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海辺じゃないのにクルマが錆びる!? 冬の雪道に潜む「塩害」トラブルとは

くるまのニュース / 2020年12月31日 9時30分

クルマの冬支度として、スタッドレスタイヤの装着などが挙げられますが、本当に怖いのは雪道を走ることより融雪剤がもたらす錆(サビ)です。なぜ融雪剤が錆を発生させるのか、そして錆からクルマを守る対策とは、どのようなものなのでしょうか。

■雪道を走行したあと、クルマが錆びやすいってホント?

 雪道やアイスバーンを走行するとき、クルマの冬支度としてスタッドレスタイヤに履き替えてに備えるのが一般的です。

 しかし、滑りやすい雪道やアイスバーンを走行するよりも怖いのが、走った後にクルマに発生する錆(サビ)だといえます。

 なぜ雪道を走ったあとに、ボディに錆が生じるのでしょうか。

 クルマのボディを侵食する錆の原因は、雪道に撒かれる融雪剤です。融雪剤は雪や氷を溶かして凍結を防止する効果が期待できるとあって、降雪量の多い地域では欠かせないものです。

 代表的なのは塩化カルシウムや塩化ナトリウムといった塩素系を主成分にしている融雪剤です。

 融雪剤に含まれている塩素は凍り出す温度(融点)が水より低く、雪のなかの水分が塩素を含むことで融点が下がるため、路面の雪や氷が溶け出したり、凍結しにくくなったりするのです。

 この融雪剤がなぜ錆を誘発するのかというと、海沿いのクルマが錆びやすくなる塩害と同じ理由です。

 じつは塩分だけでは金属は錆びず、錆は金属に付着した水分の影響で酸化することで発生します。

 塩分は水分を含んだままで蒸発しにくいため、結果として表面に水分が長時間残り、酸化が進みやすくなることで錆が発生しやすくなるといわれています。

 海沿いに駐車したクルマや建物の金属部分が錆びやすいのは、潮風によって付着した塩分を十分に落としきれていないからというわけなのです。

 同じように、融雪剤が撒かれた道を何度も走行するような場合や、雪道を走ったままで放置しているとボディについた水分が乾燥されず、錆が発生しやすくなります。

 融雪剤には、錆が発生しにくい非塩素系の有機化合物を主成分としたものもありますが、この錆びない融雪剤は液体である場合も多く、また価格も塩素系と比べると高額です。

 そのあたり、降雪量が多い地域などで融雪剤を使用している警察や役所、道路関係者、さらには日本の道路を管理する国土交通省はどう考えているのでしょうか。

 国土交通省 北陸技術事務所の「凍結防止剤(融雪剤)の性能等の取りまとめ調査について」というレポートによると、塩素系の融雪剤による塩害は認めつつも、安定した性能を発揮することや、圧倒的に安価、運搬や生産しやすいこと、保管しやすくすでにストックも確保されていることなどを理由に、塩素系融雪剤が現場では使いやすいとされています。

 確かに、降雪の多い地域では多くの融雪剤を使用する必要がありますし、価格も安いほうがいいことも理解できます。

 そうなると、自分でクルマを融雪剤の塩害から守るしか方法がないということになります。

■雪道走行後は足回りを中心に洗車で対応

 融雪剤がもたらす錆からクルマを守るには、どうすればいいのでしょうか。

 都内で輸入車を中心に販売するショップの工場長K氏に、対応方法を教えてもらいました。

雪道走行後は下回りやタイヤハウスの洗浄が重要雪道走行後は下回りやタイヤハウスの洗浄が重要

「僕自身スキーが好きで、シーズンになると毎週のように雪を求めて出かけています。当然ながら融雪剤を使った道も多く走行してきますので、帰宅後は2日から3日以内に洗車するように心がけています」

 ここで注意したいのは、ボディよりも足回りや下回りに融雪剤が付着しやすいということです。クルマの下半分を中心に洗車するのが、融雪剤を除去するためにかかせません。

「ボディなどは塗装面でコーティングされているので、それほど錆の心配はしなくても大丈夫です。それよりも重要なのは足回りや下回りです。

 洗車で目につきやすいボディは綺麗にできても、上から水をかけるだけでは足回り(ホイールハウスやサスペンションなど)の奥の部分まで洗うことができないケースが多いです。

 できればホースの水圧ではなく、高圧洗浄機やスチームなどで洗浄したほうが、塩分をより取り除くことができると思います。

 また、なかなか洗車しにくいのが、アンダーフロアなどの下回りです。洗車のたびにジャッキアップする人はいないと思いますが、この部分も意識的に洗い流すようにしてください」

 忘れがちなのがマフラーエンドです。排気によって普段でも錆びやすい部分ですので、とにかく通常の洗車より水を多めに使用して、下回り周辺の融雪剤が入った汚れをしっかり洗い流す意識が必要だとK氏はいいます。

※ ※ ※

 洗車は面倒だという場合は、プロにお願いして防腐対策をしてみるのもお勧めです。

 お金はかかりますがその都度洗う手間が省けますし、効果も非常に高いといわれています。それが「シャシーブラック」です。

 この施工の効果や恩恵は、夏場の潮風の塩害より融雪剤による塩害に対してのほうが大きいといわれています。

 その名の通り、黒っぽい色の特殊な防錆材を足回りやアンダーフロアに施工するのですが、現在では手軽なスプレータイプも市販されています。

 DIY感覚で自分でもできなくはないですが、ムラや塗り残しなどがあるとその部分が錆びやすくなるので、プロにお願いしたほうが早そうです。

 とくに4WD車やウインタースポーツ好きの人は、雪道走行後も錆の心配が減るので、結果的に有効だと思われます。

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