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なぜ軽人気続く? シェア4割で普通車に迫る! 維持費以外の売れる要素とは

くるまのニュース / 2020年11月23日 7時30分

日本の新車市場において、軽自動車は無くてはならない存在です。2020年現在では、新車市場で4割を占めるほどに拡大している軽自動車市場ですが、なぜこれほどまでに需要が伸び続けているのでしょうか。

■急増する軽自動車。なぜそれほどまでに支持されるのか。

 2019年で70周年を迎えた日本独自規格となる軽自動車は、日本の道路事情には無くてはならない存在です。
 
 昨今では、普通車に引けを取らない性能や先進の安全機能を搭載したモデルも多く登場しています。

 1949年に初めて軽自動車の規格が制定されました。その後、モータリゼーションが急速に発展を遂げるとともに、軽自動車は経済性や利便性といった日本人に合った特性から日本では年々軽自動車市場を拡大させています。

 1998年に改定された現在の軽自動車規格は、「排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下」の三輪および四輪自動車となっています。

 同時に衝突安全基準が普通自動車・小型自動車と同一に改正され、軽自動車の安全性が飛躍的に向上しました。

 実際に規格が改定された以降では、軽自動車の保有台数が伸びています。

 自動車検査登録情報協会によると、1989年(平成元年)では、軽自動車は1000万台強となり、保有比率では26.1%でした。

 その後、2005年(平成17年)では、2000万台強で保有比率が30.8%を記録し、年々増加傾向にあることがわかります。

 そして2020年現在、軽自動車の保有台数は3000万台以上となり、5ナンバー・3ナンバーなどの普通乗用車を含めた総保有台数において、約39.7%を占めるほどとなりました。

 同期間において、普通車の保有台数は2000年頃の5000万台をピークに落ち込みをみせ、2020年現在では約4700万台ほどです。

 なぜ、これほどまでに軽自動車の需要が伸びているのでしょうか。

 日本自動車工業会と全国軽自動車協会連合会によると、軽自動車が高い支持を集める要因として、「優れた経済性」「使いやすさ」などが挙げられています。

 軽自動車における経済性には、「燃費が良い」「価格が安い」「税金が安い」というメリットが存在。

 使いやすさの点では、日本の道路の84.7%は道幅平均が3.9mの狭い市町村道です。軽自動車は車幅が1480mm以下となるため、対向車とのすれ違いが楽な点が支持されているようです。

 また、全国軽自動車協会連合会の発表によると、軽自動車を日常的に利用しているのは、2019年度で女性が65%」となり、女性ユーザーが多いことがわかります。

 ユーザー年齢層をみると60歳以上が占める割合は、2007年度では21%だったのに対して2019年度は40%と増加傾向です。

 実際に軽自動車を購入するユーザー層について、東北地方で軽自動車中心に中古車を扱っている販売店は、次のように話します。

「地方では、1人1台といえるほどクルマを持っている人が多いです。とくに、セカンドカーやサードカーといわれるサブ的なクルマは、維持費や扱いやすい軽自動車がほとんどです。

 購入を検討される場合、まずご主人がメーカーや予算などである程度の車種を絞ります。その後、奥様やお子さんがデザインや使い勝手で選ばれることが多い印象です。

 また、中古車を探される高齢者の場合だと、初めは少し古めで操作がシンプルな車種を検討されることがあります。

 しかし、最新車種では安全性や高齢者でも扱いやすい操作性になっていることもあり、最終的には年式が新しい車種に落ち着くようです」

■軽自動車は人口10万人未満の都市に多い? その理由とは

 2020年3月時点では、日本全国の軽自動車の半数近い46%は、人口10万人未満の市町村で保有されているといいます。

 これは、人口が少ない市町村では公共交通機関の不便な地域が多く、生活の足として利用することから軽自動車の保有率が高まっているのです。

 なお、人口100万人以上の大都市での軽自動車保有率は8%と、極端に少ないことが分かっています。

 前出の日本自動車工業会に調査では、60歳以上の軽乗用車ユーザーに対するアンケートで、93%の人が「次に乗り換えたい車種」に軽自動車と回答。

 実際に、ダイハツ「タント」やホンダ「N-WGN」などではフルモデルチェンジの際に、高齢者でも安心して運転が出来るような機能や機構を採用するなど、自動車メーカー側も高齢者からのニーズを上手く取り入れているようです。

狭い道の多い日本にマッチした軽自動車狭い道の多い日本にマッチした軽自動車

 実際に都市部と地方でそれぞれ軽自動車を所有しているユーザーは次のように話しています。

「元々、セダンを乗り継いできましたが、60歳を過ぎた頃から車幅感覚が鈍ってきたと感じたため、軽自動車に乗り換えました。

 そこまで遠出をしなくなったことで軽自動車でも不便がないのと、燃料代や税金などの維持費がセダンと比べて安いことが良いです」(都市部・65歳・男性)

「先日、セカンドカーとして軽自動車を購入しました。これまでは、ミニバンしかなかったのですが、買い物や近場なら軽自動車のほうが楽です。とくに、ショッピングモールの立体駐車場では、小さいサイズなので駐車が楽なのが嬉しいです」(地方・40代・女性)

※ ※ ※

 今後も軽自動車の保有率は、増加傾向が続くと見られています。

 国立社会保障・人口問題研究所によると2025年には65歳以上の人口が30%に達する見込みとなり、前述のような高齢者のニーズに対応する軽自動車が増えていくことも合わせて、近い将来には新車市場の5割を超える日も遠くないかもしれません。

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