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10年前はトヨタ「プリウス」が年間30万台超え! 新車市場は「十年一昔」で大きく変化した?

くるまのニュース / 2021年2月11日 9時30分

2020年の登録車年間販売台数では、トヨタ「ヤリス」が首位に輝きました。「十年一昔」という言葉がありますが、新車市場では10年単位でどのような変化を遂げてきたのでしょうか。

■新車市場も十年一昔というのは本当?

 2020年は新型コロナ禍に振り回された1年でした。そんな2020年と過去10年毎の新車販売では、どのような変化が見られるのでしょうか。
 
 2010年、2000年、1990年と10年毎でその年に売れたモデルを振り返ってみます。

 2020年は2月頃から日本でも新型コロナウイルス感染症の流行が騒がれ始め、4月中旬から5月中旬まで1回目の緊急事態宣言が発出されました。

 緊急事態宣言期間中にはさまざまな分野にて、外出自粛や営業自粛などがおこなわれ、自動車産業でも工場の稼働停止を余儀なくされました。

 こうしたこともあり、新車販売は低迷していたものの、9月以降には徐々に回復の兆しを見せた2020年の新車販売台数ランキングでは、トヨタ勢が上位10台中7台がランクインするなど圧倒的な強さを誇ります。

 上位10台は、1位トヨタ「ヤリス」(旧ヴィッツ)の15万1766台、2位トヨタ「ライズ」の12万6038台、3位トヨタ「カローラ」の11万8276台、4位ホンダ「フィット」の9万8210台、5位トヨタ「アルファード」の9万748台、6位トヨタ「ルーミー」の8万7242台、7位ホンダ「フリード」の7万6283台、8位トヨタ「シエンタ」の7万2689台、9位日産「ノート」の7万2205台、10位トヨタ「ヴォクシー」の6万9517台です。

 なお、ヤリスやカローラは、それぞれブランド通称名となり、ヤリスの場合「ヤリスクロス」、「GRヤリス」が合算された台数となります。

 コロナ禍で全体的な販売台数は低迷したものの、5位のアルファードのようにエントリー価格が約350万円超えのモデルが上位にランクインするのはいまの時代のトレンドとなりつつある「高級感」が上手くユーザーを取り込んだのかもしれません。

 また、2位のライズ以外のモデルにはすべてガソリン車とハイブリッド車を設定しているなど、ハイブリッド車が定番化したパワートレインになったといえます。

 では、10年前の2010年ではどのような販売台数ランキングだったのでしょうか。

 上位10台は、1位トヨタ「プリウス」の31万5669台、2位フィットの18万5439台、3位ヴィッツの12万2248台、4位カローラの11万1265台、5位フリードの9万5123台、6位トヨタ「パッソ」の8万9373台、7位ホンダ「ステップワゴン」の8万934台、8位日産「セレナ」の7万5640台、9位ヴォクシーの7万2163台、10位ノートの6万6347台となっていました。

 当時は、3代目プリウスが日本の新車販売台数史上でも稀な年間30万台超えを記録するなど、全体的に新車市場が好調な年です。なお、アルファードは25位の3万5754台と兄弟車「ヴェルファイア」のほうが人気だった時代です。

 また、2020年と比べてガソリン車の割合も高かったことなど、ハイブリッド車が普及する途中だったといえます。 

 過去10年の販売動向について、当時を知るトヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「3代目プリウスからは全販売チャネルで扱えるようになったこともあり、もの凄く売れていた時代です。

 問合せのほとんどはプリウスに関する内容といえるほど、お客さまからの関心も高く、近隣の販売店でもプリウスの試乗車を増やしたという逸話もありました」

 また、当時の中古車市場について、バイヤーのA氏は次のように話しています。

「2010年頃はヴィッツとフィットがコンパクトカーの2大モデルといえ、中古車市場でもよく売れていた印象があります。

 また、2009年に3代目プリウスが出た翌年だったこともあり、中古車市場でも流通数が増えて、カスタム需要も高まっていたので中古車を検討される人のなかにはエアロパーツを装着した状態で納車したこともありました。

 2代目プリウスも中古車市場では安定して流通していたこともあり、プリウス人気が確立されていた頃でした」

■20年前、30年前は何が売れていた? 1位はやっぱりあのクルマ?

 2010年というとほんの10年前ですが、20年前というと子供が成人する月日が流れています。

 では、2000年ではどのようなモデルが人気だったのでしょうか。

 上位10台は、1位カローラの16万2870台、2位ヴィッツの16万731台、3位トヨタ「エスティマ」の12万2437台、4位ホンダ「オデッセイ」の12万391台、5位トヨタ「ファンカーゴ」の10万6835台、6位トヨタ「クラウン」の10万1000台、7位トヨタ「bB」の8万9926台、8位日産「キューブ」の8万5836台、9位ステップワゴンの7万9270台、10位マツダ「デミオ」の7万7538台です。

 1位のカローラは、1966年に発売された初代モデル以来、33年間も年間販売台数ナンバー1を死守。惜しくも2001年にはフィットに首位の座を奪われたものの、その功績は大きな1台です。

 また、当時は第一次ミニバンブームの最中ともいえ、ミニバン市場を開拓したエスティマやオデッセイが上位、さらにはコンパクトワゴンでもbBやキューブが人気だったことなど、当時は室内空間を重視する傾向があったようです。

 さらには、クラウン(当時は11代目モデル)が6位かつ10万台超えを記録するなど、クラウン人気が今以上に高かったといえます。

トヨタの8代目「クラウン」(写真は4ドアハードトップ、ワイドボディ)トヨタの8代目「クラウン」(写真は4ドアハードトップ、ワイドボディ)

 では、今から30年以上前となる1990年、昭和から平成に変わり、バブル真っ只中のこの時代にはどのようなモデルが人気だったのでしょうか。

 上位10台では、前述のとおり1位はカローラの30万0008台、2位トヨタ「マークII」の22万4868台、3位クラウンの20万5259台、4位トヨタ「カリーナ」の17万5805台、5位トヨタ「コロナ」の17万2410台、6位日産「サニー」の16万6416台、7位ホンダ「シビック」の14万1107台、8位マツダ「ファミリア」の12万2371台、9位トヨタ「スターレット」の12万1807台、10位トヨタ「スプリンター」の11万5689台となっていました。

 当時はセダン全盛期ともいえ、現在のミニバンやSUVといったジャンルが明確に定義される前ということもあり、セダンやハッチバックが主流となっています。

 当時の販売背景など1980年代から1990年代の国産旧車を専門に扱うバイヤーのB氏は次のように説明しています。

「昭和から平成に変わる頃は各社からさまざまなセダンやその派生モデルが登場していました。

 セダン、ハードトップ、ハッチバック、ワゴン、バンといった派生したボディタイプがほとんどのモデルに設定されていた時代です。

 また、この頃から角張ったデザインから丸みを帯びたデザインへと大きく変わった時代となり、旧車を好む人はまずどちらのデザインが好きかで分かれます。

 一方で海外に出ていくモデルも多いです。アメリカでは通称『25年ルール』によってこの年式のモデルを好むファンによって高値で取引されることもあり、年々価格は高騰しているのも特徴です」

※ ※ ※

 約30年の間に日本の新車市場は時代のトレンドに合わせてデザインやボディタイプ、走行性能、安全性能などを向上させてきました。

 現在では、燃費性能や安全性能には厳格なルールが存在するため、ボディサイズや車両価格が右肩上がりとなっています。

 また、パワートレインにおいても主流だったガソリン車からハイブリッド車に移り変わり、2030年には電気自動車や燃料電池車が主流になるかもしれません。

 国産メーカーの関係者は「世界的な動向や日本政府の方針を見ても電動化かつ脱炭素社会はこの10年で加速するのは確実です。そのときに、現在の国産メーカーがどのような変化を遂げているかによって人気モデルは大きく変わるかもしれません」といいます。

 今後の10年でどのようなモデルが人気を博すのか、そのスタートとなる2021年の新車販売の動向に注目が集まります。

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