釣りに行くなら車が必須! どの車が最適? 釣り好きが求める5つの条件とは
くるまのニュース / 2021年2月4日 17時10分
釣りを趣味とする人にとって、どんなクルマでも釣りに行くことは可能ですが、向いているクルマとそうではないクルマがあります。そこで、実際に釣り趣味としている人に、クルマに求めるポイントを聞いてみました。
■道具が多くなりがちな釣りはクルマで行くのが最適
新型コロナウィルスの流行もあり、「密」にならない趣味としてアウトドアスポーツが注目を集めています。
なかでも人気なのが「釣り」で、週末ともなると海も湖も河川も有名スポットではたくさんの人が釣りを楽しんでいます。
公共交通機関を利用して行けるところもありますが、釣り場は基本的にあまり交通の便が良いところとはいえません。
魚がよく釣れるとされる時間帯である日の出ごろ(朝マズメ)に間に合うように到着するとなると始発列車でも厳しく、釣りはなにかと荷物が多くなりがちなこともあり、やはり移動にはクルマを利用するのが便利。
もちろん、どんなクルマでも釣り場に向かうことはできますが、釣りの相棒として使うのに向いているクルマというのも存在します。
そこで、釣り好きの人たちからクルマを選ぶ際の条件となる「釣行に便利な機能」を聞いてみました。
●ラゲッジルームがフラットで広い
どんな趣味でもいえることですが、ハマればハマるほど道具や荷物は増えるもの。それは釣りも例外ではありません。
入門時はコンパクトにたためる竿とリール、糸や針やオモリといった仕掛け、あとはエサぐらいで十分なので荷物も少なくて済んでいたものが、小道具を満載したタックルボックスや巻き餌を入れるバッカン、釣った魚を持ち帰るためのクーラーボックスなど、気が付けば公共交通機関で運ぶのは無理なほど荷物が増えていきます。
そういうわけで、釣り用のクルマに求められるのは「とにかくラゲッジが広いこと。道具が増えるとリアシートをたたんでさらにスペースを広げるようになるのですが、ハッチゲートから奥にある荷物を取るときに滑らせて近くまで持ってきたりするので、できるだけフラットになるクルマがいいですね(30代・男性)」とのこと。
クルマのボディ形状については「雷は危険なのでNGですが、釣りは雨天でも決行します。荷物の出し入れのときにハッチゲートがあるとちょっとした屋根がわりになるので、セダンよりワゴンやハッチバックが便利(20代・男性)」なのだそう。
総合すると、クラストップレベルのラゲッジ容量を誇るトヨタ「RAV4」や、ワゴンづくりのノウハウを存分に活かしたスバル「レヴォーグ」などがお勧めの車種といえそうです。
●後席を倒しても前席が倒れる
早朝に釣りを楽しみ、そのあとちょっと休憩して夕方から再び釣りをしたり、あるいは前夜から前乗りしての朝イチを待つようなケースが多々あります。
そんなときは少しでも仮眠をとって身体を休めたいものです。
本格的な車中泊とまではいかなくとも、ちょっと運転席を倒してひと眠り…というのは、釣り人なら誰もが経験あることではないでしょうか。
しかし、「荷物が多いため後席を倒してフラットなスペースを作ると、前席が倒れないクルマがあるんです。後席を倒すときに座面を引き上げる(ダブルフォールディング)タイプなんですけど(30代・男性)」というケースもあるのだとか。
また、ダブルフォールディングでなくても、倒した後席のシートバックやヘッドレストが干渉して前席があまり倒れないクルマもあるので、クルマの購入に際しては販売店でシートアレンジも確認したほうが良さそうです。
仮眠のたびにラゲッジに荷物を重ねて積んで後席を起こすのはなかなか面倒なので、ダイハツ「ウェイク」やホンダ「フィット」のように、後席を倒したままでも前席が深く倒れるクルマがお勧めです。
■釣り竿を運ぶにもマイボートを積載するにもルーフが決め手
●最低地上高が高い
釣り場付近の道路は未舗装だったり、舗装されていても状態が悪いことが多々あります。砂利道であったり、少なからず草が生えていたり、あるいは大きな穴があいて水溜まりになっていたりとなかなかハードです。
さすがに本格的な四輪駆動が必須の道なき道を行くようなことはそうそうありませんが、車高の低いクルマではバンパーやサイドシルをヒットしてしまうことがあります。
釣りに行くには車内に釣りの道具を積めるクルマが必須
また、2019年の台風による水害の爪痕や、舗装がめくれたままのところなどもあり、いっそう運転に気を遣うような状況になっている場所もあるといいます。
そんなときに欲しいのは「最低地上高」。お勧めのクルマはトヨタ「アクア・クロスオーバー」やスバル「XV」です。
海釣りの場合も(近年はウミガメ保護のため)砂浜の走行を禁じられている場所が多く、積雪地帯でもなければ4WDが必要なのは、ボートをけん引したり水面にランチングする場合ぐらいではないでしょうか。
●ハンドグリップが左右の両方にある
釣り竿は手で持つ根本の部分に対し、先端の方が細くなっているのが一般的です。そして、その細い先端部分が意外とデリケートだったりします。
もちろん、普通に使用している分には問題はないのですが、クルマでの移動の際に何かにぶつかって折れてしまうということがよくあります。
「トランクに挟んで折ってしまったことがあり、それ以降は専用のホルダーに収納するようにしています(40代・男性)」というように、多くの釣り人は「ロッドホルダー」を利用して竿を運んでいます。
ロッドホルダーは前席や後席の頭上、左右にあるハンドグリップ(アシストグリップ)を利用して取り付けるもので、逆にいえばそれがないと装着できません。
お勧めのクルマの候補を紹介したいのですが、じつはこのハンドグリップ、同じ車種でも運転席だけなかったり、後席左右がなかったりと、グレードや生産時期(前期型・後期型)によりマチマチなことがあります。
もちろん上級グレードに装着されていれば部品を取り寄せてDIYで着けることも可能です。しかし、ネジ穴がなくてドリルであけたり、ルーフライニングを外して切ったりなど加工が必要なことが多く、非常に手間がかかります。
ちなみに、スズキ2代目「ジムニー」には「フィッシングマスター」という特別グレードがあり、専用のロッドホルダーが標準装着されていました。
●ルーフが高すぎず長い
釣り趣味にハマると欲しくなってくるのがマイボートです。
クルーザーをポンと買ってマリーナに係留できるのならそれが一番ですし、大型のオフロード4WDでモーターボートをけん引するのも魅力的です。
もっと現実的な予算でとなると、小振りなボートやカヤックなどをクルマの屋根に載せて運搬する方法ではないでしょうか。
「カートップ」あるいは「ルーフトップ」と呼ばれる方法なのですが、実際にやろうと思うと、意外と車種を選びます。
「コンパクトカーでも載せらないことはないのですが、どうにも不安定で怖いんです。ルーフキャリアの前後の距離がある程度ないとバランスが悪くて(40代・男性)」
いいかえれば、ルーフが長ければ長いほど安定感が増すということです。
それならミニバンが一番と思われるかもしれませんが、「全高があんまり高いとボートを乗せるのが大変で(30代・男性)」とのこと。
お勧めはホンダ「シャトル」と「ヴェゼル」。この2車種は背が高すぎずルーフが長いというだけでなく、低床&チップアップシート(後席座面を跳ね上げることが可能)の採用でボートの動力源となる船外機やバッテリーを車内に積みやすいからです。
※ ※ ※
実際に釣りを楽しんでいる人の意見をもとに、釣りのためのクルマに必要な条件をあげ、お勧めのクルマを紹介しましたが、ほとんどの項目は大型SUVを選べば解決してしまうことばかりです。
それでも大型SUVを候補にあげなかったのは、釣り場の近くはすれ違いに苦労するような細い道が多く、また駐車スペースも狭いことが多いためです。
あれこれ工夫するのも趣味の醍醐味。ここで紹介している機能のないクルマであっても、釣りは十分に楽しめるでしょう。
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