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ポルシェ911愛好家をも魅了する「718ボクスターGTS 4.0」のメリットとは?【国内試乗】

くるまのニュース / 2020年12月21日 19時10分

ポルシェ「718ボクスターGTS 4.0」を男女それぞれの目線で試乗。モータースポーツの世界に割とドップリハマってしまった女子ライダー&ドライバー、小鳥遊レイラちゃんの女性目線と、プロレーサー、テストライダー・ドライバーの丸山浩氏による、オーナー目線で見えてくる718ボクスターGTS 4.0の本質とは。

■自分で運転するなら、オープンでも構わない!

 ターボ化、ダウンサイジングが主流の今、自然吸気水平対向6気筒エンジンを搭載したポルシェ「718ボクスターGTS 4.0」は、純粋にエンジンフィーリングやドライビングフィーリングを楽しむための究極の1台かもしれない。そんな運転することを純粋に楽しむ718ボクスターを、女性と男性の目線から試乗してみることにした。

●ドライバーズシートの女性目線インプレ

 運転する愉しみが盛りだくさんの718ボクスターGTS 4.0。まずドアを開けた瞬間に、ボディカラーと同じパイソングリーンをしっかりと差し色に使ったインテリアに驚かされました。かなりの贅沢感があって、乗り込んだだけでワクワクさせてくれます。こういった演出は、さすがポルシェですね。

 今回は久しぶりのマニュアル車となりましたが、やっぱり楽しい! ビッグパワーのマニュアルトランスミッションということで、発進がギクシャクするのではと少し心配していましたが、予想に反してスッと滑らかにスタートできました。操作フィーリングも良好で、「スポーツカーを操っている!」という充実感が楽しめました。

 屋根が開くオープンカーであることも、スポーツムードを高めてくれます。体で風を感じられるのは私のようなバイク乗りにとってはうれしいし、迫力のあるエキゾーストノートをリアルに感じられるのも大きな長所です。

 正直、オープンで走ると日差しが眩しかったり髪の毛がバタついたり排気ガスが臭かったりして、とくに助手席の女性にとっては大変なことが多いんです。でも、いざ自分が運転するとなると、やっぱり屋根を開け放ちたくなります。

 それに、オープンカーを所有するって、憧れですよね。ポルシェ718ボクスターGTS 4.0は2シーターですから、この1台ですべての用途を満たすことはできません。ということは、2台目、3台目のクルマとして購入するのが一般的なのかもしれません。贅沢なスポーツカーである上に、さらにリッチな雰囲気が加わってきますね。

 さて、リッチかどうかは別として、ポルシェの中でもあえてオープンカーを選ぶということは、クルマにかなりの趣味性を求めるということの現れでしょう。

 エクステリアもインテリアも隙なくカッコよくて、操る楽しさを存分に味わえるMTで、しかも風と排気音をダイレクトに感じられるオープンカー。スポーツカーを楽しむという趣味性を満足させる1台だと思います。

■バイク乗りにはたまらない718ボクスターのフィーリングとは

 ポルシェはエンジン音にこだわるメーカーだ。ポルシェ718ボクスターGTS 4.0も、まずエンジンをスタートした瞬間に「ドン」という重低音が響く。

 走り出すと、アクセル開度に伴って排気デバイスをきめ細やかに制御しているのが分かる。もっとも迫力あるエキゾーストノートとなるスポーツプラスモードでも、街中をゆっくり走っている時にはかなり排気音量を抑えており、静粛といえる。

 そして郊外や高速道路などアクセルペダルを踏み込める場面では、自然吸気の水平対向6気筒エンジンらしい金属的で脈動感のあるサウンドが耳を愉しませてくれる。

●911カレラ乗りのプロドライバーのインプレ

ポルシェ「718ボクスターGTS 4.0」の最高速度は293km/hポルシェ「718ボクスターGTS 4.0」の最高速度は293km/h

 ただし、音量規制があるため、常に完璧なサウンドというわけにはいかない。学習機能を備えているとのことだが、ドライバーが迫力あるサウンドを求める時につい静かだったり、その逆に静けさを求める始動時に結構な音量を出してしまったりする。こうしたどうしても意のままにならない時があって、音量規制への対策に少なからず違和感を覚えるシーンもあった。

 しかし、排気音量のコントロールはこれからの社会でますます必要性が高まっていく機能だろう。まだ未完成とはいえスポーツカーを楽しむ我々にとって、ポルシェの試みには好感が持てるし、今後のさらなる熟成にも期待が持てる。

 電子制御の高度化によって、エンジンの気筒配列の個性はだいぶ打ち消されているように感じる。水平対向6気筒らしさは、往年の「911カレラ」などと比べるとやや影を潜めた。

 正直なところ、これなら水平対向4気筒のベーシックモデルでも十分なのではないか、と思ってしまうほどだ。恐らくポルシェは、エンジン種類ではなく馬力でモデルを選ばせようとしているのかもしれない。

 事実、現行718だけでも、300ps、400ps、420psのラインナップが用意されている。用途やドライバーの技量などによって必要なパワーのモデルを選べるようにするのは、ある意味では合理的なのかもしれない。

 そして、オープンである。現行ポルシェでは「911カレラ/ターボ」にカブリオレ、そして別途タルガをラインナップしているが、オープンカーとしての仕上がりの自然さは718ボクスターの方が上質だ。

 911はクーペを強引にオープンカーにした感を楽しむところがある。しかし718ボクスターはオープンを前提としながらクーペらしさも備えてデザインされているから、どこにも無理がない。とくにルーフからリアビューにかけての流れは非常に洗練されていて、どのモデルよりもスマートにオープンスタイルを演出している。

 私はポルシェ997を何台か乗り継いだ“カレラ愛好家”だ。スポーツドライビングから日常ユースまで幅広くこなせるカレラは、「この1台があれば十分」という優れたパッケージだ。

 だがそれでも、時にはオープンカーに乗りたくなるときもある。屋根が開くと、景色と一体化して走っているような解放感があり、私のようなバイク乗りにはたまらない。だから718ボクスターにも触手が伸びてしまうのだ。

 2シーターということもあり、これ1台ですべてこなすことはできないことは重々承知の上で、オープンカーの魔力にポルシェらしいサウンドチューニングが加わって、718ボクスターGTS 4.0が極めて魅力的なことは確かだ。

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