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なぜ増えた? 3ナンバーでも「コンパクト●●」 人気コンパクトSUVのハッキリしない定義とは

くるまのニュース / 2021年1月8日 7時10分

昨今の国産市場において「コンパクトSUV」は確立されたジャンルといえます。また、コンパクトハイトワゴンやコンパクトミニバンなど「コンパクト●●」が乱立しています。そのなかで、コンパクトSUVの定義とは、どのようなものなのでしょうか。

■まさに戦国時代!? コンパクトSUVはどこまでが「コンパクトなのか」

 近年のクルマのジャンルには、以前からの軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、セダン、SUV以外に、「コンパクト」と名が付くものも増えています。
 
 コンパクトハイトワゴンやコンパクトミニバン、コンパクトSUVなどが当てはまり、時代の変化と共にユーザーのニーズが細分化されることで、クルマも多様化しているのです。
 
 では、現在の「コンパクト」とは、どのような定義なのでしょうか。

 かつてであれば、軽自動車や5ナンバー車(俗にコンパクトカー)がコンパクトなサイズという意味がぴったりでしたが、最近ではそのボディタイプ内でのコンパクトも増えています。

 軽自動車は「全長3.4m、全幅1.48m、全高2.00m、排気量0.660リッター」となり、小型自動車(5ナンバー車)は「全長4.70m、全幅1.70m、全高2.00m、排気量2.00リッター」という規格が定められています。

 なお、俗にいう3ナンバー車は5ナンバー車のサイズを超えた乗用車が該当します。

 このように、軽自動車や5ナンバー車のボディサイズのモデルをコンパクトとして称していましたが、昨今では衝突安全性やさまざまな装備類の増加、そしてグローバル市場での共通化によって、年々クルマのボディサイズは巨大化しています。

 また、これまでのジャンル定義以外に、ユーザーの求めるニーズが細分化したことで、新たなジャンルが開拓されたことにより、前述のコンパクトハイトワゴンやコンパクトミニバン、コンパクトSUVが確立されました。

 コンパクト●●が増えた背景について、国産自動車メーカーの担当者は次のように話します。

「これまでのジャンルでは、ボディサイズが小さくても『SUV』というひとくくりでした。

 しかし、お客さまのニーズがより小さい物、扱いやすい物を求める傾向が強くなってきたことで、メーカー側としてもあえて『コンパクト』という部分を強調することで訴求するようになったことが、コンパクトSUVといった言葉が定着した要因だと思います。

 実際にお客さまに説明する際にも、『これはSUVです。』というよりは『これはコンパクトSUVです。』と説明したほうが直感的にサイズ感がわかりやすいこともあり、販売側と購入者の双方にメリットがあります。

 また、以前から各社にはミドル●●やラージ●●という呼び方がコンパクト●●以前からいわれていたこともあり、それらと差別化を図るためも積極的に使われるようになったのだと思います。

 そのため、コンパクトSUVの定義となると曖昧な部分が多く、メーカーがコンパクトSUVとして訴求するかによって異なるのが実情です」

※ ※ ※

 現在の「コンパクト」という言葉は単純にボディサイズが小さいということではなく、それぞれのジャンルにおいて「小さいほう」という意味合いが強いようです。

■曖昧なコンパクトSUVの定義…全長でなんとなく決まっていた?

 では、昨今人気のコンパクトSUVでは、何を基準にコンパクトSUVと呼んでいるのでしょうか。

 現在のコンパクトSUVジャンルを確立したモデルといわれていのが、日産が2010年に発売した「ジューク」で、従来のオフロードを意識させるSUVとは異なるスポーティかつスタイリッシュなSUVとして誕生しました。

 ジューク以降では、スバル「インプレッサXV/XV(2010年)」、三菱「3代目RVR(2010年)」、ホンダ「ヴェゼル(2013年)」、マツダ「CX-3(2015年)」、トヨタ「C-HR(2016年)」などが登場し、これらが日本における昨今のコンパクトSUV第一期モデルといえそうです。

 その後も、三菱「エクリプスクロス(2018年)」、スズキ「3代目ジムニーシエラ(2018年)」、マツダ「CX-30(2019年)」、トヨタ「ライズ(2019年)」、ダイハツ「ロッキー(2019年)」、日産「キックス(2020年)」、トヨタ「ヤリスクロス(2020年)」、マツダ「MX-30(2020年)」が続々と登場し、これらがコンパクトSUV第ニ期モデルといえます。

 第一期、第二期のなかでは、RVRとジムニーシエラ以外のモデルが新たに市場へ投入されたブランニューモデルとなり、2010年以降にコンパクトSUVジャンルが確立されてラインナップが拡大したことがわかります。

 では、これらのコンパクトSUVとされるモデルのボディサイズはどのように異なるのでしょうか。

 SUVにおけるコンパクト、ミドル、ラージの区別としては、全長サイズによる区分が一般的です。上限を全長4400mm台以下とするコンパクト、全長4500mm台から4700mm台のミドル、全長4800mm台以上のラージというのが一般的な認識でした。

 そのコンパクトSUVにおいて、もっとも小さいサイズは少し特殊ですが、軽自動車規格の「ジムニー」に樹脂製のオーバーフェンダーを装着したジムニーシエラの全長3550mmです。

 次に小さいサイズなのは、ライズ/ロッキーの全長3995mmとなり、全長4mを下回るモデルとなります。

 一方で、コンパクトSUVと称されるなかでもっとも大きなサイズは、これまでは、XVの全長4485mm。全長4545mmでミドルサイズSUVに分類されているマツダ「CX-5」とは60mmの違いでした。

 しかし、2020年12月4日にエクリプスクロスがマイナーチェンジしたことにより、従来モデルの全長4405mmから全長4545mmにサイズアップ。CX-5と同じ全長に延長され、エクリプスクロスはコンパクトSUVとはいえなくなったのです。

サイズアップでコンパクトからミドルに格上げとなった三菱「エクリプスクロス」(左:従来ディーゼルモデル、右:新型PHEVモデル)サイズアップでコンパクトからミドルに格上げとなった三菱「エクリプスクロス」(左:従来ディーゼルモデル、右:新型PHEVモデル)

 このサイズアップに関して、三菱の販売店スタッフは次のように話します。

「元々、エクリプスクロスをコンパクトSUVとして訴求してはおらず、あくまでも『クロスオーバーSUV』としてお客さまには説明していました。

 細かなサイズ感を検討材料にされるお客さまには、一般的なサイズ感としてコンパクトSUVといえますと説明していましたが、エクリプスクロスに関してサイズを気にされる人は多くはありません。

 一方で新たに登場したエクリプスクロスはPHEV仕様がメインとなり、そちらの性能を全面に訴求しております」

※ ※ ※

 確かに、全長4400mm台ではコンパクトSUVといいづらい面もあり、あくまでも一般的な定義としての話として使われることに留まるようです。

 一方、コンパクトSUVラッシュはまだまだ続くといえ、2021年秋頃にはトヨタからカローラシリーズのSUVモデルとして「カローラクロス」の日本導入が噂されています。

 カローラクロスは、2019年7月にタイで発表されたブランニューモデルで、日本のみならず世界中で人気のカローラシリーズのSUVモデルとあって注目度は高く、日本導入を果たせば、コンパクトSUVジャンルがさらに激化するかもしれません。

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