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はたして価格高騰を招くのか!? 2021年に25年ルールが適用される車5選

くるまのニュース / 2020年11月12日 6時10分

近年、中古車市場で話題なのが、1980年代から1990年代に販売された高性能な国産車の価格高騰です。その原因のひとつがアメリカの25年ルールといわれ、日本の中古車が大量にアメリカへ輸出されました。そこで、2021年に25年ルールに合致する日本車を5車種ピックアップして紹介します。

■1996年に誕生したクルマを振り返る

 数年前から日本の中古車市場で異変となっているのが、1980年代から1990年代に販売された高性能モデルの価格高騰です。価格高騰が顕著なモデルで代表的な車種が日産「スカイラインGT-R」で、とくに1989年に発売されたR32型は、程度が良い個体なら新車の2倍近い価格で取り引きされています。

 この価格高騰の原因のひとつが、アメリカの通称「25年ルール」と呼ばれる、中古車の輸入に関する法律です。

 アメリカでは中古車の輸入が厳しく制限されており、安全基準や排出ガス規制がクリアできないと、多くの州で登録ができません。

 しかし、生産から25年を経過したクルマについてはクラシックカーとして登録でき、年間の走行距離などは制限されますが、安全基準や排出ガス規制の基準値が緩和され、州によっては右ハンドルのクルマでも登録できます。

 そのため、生産から25年以上経った国産ネオクラシックがアメリカで人気となり、価格高騰につながったというわけです。

 そこで、1996年に発売され2021年に25年経つクルマを、5車種ピックアップして紹介します。はたして価格高騰はあるのでしょうか。

●三菱「ギャラン VR-4」

シリーズ最後のモデルとなった高性能なセダンの「ギャランVR-4」シリーズ最後のモデルとなった高性能なセダンの「ギャランVR-4」

 1969年に三菱は初代「コルトギャラン」を発売。スタイリッシュなデザインが注目されたセダンで、後に三菱の主力車種となりました。

 1987年に発売された6代目では高性能エンジンを搭載したフルタイム4WD車の「ギャランVR-4」が登場し、そのポジションを「ランサーエボリューション」が引き継ぐと、ギャランVR-4はハイグレードな高性能モデルとして7代目、8代目へと継承されます。

 そして1996年にデビューして最終型となった8代目に設定されたVR-4では、2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は280馬力に達し、トランスミッションは5速MTと4速ATが選べました。

 外観では逆スラントノーズによる力強いフロントフェイスが特徴です。

 また、ギャランVR-4は乗り心地や静粛性の向上や、ラグジュアリーな内装に仕立てられているなど、ハイパフォーマンスモデルというだけでなく、セダンとしてのクオリティにもこだわっています。

 しかし、販売は低迷していたため、2002年にVR-4の生産を終了し、2005年にはギャランの歴史が幕を閉じました。

 現在、中古車の物件数は少ないですが、価格は100万円未満と安価です。ギャランは2003年に、日本仕様とはまったく異なるモデルとして北米で販売されていましたが、高性能モデルはなく、VR-4はJDMとして人気となりそうです。

●トヨタ「マークII」

ラグジュアリーなモデルだけでなく高性能車も設定された「マークII」ラグジュアリーなモデルだけでなく高性能車も設定された「マークII」

 長くトヨタ製ミドルクラスセダンの中核だった「マークII」は、北米でも「クレシーダ」の名で販売されました。

 しかし、ベーシックなセダンとしてとくに目立つ特徴もなく、1992年には北米での販売を終了しました。

 一方、日本では1996年に8代目が登場し、スポーティグレードの「マークII ツアラーV」には、最高出力280馬力を誇る2.5リッター直列6気筒ターボの1JZ-GTE型エンジンを搭載するなど、高性能FRセダンとして人気となります。

 同エンジンはA70型スープラや、Z30型ソアラにも搭載され、スポーティなパワーユニットとして高度なチューニングにも応えられる実力がありました。

 また、足まわりは7代目から踏襲された4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、コーナリング性能も定評があります。

 こうした素性の良さからマークIIはチューニングのベースとなり、ノーマルの中古車は少ないのですが、アメリカでは日本のチューニングカー・ムーブメントも人気があるため、意外と注目されそうです。

●日産「ステージア」

スポーティかつ使い勝手の良いステーションワゴンとして人気を博した初代「ステージア」スポーティかつ使い勝手の良いステーションワゴンとして人気を博した初代「ステージア」

 1996年に発売された日産初代「ステージア」は、7代目にあたるR31型「スカイラインワゴン」の実質的な後継車として登場した、走りにもこだわったFRのステーションワゴンです。

 搭載されたエンジンは2リッター/2.5リッター自然吸気、2.5リッターターボの3種類が設定され、全機種とも直列6気筒を採用。

 なかでもトップグレードに搭載された2.5リッターターボの「RB25DET型」は当初の235馬力から最終的には280馬力までパワーアップし、俊足なステーションワゴンとして人気を博します。

 外観はロー&ワイドを強調したフォルムで、ステーションワゴンらしさあふれる伸びやかな直線基調のデザインを採用。荷室容量も大きく取られ、使い勝手も優れていました。

 また、オーテックジャパンが開発し、1997年に発売された「ステージア オーテックバージョン 260RS」は、R33型「スカイラインGT-R」のエンジン、ドライブトレイン、ブレーキ、サスペンションなどを使って高性能化されたモデルで、別名「GT-Rワゴン」とも呼ばれていました。

 ステージアは日本専売車でスカイラインのDNAを受け継いでいるとあって、JDM人気が高いアメリカでも注目されそうです。

■日本でもかなりマニアックなJDMセダンとは

●日産「レパード」

国内でも希少な存在の最終モデル、4代目「レパード」国内でも希少な存在の最終モデル、4代目「レパード」

 1980年に発売された日産初代「レパード」は、「スカイライン」や「ローレル」にはない先進的なスタイリングの4ドア/2ドアハードトップのスペシャリティカーです。

 そして1986年に登場した2代目では、当時大ヒットしていたソアラを意識した2ドアクーペにデザインを一新し、TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたことも相まって、若者を中心に高い人気を誇ります。

 しかし、1992年に登場した3代目では「レパードJ.フェリー」に名を変え、ラグジュアリーセダンに変貌し、デザインが不評だったことや高額な価格から販売は極端に低迷。

 レパードJ.フェリーは北米ではインフィニティ「J30」の名で販売され、1997年に後継車の「I30」が登場し、2代目「セフィーロ」をベースとしたFFセダンへと生まれ変わりました。

 一方、日本では独自のモデルの4代目が1996年に登場。再びレパードに名を戻したうえで、主要なコンポーネンツは「セドリック/グロリア」と共有するセダンとしてデビュー。

 エンジンは新世代の「VQ型」がメインユニットとなり、トップグレードには3リッターV型6気筒ターボを搭載し、270馬力を発揮。

 外観はスポーティなイメージの4ドアハードトップで、先代から劇的に変化しましたが、販売台数は大幅増とはならず、2000年にこの代をもってレパードは消滅しました。

 インフィニティの流れをくむ、高性能なJDMセダンという点が、アメリカのマニアには刺さるかもしれませんが、現状では中古車の物件数が極端に少ない状況です。

●ホンダ「S-MX」

室内の広さと走りに定評があったトールワゴンの「S-MX」室内の広さと走りに定評があったトールワゴンの「S-MX」

 1996年に発売されたホンダ「S-MX」は、若年層をターゲットに開発されたコンパクト・トールワゴンです。

 当時のホンダは「クリエイティブムーバー」というコンセプトのもと、「オデッセイ」や「CR-V」、「ステップワゴン」を次々と発売し、S-MXはシリーズの第4弾です。

 外観は、運転席側が1ドア、助手席側が2ドアの変則4ドアが特徴で、当時ヒットしていたアメリカ製ミニバンのシボレー「アストロ」をオマージュしたようなデザインを採用。

 シャシはステップワゴンをベースにショートホイールベース化され、室内は前後ベンチシートの4人乗りで、後に5人乗り仕様を追加。このシートは前後フルフラットにするアレンジが可能で、一般的なセミダブルベッドと同等のサイズと謳われていました。

 グレードは標準車に2WDと4WDがあり、カスタマイズカーのように車高が15mm下げられた「ローダウン」の3タイプをラインナップ。

 また、エンジンは全車に130馬力を発揮する2リッター直列4気筒を搭載し、コンパクトな車体と相まって余裕ある走りを実現しました。

 発売当初は、目論見どおり若いユーザーから高く評価されてヒットしましたが、より広い室内で多人数乗車も可能なミニバンの人気が高まると、販売は徐々に低迷。2002年にS-MXは一代限りで生産を終了しました。

 同様なコンセプトのモデルとして、日産「キューブ」やトヨタ「bB」があり、どちらもアメリカでも販売された実績があるため、S-MXのポップなスタイルはアメリカでも受け入れられる土壌は整っているといえます。

※ ※ ※

 前述のとおりアメリカは中古車の輸入に制限があり、さらに中国では原則的に中古車の輸入は許されておらず、中古車に高い関税を課す国も存在します。

 一方で、日本では中古車の輸入はかなり自由で、日本の保安基準や排出ガス規制に適合していれば、登録は比較的容易で、関税もかかりません。

 そのため日本の中古車市場では、海外から輸入された中古車も数多く、バラエティに富んでおり、左ハンドルのままでも乗れるなど、日本の自動車市場はかなり開かれているといえます。

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