スバル新型レヴォーグは雪道の安心感がハンパない! 全方位で進化した最新ワゴンの実力は?
くるまのニュース / 2021年2月21日 18時10分
2020年10月の登場以来、高い評価を得ているスバル新型「レヴォーグ」ですが、今回は雪上での実力を試してみました。
■雪国で選ばれるスバル 最新ワゴンの実力を試す
2020年に発売されたクルマで注目度が高い一台と言えば、2代目に進化したスバル「レヴォーグ」でしょう。
次世代スバルのトップバッターとしてすべてを刷新。ほぼ日本専用モデルながら、世界に通用する走りを実現しました。
その実力は、「今年のクルマ」を決める2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞が証明。日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員である筆者(山本シンヤ)も、もっとも優れた1台として10点を投じました。
新型レヴォーグは販売も好調で2020年12月は3918台、2021年1月は4692台と、月販目標台数(2000台)を大きく超えるセールスを記録しています。
ちなみにスバルの販売店は全国に約460か所なので、1月は平均すると10台/1店舗ということになります。
数字だけ見ると爆発的なヒットといえないかもしれませんが、クロスオーバーSUV人気に押され気味のステーションワゴンということや、決して安くはない価格帯、そしてガソリンエンジンのみという状況のなかでは 、大健闘といっていいと思います。
つまり、クルマとしての魅力がユーザーにシッカリ伝わっている証拠と考えていいでしょう。
そんな新型レヴォーグですが、すでにいろいろな車両解説は報告済みで、試乗もさまざまなステージでおこなってきましたが、今回は初となる「雪道」。それも整えられたテストコースではなく、時々刻々と変化するリアルワールドです。
今回連れ出した新型レヴォーグは、中間グレードの「GT-EX」にスタッドレスタイヤを装着。スタッドレスの銘柄はレヴォーグの純正タイヤがヨコハマ・ブルーアースGTなので、同じメーカーにこだわり「アイスガード6」をセレクトしました。
移動時の3密を避けるために筆者と編集K氏、カメラマンW氏の3人とコンパクトな部隊で、新型レヴォーグとスバルのコンパクトSUV「XV」の2台に分乗し、長野県の野沢温泉を目指します。
新型レヴォーグのラゲッジスペースには2人分の荷物とスキーとスノーボードの道具を積みましたが、ありがたいのは後席が4:2:4の分割可倒シートであるところです。
センター部のみが倒れるので、そこに長物を積みながら後席2名乗車が可能。ルーフラックなどを屋根に載せたくない筆者としては非常にありがたい機能です。1泊2日ということで荷物が多く、大容量のラゲッジスペースが役立ちました。
スタート前にドライバーモニタリングシステムに登録します。これは、ドライバーの顔を認識して、シートポジションなどを自動で合わせてくれる機能ですが、ほかのドライバーが乗ったあとにポジション調整の煩わしさがないのは、長距離走行時でなくても嬉しいポイントです。
目的地まで片道約320kmということで、はじめは「途中で休憩しながらの移動かな」と思っていましたが、正直にいうと「レヴォーグだったらノンストップで行ける」と思ったくらい、疲れ知らずかつストレスフリーでした。
取材初日はほぼドライ路面でしたが、大きくレベルアップした基本性能の高さに加えて、高速道路ではプロドライバーがアシストしているような制御の「アイサイトX」のタッグは鉄壁です。
また、アイスガード6も急な操作をしない限りはサマータイヤとほぼ変わらずフィーリングで、静粛性の高さも含めて好印象でした。
目的地に近づくにつれて、すれ違いのクルマのスバル車率の高さに驚きます。
取材日は土曜日だったことと、翌日から大雪の予報が出ておりスキーヤーやスノーボーダーたちが前入りしていると予測できますが、宿泊先の番頭さんからも「明日、スバルのイベントでもあるのでしょうか?」と聞かれるくらい、駐車場はスバル車だらけ。
雪国に住む人はもちろん、ウインタースポーツを趣味とする人は、雪道での安全性の高さからスバル車を選ぶ傾向があるようですが、多くのスバル車が停まっているなかでも新型レヴォーグは注目の的でした。
■雪上でも抜群の安定性! むしろ「ワクワク」が感じられる!
翌日、目が覚めると予報通り大雪です。クルマに降り積もった雪を下ろしてから雪上試乗に出かけます。
寒いなかで雪を下ろして新型レヴォーグに乗り込んだとき、嬉しいのはその空調性能の高さです。
ヒーターはもちろん、デフロスターやデフォッガーが他社のクルマよりも効きが強いのは間違いありません。
スバル新型「レヴォーグ」
ちなみにシートヒーターは3段階調整式ですが、最大の3だとお尻が「熱い!」と感じるくらいのパワーです。マイナス一桁台の気温なら、最小の1で十分。「GT」以上のグレードでは、後席にもシートヒーターが標準で備わっています
ただ、ひとつだけ気になったのはステアリングヒーターが未装着なところです。すでに「フォレスター」には採用されているので、年次改良でレヴォーグにも追加設定されることを期待します。
路面は圧雪が多い状況ですが、主要道路を外れるとフカフカの新雪。さらにシャーベットやウエット、交差点付近はツルツルのアイスバーンと、さまざまな路面状況のなかでの走行となりましたが、新型レヴォーグだと不安よりも安心のほうが上回り、むしろ「ワクワク」を感じたくらいです。
その要因は、「レガシィ」からレヴォーグに受け継がれた「グランドツーリング思想」がより高いレベルの実現にあると思っています。
スバル自身は「より速く」、「より遠くに」、「より安全に」、「より快適に」と定義していますが、これらの実現のためにはひとつの性能に秀でるのではなく総合性能が重要となります。
具体的にはドライバーの意のままの走りを高いレベルで実現させる「インナーフレーム構造のSGP」や“常時四駆”にこだわった「AWDシステム」、路面を離さないしなやかな「サスペンション」、実用トルクと扱いやすさを重視した「CB18エンジン+新CVT」といった基本性能だけでなく、スポーティなルックスと両立する「直接視界の良さ」や取り回しの良い「ボディサイズ」などのパッケージングの良さ、さらには前出の「空調性能」などが、複合的かつバランス良く絡み合って実現しています。
これらはオンロードよりも路面μが低い(=走行環境がより厳しい)雪道のほうがより際立ちます。
フラットな圧雪路の広場で少し派手な走りを試してみましたが、低μ路にも関わらずリアの鉄壁なスタビリティの高さとフロントのノーズの入りの良さから来る安心感は絶大で、滑り出しても動きが解りやすい上に挙動も安定しているので、クルマに対する安心感は半端ないです。
アイスガード6もリアルワールドでの性能の高さにも定評がありますが、同じ思想の新型レヴォーグとのマッチングもバッチリでした。
もちろん、無理な走りは禁物ですが、普通に走る限りは危険な思いやドキドキやハラハラはなく、常に冷静にドライビングが可能です。それは結果として安全運転にも繋がっていると考えています。
※ ※ ※
撮影後に筆者は密を避けながら野沢温泉スキー場でスキーを楽しんでから帰路に着きました。
通常であれば疲れて途中のSA/PAで寝落ちしてしまうのですが、今回は往路と同じく休憩以外はノンストップで帰宅。往路以上に「アイサイトX」が運転時の負担を減らしてくれていることを実感しました。
新型レヴォーグには従来のグランドツーリング思想の4つの定義にプラスして「より愉しく」があると考えています。その根拠は絶大な安心が担保されているからこそ、その先に愉しさが見えるというわけです。
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