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フェラーリと同じくらい高価だった! AMGチューナー時代の遺産「SL70AMG」とは?

くるまのニュース / 2020年12月27日 12時0分

いまやメルセデス・ベンツの高性能バージョンであるメルセデスAMGだが、もともとはチューナー/レーシング・コンストラクターから始まったAMGがルーツとなる。そのAMGチューナー時代のモンスターマシン「SL70AMG」を紹介しよう。

■ワンマン・ワンエンジン時代の、紛れもないAMG

 現在のメルセデスAMGは、究極のパフォーマンスをカスタマーに提供するための、スポーツ・ブランドとして独自のモデルを開発、生産するメーカーとして存在している。

 しかしもともとの、すなわちメルセデスという冠が付される以前の独立したAMGは、メルセデス・ベンツのプロダクション・モデルをベースにチューニング・カーを仕立てあげるチューナーであり、またレーシング・コンストラクターだった。

 今回はその時代のモデル、しかも現在においても多くのマニアが探して止まないモデルが、RMサザビーズのロンドン・オークションに出品されたので、ここで紹介することにしよう。

●1996 メルセデス・ベンツ「SL70AMG」

 出品車は、1996年式の「SL70AMG」である。

 この時代はAMGのブランド名はあくまでも車名の最後に付されることになっており、ここからもメルセデス・ベンツとAMG、そしてAMGというブランドの成り立ちが想像できる。

 アズライト・ブルーメタリックのボディカラーに、オーバーグレーレザーというインテリアカラーの組み合わせは、当時日本のAMGファンにも圧倒的な人気を誇った定番ともいえるカラーだ。

 しかし、それもそのはずで、この個体は日本からイギリスへと輸出され、今回のオークションに出品されたモデルであった。

 ちなみに当時、このモデルのベースとなった「SL600」の価格は、ロールス・ロイス「シルバースピリット」より、5%安かったのみ。SL70が非常に珍しく、また富の象徴であったことは想像に難くない。

 参考までに当時のAMGが、フロントに搭載する7リッターのV型12気筒エンジンのチューニングのために、カスタマーに発行した請求書は約5万ユーロ(当時の邦貨換算でおよそ700万円ほど)であった。SL600の車両価格と合わせると少なく見積もっても2300万円オーバーであったことは間違いないだろう。当時のフェラーリのフラッグシップとほぼ同額のプライスであった。

 その金額は高額すぎるとも考えられるが、AMGのポリシーである、「ワンマン・ワンエンジン」、すなわちひとりの職人が最初から最後までエンジンの組み立てをおこなう完全ハンドメイドで完成することを考えれば、けして高くはない額ともいえる。

■AMGジャパンでチューニングされた「SL70AMG」とは

 最高出力489psを発揮したM120型エンジンには、いわゆる前期型のクローズドデッキであるシリンダーとブロックの外壁がほぼ一体に成型されたもののみが使用され、オープンデッキの後期型は使用されない。

 これは強大なパワーに対する対応策で、出品車は1996年1月に「SL600」として日本に輸出された後に、同年2月から5月にかけてSL70へとAMGジャパンの手でモディファイされた。同時に最高出力が510psへとアップする「SL70パワーパック」を装備したことも確認されている。

●1996 メルセデス・ベンツ「SL70AMG」

オーバーフェンダーなどは装着されていないが、タダモノではないオーラを放つメルセデス・ベンツ「SL70AMG」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sオーバーフェンダーなどは装着されていないが、タダモノではないオーラを放つメルセデス・ベンツ「SL70AMG」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 AMGの3ピースホイール、そして「AMG by Sebring」エグゾーストのセットも、このモデルの魅力的なところだ。

 このロードスターに必要不可欠なロードホールディング、そしてサウンドを、カスタマーはこれらのアイテムから享受することができるようになるからである。

 出品車に付属されるドキュメントには、前オーナーがスパークプラグやブレーキマスターシリンダー、ヘッドおよびサンプガスケットなどのOEM部品を交換した記録も残っている。

 1994年から1998年の間に製作されたSL70のなかで29番目に相当するという出品車。そのコンディションは抜群だ。

 走行距離は6万1323kmだが、やはりその存在は目立ったのだろう、11万5500ポンド(邦貨換算約1594万円)での落札となった。チョイ怖時代のAMGは、まだまだ世界的にもその人気は衰えていないのだ。

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