387馬力の最新BMWを子供が運転!? 免許が無くてもなぜ可能?「U-18運転予備校」の目的とは
くるまのニュース / 2020年11月11日 18時10分
運転免許を持たない子供たちが、クローズドエリアでクルマを運転する「U-18運転予備校」が開催されました。同イベントでは、BMWの最新モデルを使用しましたが、子供たちはどのようなことを学んだのでしょうか。
■無免許の子供がBMWを運転する!? なぜ?
東京・お台場にある、BMWやMINIのオールラインナップが試乗できる日本最大のブランド拠点「BMWグループ東京ベイ」では、先導車での試乗や、高速コースの試乗など、さまざまな試乗スタイルを提供しています。
しかし今回はなんと、子供たちがBMWの新型モデルを試乗してしまいました。
お父さんやお母さんが運転して、助手席や後席に同乗するのではありません。子供が自分自身で、BMWのステアリングを握り、実際に走らせるのです。
しかも、使用されたのは「M235i xDrive グランクーペ」と「M440i xDriveクーペ」(最高出力387馬力)という最新スポーティモデルです。
参加者は11歳の小学校5年生から、16歳の高校2年生までの男女8人。当然ですが、彼らは全員、運転免許証を持っていません。いったいこのイベントは、どうして実施できたのでしょうか。
今回のイベントは、筆者(桃田健史)も所属するAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)が2017年4月から実施している「U-18(アンダー18)運転予備校」の一環です。
参加者の条件は、クルマを運転できる体格として身長が150cm以上であること。また、日本でクルマの運転免許を取得していない18歳以下であるという2点のみ。なお、参加費用は無料です。
AJAJのなかで、U-18運転予備校におけるトレーニングを受けたジャーナリストがインストラクターを務めました。
今回使用したBMWの新型モデルは、BMWジャパンの広報車両を使用しています。
これまでの開催でも広報車両を主体に使用しており、たとえばマツダ「ロードスター」やスバル「BRZ」、トヨタ「86」、「スープラ」、日産「フェアレディZ」、ホンダ「NSX」など各メーカーのスポーティモデルばかりです。
実施する場所は、十分な広さがあるクローズドエリアです。
日本での各種法律において、公道以外の場所でクルマを運転するためには、運転免許の所持は必須だとはいえないという解釈があります。
AJAJとしては、U-18運転予備校をスタートするにあたり、関係各方面と協議した結果、実施は可能だと判断。自動車メーカー各社からもその考えに賛同してもらい、今回も実施することができました。
■U-18運転予備校を開催する本当の目的とは?
当日のプログラムでは、まずは座学がおこなわれました。
AJAJ会長の菰田潔氏が、シートポジションやシートベルトの正しい合わせ方、またエンジンスタート、ブレーキ、アクセル、ハンドルなど操作の基本について、約40分間の講習をおこないます。
運転免許のない11歳から16歳(8名)がBMWのハンドルを握った
その後、すぐに実車試乗です。最初におこなうのは、停車状態で2000rpmを維持すること。次に、ハンドルの回し方を確認したら基本訓練は終わり、さあもう走り出します。
最初は「ありさんブレーキ」です。Dレンジでのクリープ状態でブレーキをコントロールしながら、ありが進むようなイメージの微低速で50mほど前進と後進をします。
いよいよ次は、メインイベントの走行時間です。
直線を走り、左カーブ、S字カーブ、さらに左カープという1周400mほどの仮設コースを2モデルそれぞれ15分間程度走ります。
こうして見ると、プログラムの都合上、一般的な教習所と比べてかなり早いペースで実際に運転することになるのですが、驚くことに、参加者は皆、あっという間に運転に慣れてしまいます。
運転に対する先入観がないことや、普段から親の運転を見ているので、基本操作は理解している場合が多いとはいえ、子供たちがここまで短時間に運転に順応することは本当に驚きです。
正直なところ、筆者が2017年に初めてU-18運転予備校のインストラクターを務めたときは、参加者以上に我々スタッフがドキドキでした。
安全性について最新の注意を払っていたとはいえ、日本では画期的な試みなのですから。
今回を含めて、すべての会場で参加した子供たちや親御さんたちは、ドキドキワクワクの体験を本当に楽しんでくれました。
走行終了後、修了証書を授与する際にいつも、なぜU-18運転予備校をおこなっているのか、その目的についてもしっかりと説明しています。
ひとつは、運転免許を持たない若者の交通安全の向上です。実際にクルマを運転することで、歩行者や自転車の行動を理解してもらうことです。
もうひとつは、クルマ好きの若者を増やしたいという思いです。それが日本の自動車産業の発展に貢献できればと考えています。
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