メジャーじゃないけど愛すべき存在!? キラリと光るものがあった車5選

くるまのニュース / 2020年11月17日 6時10分

世の中には大ヒットするクルマがある反面、想定よりも売れなかったクルマや、もともと販売目標が少ないクルマがあります。そうしたマイナーなクルマのなかには、じつは秀でる部分があるモデルも存在。そこで、メジャーではないけれど、キラリと光るものがあったモデルを5車種ピックアップして紹介します。

■売れなかったけど意外とイケてたクルマを振り返る

 ホンダ「N-BOX」やトヨタ「プリウス」のように大ヒットするクルマがありますが、すべてのクルマがヒットするわけではなく、想定よりも売れなかったクルマや、そもそもの販売目標が少ないクルマがあります。

 そんな売れなかったクルマは、ライバルに対して劣っている部分があったといえますが、秀でる部分があるモデルも存在。

 そこで、メジャーではないけれど、キラリと光るものがあったモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ヴォルツ」

デザインが受けなかったもののハイパワーエンジンに6速MTを設定した「ヴォルツ」デザインが受けなかったもののハイパワーエンジンに6速MTを設定した「ヴォルツ」

 2002年に発売されたトヨタ「ヴォルツ」は、北米市場の若年層をターゲットに開発されたクロスオーバータイプのSUVです。

 トヨタとGMが共同開発し、生産もアメリカでおこなわれ、日本では輸入車として販売されました。

 外観はクーペとハイトワゴンが融合したようなデザインで、フロントバンパーやフロントフェンダー、サイドアンダーパネル、リアバンパーがボディ色とは異なるグレーに塗装されるなど、SUVらしさを表現。

 北米でのセールスは比較的好調でしたが、日本ではトヨタ車らしからぬデザインが受け入れられなかったのか、販売は低迷して、発売からわずか1年8か月で販売を終了しています。

 しかし、ヴォルツに搭載されたエンジンはかなり優れており、2種類の1.8リッター直列4気筒DOHCを設定し、なかでも「Z」グレードには「セリカ」に搭載された最高出力190馬力を誇る「2ZZ-GE型」エンジンに、トランスミッションは4速ATに加え、6速MTも設定されるなど、異色なSUVでした。

●ホンダ「ドマーニ」

小さな高級車としてかなり作り込まれていた「ドマーニ」小さな高級車としてかなり作り込まれていた「ドマーニ」

 1988年に発売されたホンダ「コンチェルト」は、当時、提携していた英国のローバーグループとの共同開発によって誕生したモデルで、英国調の小さな高級車を目指していました。

 そして、1992年に発売されたホンダ「ドマーニ」はコンチェルトの後継車として、同様に小さい高級車をコンセプトに開発されたコンパクトセダンです。

 基本的なコンポーネンツは「シビックフェリオ」をベースとしながら、内外装はドマーニ専用にデザインされ、シビックフェリオとの共通項はほとんどありません。

 装備もフルオートエアコン、パワーステアリング、パワーウインドウ、パワードアロック、電動リモコンドアミラー、オーディオシステムなどを全グレードに標準装備し、1.6リッターから1.8リッタークラスで初めて運転席用エアバッグシステムを標準装備するなど、上級車に劣らない装備を採用していました。

 1997年に発売された2代目はシビックフェリオの内外装を手直ししてコストダウンを図ったため、初代はかなりコストがかかっていたことが想像できます。

●スズキ「スプラッシュ」

欧州テイストあふれるデザインと走りが印象的だった「スプラッシュ」欧州テイストあふれるデザインと走りが印象的だった「スプラッシュ」

 現在のスズキの登録車ラインナップで主力となっているのは「スイフト」「イグニス」「クロスビー」などのコンパクトカーです。

 スズキは1983年発売の「カルタス」以降、1リッタークラスのエンジンを搭載した「リッターカー」に力を入れてきましたが、なかでも異色なモデルといえば、2008年から2014年まで販売していた「スプラッシュ」ではないでしょうか。

 スプラッシュはハンガリーにあるスズキの子会社のマジャールスズキで生産され、欧州を中心に展開したグローバルカーでもあり、日本においてはスズキ初の自社ブランドの輸入車として販売。

 Aセグメントのコンパクトなボディながら5名乗車で、6つのエアバッグと、リアシートにも3名分のヘッドレストと3点式シートベルトが装備されるなど、クラス標準以上に安全装備が充実。

 そして、個性的な内外装が特徴的で、スズキ自らも「ヨーロピアンスタイル」と標榜。外観はコンパクトカーながら見るからにどっしりとした台形フォルムで、内装もシンプルながらデザインが洗練されたインパネまわりとなっているなど、他のモデルとは趣が異なっています。

 エンジンは88馬力を発揮する1.2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションはCVTのみの1グレードです。

 欧州で走行テストを繰り返した軽快なハンドリングと乗り心地も高く評価されましたが、日本ではスイフトと競合したためか販売は低迷。

 さらに、メーカーオプションが数少なく、装備のアップグレードが選択できなかったことも、販売低迷の一因といわれています。

■見た目と走りを重視したSUVは出るのが早すぎた!?

●マツダ「CX-7」

スポーティな走りとデザインのSUVながら人気とならなかった「CX-7」スポーティな走りとデザインのSUVながら人気とならなかった「CX-7」

 現在、マツダが国内で販売しているSUVは「CX-3/CX-30/MX-30/CX-5/CX-8」と数多くラインナップしており、異なる車格でさまざまなニーズに対応しています。

 このマツダのSUVラインナップには、かつて「CX-7」というモデルが存在しました。

 2007年に発売されたCX-7のコンセプトは、スポーツカーとSUVの特徴を融合させた「スポーツクロスオーバーSUV」で、エンジンは238馬力とパワフルな2.3リッター直列4気筒直噴ターボを搭載し、駆動方式はFFと4WDを設定。

 外観は大きく傾斜させたフロントウインドウと、立体的な造形の大きく張り出したフェンダーと、縦に圧縮したような低いキャビンによる個性的かつスポーティなフォルムで、現在のクーペSUVの先駆けです。

 しかし、もともとは海外市場を主眼に開発されていたため、ボディサイズは全長4680mm×全幅1870mm×全高1645mmと当時としてはかなりの大柄で、日本の道路環境では使い勝手が良いとはいえませんでした。

 そのため販売は低迷し、日本では2011年に一代限りで生産を終了。翌2012年にボディがダウンサイジングされたCX-5が発売され、CX-7の実質的な後継車となっています。

●日産「ミストラル」

オンロード向きにセッティングされた都会派クロカン車の「ミストラル」オンロード向きにセッティングされた都会派クロカン車の「ミストラル」

 1990年代の初頭に、国内ではスキーブームやアウトドアレジャーブームを背景とした「RVブーム」が起こり、なかでもクロスカントリー4WD車がブームをけん引するほどの爆発的なヒットを記録。

 各メーカーとも次々とクロカン車を発売し、日産ではフラッグシップの「サファリ」、ミドルクラスの「テラノ」、ピックアップトラックの「ダットサントラック」を展開しました。

 当時はどのモデルもヒット作になり、次の一手として1994年にスペイン工場で生産された「ミストラル」の輸入・販売をおこないます。

 ミストラルはテラノのラダーフレームをベースに、当初はロングボディ3列シートの5ドアのみの設定でしたが、後に3ドアのショートボディを追加。

 外観は質実剛健なテラノに比べ都会的な雰囲気のデザインで、欧州市場がターゲットだったため、足まわりのセッティングもオンロード走行を重視したセッティングとし、直進安定性や乗り心地の良さが光るクロカン車という、それまでにないモデルでした。

 国内仕様のパワートレインは2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルターボと4速ATの組み合わせのみで、駆動方式は全グレードでパートタイム4WDを採用。

 1997年のマイナーチェンジでフロントフェイスが一新され、より個性的なデザインへ変貌しましたがテラノほどの人気を獲得できず、ミストラルは1999年に販売を終了しました。

 いまでは現存数も少ないため、中古車市場でもかなりレアな存在です。

※ ※ ※

 クルマがヒットするかしないかは、クルマの良し悪しだけでなくさまざまな要因が作用し、出る時期が早すぎたと評されるクルマもあります。

 たとえば、日産「ラシーン」やホンダ2代目「クロスロード」は、新車で販売されていた頃はそれほど高く評価されませんでしたが、近年は再評価されて中古車の人気が高くなりました。

 世の中の経済状況やトレンドなども含めて、各メーカーは新型車を開発する際には綿密なリサーチをおこないますが、それでもヒットするクルマばかりではないことから、企画の困難さがうかがえます。

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