運転中のイヤホン通話はダメ? 「ながらスマホ」強化から1年 赤信号なら問題無いのか
くるまのニュース / 2020年12月6日 7時30分
通称「ながらスマホ」などに関する運転中の通話や操作に関する改正道路交通法が施行されてから1年が経過しました。そんななか、違反にならないとされるBluetooth通話やハンズフリー通話が使用条件によっては、違反の対象となる可能性があるようです。どのような場合に、取り締まりの対象となるのでしょうか。
■使い方次第ではハンズフリー通話は違反?
2019年12月1日に通称「ながらスマホ」などに関する運転中の通話や操作に関する改正道路交通法が施行されてから1年が経過しました。
運転中の通話などに対する罰則がそれまで以上に厳しくなったことで、手に持たずに通話が可能なBluetoothやハンズフリーイヤホンに注目が集まりましたが、使い方次第では違反になる可能性もあるようです。
1年前に道路交通法が改正された背景には、クルマの運転時にスマホやカーナビなどの操作や画面を注視したこと(以下、携帯電話使用等)に起因する交通事故が増加傾向にあったことが挙げられます。
警視庁によると、スマホやカーナビを起因とする交通事故は、2008年時点で1299件だったのに対して、2017年には2832件に増加。その後も2018年は2790件、2019年は2645件を記録します。
そのため、携帯電話使用等に対して罰則の強化および違反点数の引き上げがおこなわれました。
スマホや携帯電話などでの通話や、スマホやカーナビゲーションなどの画面を注視する行為をおこなった場合の携帯電話使用等(携帯電話使用等[保持])では、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。反則金は、普通車で1万8000円の違反点数3点に変更となっています。
その結果、改正後となる2020年7月、警察庁は2020年上半期(1月から6月)の道路交通法違反取締り状況において、携帯電話使用などの違反は、前年比60.2%減となる15万3001件と大幅に減少しました。
そうしたなかで、前述のスマホにイヤホンを接続してハンズフリー通話する方法や、カーナビとスマホをBluetooth接続して、クルマのスピーカーとマイクを使って通話する方法が最近の定番となっています。
しかし、道路交通法 第71条5の5では、「自動車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置を通話のために使用し、表示された画像を注視しないこと(中略)。」とあります。
要約すると、スマホなど手に持って操作する、もしくは画面を注視すること自体が違反ということになります。
では、イヤホンでのハンズフリーやカーナビのBluetooth通話は違反にはならないのでしょうか。都内警察署の交通課職員は次のように説明しています。
――運転中に通話をすることは違反なのでしょうか
道路交通法で禁止されているのは、携帯電話の保持や、携帯画面・ナビ画面の注視です。通話すること自体は違反ではありません。
ただし、通話をするためには、カーナビやスマホなどを操作することになり、注視するため結果的には違反の対象となりますが、画面注視について具体的な秒数が決められていません。
注視の判断については、運転操作から注意がそれたときといえ、違反となるかについては、現場の警察官の判断となります。
※ ※ ※
道路交通法では禁止されていない運転中の通話ですが、条例で禁止している自治体もあります。
また、実際に取り締まりをおこなう現場の警察官は次のように話します。
「最近では、停車してハンズフリー通話をされる人も増えてきています。ただし、気をつけて頂きたいのが通話の終わりかけなのか、クルマを発進させる人をたまに見かけます。
せっかく安全な場所で通話をしても、終わりかけだからといってクルマを運転しながら操作をすれば違反となります」
■赤信号での停止中ならセーフ? 絶妙なボーダーラインとは
道路交通法の条文を見る限りでは、赤信号での停車中は含まれないと解釈することも可能です。道路交通法第71条5の5では、「当該自動車等が停止しているときを除き」とありました。
赤信号なら問題ない? 道路交通法では問題なくも、危険性は高いといえる。
では、赤信号で停車中でも違反となるのでしょうか。警視庁総合相談センターは、次のように説明します。
「道路交通法でも、『当該自動車等が停止しているときを除き』とあるように、タイヤが完全に停止していればスマホの操作は可能です。
それは、渋滞中の停車も同様で、徐行ではなくタイヤが完全に止まっている停車であれば取り締まりを受けることはありません。
ただし、状況次第では違反対象となる可能性も高いため、路肩に停車し、シフトをパーキングにするなど、安全な状態で操作することが望ましいです」
※ ※ ※
重大な事故を巻き起こす可能性が高い運転中の「ながらスマホ」。
違反になるからではなく、交通事故を起こさないために安全な場所で使用することが推奨されます。
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