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まもなく日本上陸! 新型BMW「M3セダン」「M4クーペ」はどこが進化したのか

くるまのニュース / 2021年1月12日 19時10分

2020年9月にドイツ本国で発表された新型「M3セダン」と「M4クーペ」。クーペのM4だけでなく、セダンのM3にも巨大キドニーグリルが採用されたことが大きな話題だが、搭載エンジンを中心に、さまざまに進化しているのが特徴だ。日本導入目前のいま、新型M3/M4の予習をしておこう。

■大きく進化したのは「S58B30」型になった搭載エンジン

 もともとはサーキットを走るために生まれたBMW「Mモデル」。その代表格である「M3セダン」と「M4クーペ」が新型になり、2021年春に日本へ上陸する。本物を目にする前に少し予習をしておこう。

 4ドアセダンの新型M3の開発コードはG80、2ドアクーペの新型M4はG82と呼ばれる。ちょっと遅れて登場する「M4カブリオレ」はG83である。

 4シリーズクーペのキドニーグリルが大きな縦型になったことが話題だが、新型はM4クーペだけでなくM3セダンも同様のキドニーグリルになった。正確にいうと、通常の4シリーズクーペの縦型キドニーグリルよりも、Mモデルのそれはやや横に広がっている。エンジンルームに取り込む空気量を増やしたかったのかもしれない。

 今回のモデルチェンジで、一番大きな変化はエンジンだ。3リッター直列6気筒ツインターボは従来のS55B30というエンジンコードから、S58B30になった。

 シリンダーブロック、シリンダーヘッド、クランクシャフトなどすべて新設計だ。より大きな爆発力を受け止められるようにし、より激しい走りにも対応できる冷却システムも組み込まれている。

 シリンダーヘッドの冷却水の通路は3Dプリンターでプラスチックの型を作り、それを元に一基ずつ鋳造するという手の凝った方法を採用している。さらにピストンの冷却のために下からオイルジェットで吹くが、ジェットノズルをシリンダーごとに2本設置して万全を期している。

 冷却がうまくできれば、もっとパワーとトルクを増やせる。そこで重要になるのがクランクシャフトの受けである。

 これまでのシリンダーブロックとオイルパンを一体化するようなベッドプレート方式も良かったのだが、じつはアルミ合金の限界まできていた。そこで新型ではクランクシャフトを鉄で支えるようにした。これにより、さらに強いトルク(というか爆発力)でクランクシャフトが押されてもしっかりと支えられるようになり、高回転での振動も少なくなった。

新型M3コンペティション/M4コンペティション用の3リッター直列6気筒ツインターボ「S58B30T0」。510ps/6250rpm、650Nm/2750-5500rpmを絞り出す新型M3コンペティション/M4コンペティション用の3リッター直列6気筒ツインターボ「S58B30T0」。510ps/6250rpm、650Nm/2750-5500rpmを絞り出す

 新型M3/M4用のS58B30O0(最後の2文字はオーゼロ)は、最高出力480ps/6250rpm、最大トルク550Nm/2650-6130rpmを発揮する。6速MTと組み合わされるモデルの0-100km/h加速は4.2秒だ。

 先代用のS55B30T0エンジンは431ps/7300rpm、550Nm/1850-5500rpmのパワーとトルクだったから、新型はより低い回転数でより高い出力を出している。これは高回転でトルクが太いから発揮できた。

 新型M3コンペティション/M4コンペティション用のS58B30T0は、510ps/6250rpm、650Nm/2750-5500rpmを絞り出す。トランスミッションの8速M Steptronic with Drivelogicを介して、後輪駆動で0-100km/hを3.9秒で駆け抜ける。

 後からオプションで登場するxDrive(4WD)ならもっと速くなるはずだ。500ps/6250rpm、600Nm/4000-5500rpmというハイパフォーマンスエンジンを搭載していた現行型「M4GTS」は水噴射を使っていたが、新型用エンジンのS58B30はこれらの対策により、水噴射を使わなくても、M4GTSのエンジン以上のパワーとトルクが出せるようになったのだ。

 このスペックを見るだけでも、早く新型M3/M4に乗りたくなるだろう。

■「駆けぬける歓び」の先頭に立つMモデル

 新型M3セダン/M4クーペをいざ購入しようと思うと、魅力的なパッケージがたくさん用意してある。まだ日本での車両価格やオプション価格は明らかになっていないが、高そうなオプションもあるから心の準備が必要だ。

BMW新型「M3セダン」(写真左)と「M4クーペ」(写真右)BMW新型「M3セダン」(写真左)と「M4クーペ」(写真右)

 M Carbon Exterior Package(M カーボン・エクステリアパッケージ)は、エアインテーク、ミラーキャップ、リアスポイラー、リアディフューザーがカーボンになっている。

 M Race Track Package(M レーストラック・パッケージ)はMカーボンセラミックブレーキ、軽量ホイール、セミスリックタイヤ、Mカーボンバケットシートなど、リストにはたくさん挙がってくる。

 さらにM ドライブプロフェッショナルはMトラックモード、Mトラクションコントロール、MドリフトアナライザーとMラップタイマーを装備。

 またMドライバーズパッケージは最高速度が290km/hに引き上げられ(標準車は250km/h)、アジャスタブルDSCとアダプティブMサスペンションが標準になる。そしてタイヤは前20インチ、後21インチになる。ちなみに標準タイヤは前275/35ZR19(100Y)XL、後285/30ZR20(99Y)XLというサイズだ。

* * *

 M3の歴史は、1985年から発売されたE30型3シリーズクーペから始まる。2.3リッター直列4気筒エンジンは195psを発揮、5速MTを介し、1200kgの軽量ボディを後輪駆動で押し出す。モデル末期には2.5リッター直列4気筒で238psを発揮する「M3スポーツエボリューション」も登場した。

初代E30型M3(写真は1988年製Evo1)初代E30型M3(写真は1988年製Evo1)

 第2世代のM3は1993年に登場した。3シリーズの歴史と同じく、E36型クーペをベースとしている。S50B30と呼ぶ3リッター直列6気筒のMエンジンを搭載する。初代M3のようなブリスターフェンダーはなくなり派手さはない。最終モデルでは3.2リッターのS50B32になり、321psまでパワーアップした。

 第3世代M3は2000年に発売になったE46だ。S54B32型エンジンは3.2リッター直列6気筒で343ps。いまでも愛好家の中では珍重される「M3CSL」は2003年に登場した。これはBMWで最初にカーボンルーフを採用したモデルだ。

3代目E46型M3CSL(2003年)3代目E46型M3CSL(2003年)

 第4世代M3は、2007年に登場したE90ベースのモデル。セダンはE90、クーペはE92、カブリオレはE93が開発コードだ。このころまではノーマルとMモデルの開発コードは共通だった。ついに4リッターV型8気筒で420psを発揮するS65B40と呼ぶエンジンを搭載した。ここまではノーマルアスピレーション(NA:自然吸気)エンジンだった。

 第5世代は2014年に登場したF80(セダン)、F82(クーペ)だ。この代からクーペモデルは「M4」と改称し、ここからMモデル用の開発コードが用いられるようになった。V8から直6に戻ったS55B30エンジンは2基のターボチャージャーを装備し、431ps・550Nmを発揮した。

 歴代のM3に共通していえることは、どのモデルも運転して楽しいクルマだということ。それは現在乗ったとしても同じだ。「駆けぬける歓び」の先頭に立っているのがMモデルなのだ。

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