50kWの急速充電にも対応し、約50分で充電量75%、約80分で100%になる。またWLTPモードでの航続距離は367km、JC08モードでは408kmだ。
DS3クロスバックE-テンスとe-2008は、容量50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。充電性能は、車両搭載の3kW・15A・200Vケーブルで充電した場合、100%充電まで約18時間。CHAdeMO急速充電では約50分で80%充電が可能。航続距離は欧州WLTCモードで320km、JC08モードで398kmとなる。
●ラインナップ・価格
UX300eは、「version C(バージョンC)」と「version L(バージョンL)」というふたつのグレードがある。バージョンCは580万円(消費税込、以下同)、バージョンLは635万円だ。
2グレードの違いは、ヘッドランプがバージョンCがLEDなのに対しバージョンLは三眼フルLEDになったり、アルミホイールがバージョンCが17インチなのに対しバージョンLが18インチを採用するなど、装備が異なっている。
DS3クロスバックE-テンスは「So Chic(ソーシック)」「Grand Chic(グランシック)」の2グレードがあり、ソーシックは499万円(受注生産)、グランシックは534万円になる。
e-2008も「Allure(アリュール)」と「GT Line(GTライン)」の2グレード。アリュールは429万円、GTラインは468万円だ。
3台のうち、いちばん廉価なe-2008アリュールが429万円、いちばん高いUX300eバージョンLが635万円なので、その価格差は206万円になる。
※ ※ ※
2021年に予定されている欧州のCAFE規制(Corporate Average Fuel Efficiency)の導入。各自動車メーカーはこの燃費規制に対応するため、今後も欧州では多くの新型EVの導入が予定されている。
こうして欧州市場で登場する新しいEVも、日本に続々とやってくるはずだ。フォルクスワーゲン「ID.3」「ID.4」、BMW「iX3」なども2022年の日本導入を予定しているという。
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