「ダメなのはわかるけど…」どこまでOK? 曖昧になりやすい交通ルール5選

くるまのニュース / 2020年12月27日 6時10分

交通ルールには、認識が曖昧になってしまっているものが多々あると思います。「これって、どこまでOKだっけ?」そんな、いまさら聞けない交通ルールをまとめてみました。

■なにが違う? どこまでOK? 曖昧になりやすい交通ルール

 クルマで道路を走っていると、標識などを見て、「これ、どこまでOKだっけ?」と、迷ってしまうことがあると思います。

 そんな、曖昧になりやすい交通ルールをまとめてみました。

●追い越しと追い抜きの違いは?

 高速道路や片側2車線以上の道路を走行中に遭遇する、「追い越し」や「追い抜き」が必要なシチュエーション。一見よく似た言葉ですが、追い越しには道路交通法で定められた明確な違いがあります。

 まず、追い越しは、道路交通法第2条の21で、「車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう」と規定されています。

 一方で、追い抜きには道路交通法による規定はないものの、車両通行帯がある道路などで、進路変更を伴うことなく前のクルマの側方を通過して前方に出ること。追い抜きと追い越しは、後方の車両が前のクルマの前方に出る際に、車線変更を伴うかどうかで区別されるのです。

 また、追い越しについては道路交通法第30条で禁止されている場所が存在します。

 追い越し禁止場所は、以下の9か所です。

・標識などにより追い越しが禁止されている場所
・道路の曲がり角付近
・上り坂の頂上付近
・勾配の急な下り坂
・トンネル(車両通行帯の設けられた道路は除く)
・交差点とその手前から30m以内の場所(優先道路を通行している場合を除く)
・踏切とその手前から30m以内の場所
・横断歩道とその手前から30m以内の場所
・自転車横断帯とその手前から30m以内の場所

これらの場所では、自転車などの軽車両を除く、クルマや原動機付自転車を追い越すために進路を変えたり、その横を通りすぎたりすることは禁止となります。

 ちなみに、追い越し違反をした場合は、普通自動車で9000円の反則金と違反点数2点が科せられることになる為、注意してください。

●駐車と停車の違いは?

 道路にクルマを停めていると、「駐禁を切られる」などという言葉を耳にすることが多々あります。駐禁というのは駐車禁止違反の略ですが、そもそも「駐車」と「停車」には、どのような違いがあるのでしょうか。

 道路交通法第2条によると、駐車は「車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう」とされています。

 一方で、停車は「車両等が停止することで、駐車以外のものをいう」とされています。

 そして、駐車禁止違反は「駐停車違反」と「放置駐車違反」に大別されます。

 駐停車違反は、運転者がクルマのなかや付近にいて、警察官などにクルマを移動するよう命じられた際は、すぐに対応できる状態の違反です。

 そして放置駐車違反は、違法に駐車しているクルマの運転者が、そのクルマの付近にはおらず、すぐに運転できない状態の違反です。

 ちなみに放置駐車違反には、停止時間の長短やクルマから離れている距離、エンジンがかかっているかどうかやハザードランプが焚かれているかなどの状態は、一切関係ありません。

 警察官や駐車監視員によって違法駐車と認められた場合は、「放置車両確認標章」という黄色いステッカーが貼り付けられることになります。

■2秒以上の凝視もNG!運転中の細かいルール

●携帯電話の使用はどこまでOK?

 運転中のスマホの利用は、2019年12月道路交通法の改正により、厳罰化されました。では、運転中のスマホ操作は、どこまでなら可能なのでしょうか。

 道路交通法第71条5の5では、「自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」とされています。

 そのため、「当該自動車等が停止しているときを除き」違反となることになり、停車中は対象外であると解釈することが可能です。

 この「停車中」の明確な定義はありませんが、一般的にはタイヤの回転が完全に止まっている状態のことを示しており、道路交通法において赤信号では停止しなければならないとされているため、信号待ちはクルマが停止した状態と解釈することができます。

 これらの解釈により、公道であってもクルマが完全に停止した状態であれば、スマホを操作することは交通違反には当たりません。

 一方で、渋滞中のノロノロ運転の場合には、完全な停止状態ではなく徐行とみなされるため、スマホの使用は禁止。手に持っての操作だけでなく、2秒以上画面を注視することも、違反の対象となります。

●左折時はどこまで左に寄ればいい?

 道路交通法第34条では「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」となっていますが、いったいどこまで左側に寄るのが正解なのでしょうか。

 教習所では、左折時の幅寄せはあくまでも巻き込みによる事故を防止する手段のひとつとして指導されます。そのため、交差点の30m手前まで来ると、後続車に対して「左に曲がる」意思を伝えるためにウインカーを出し、左後方からバイクや自転車などが来ていないかをサイドミラーで確認した上で、車線の左側に寄って減速をはじめます。

サイドミラーで後方を確認するイメージサイドミラーで後方を確認するイメージ

 そのため、幅寄せの目安はバイクや自転車がクルマの左側を通過しにくくなる距離です。道路状況にもよりますが、路肩とクルマの距離が1mほどとなる程度が、巻き込み事故を防ぐ観点からも、適切といえるでしょう。

●パッシングはどんな時に使う? 法律はあるの?

 パッシングは走行中のクルマがヘッドライトを素早く点滅させて、前方を走るクルマや対向車などにさまざまな合図を送る方法です。

 法律での決まりはないものの、「対向車に道を譲ってあげたい時」や、「対向車のヘッドライトがハイビームで眩しすぎることを伝える場合」など、ドライバー同士の大切なコミュニケーション手段でもあります。

 一方で、地域によってパッシングの示す意味が違っていたり、あおり運転と受け取られる場合もあるので、相手側のドライバーとのアイコンタクトなど、表情をキチンと読み取ることも重要です。

 道路交通法第52条第2項では、「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等操作しなければならない」と規定されています。

 そのため、前車の直後を走行する際に走行用前照灯(ハイビーム)を点灯したまま走行すれば、「妨害運転」となる可能性も大いにあり得ます。
 
 しかし、パッシングはハザードとともに、ドライバー同士のコミュニケーションツールとして使われることが多いため、「パッシング=違反」となることはありません。

 一方で、走行用前照灯の照射時間が長い、もしくは繰り返し執拗にパッシングをすれば、ハイビームと同様に「妨害運転」となることもあるので、パッシングを使うタイミングや使い方には十分注意しましょう。

※ ※ ※

「ダメなのは分かっているけど、いったいどこまでなら大丈夫?」交通ルールには、そういった曖昧になりやすいルールが多数存在します。

 安全に運転をするために、あらかじめキッチリとルールを把握しておくことは大切ですが、不安を感じた際は、改めて正確なルールを確認するようにすることが大切です。

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