BMW新型「M3」とメルセデスAMG「C63」ガチンコ対決! いま買うべきクルマは?

くるまのニュース / 2021年2月16日 11時50分

初代「M3」から、モータースポーツシーンにおいても常にライバルであったメルセデス・ベンツ「190E」のレボリューションモデル。それは、メルセデスAMG「C63」になってからでも変わらない関係だ。そこで新型「M3」は、現行「C63」よりも購入するに魅力的なモデルであるのか、検証してみよう。

■初代からM3のライバルは、小ベンツだった

 BMW「M3」は、BMWのモータースポーツ向け、ホモロゲーションモデルとして初代E30型からラインアップしている。その後、第2世代となるE36型も2ドアボディがベースとなっていたが、1994年に「M3カブリオレ」と同時に4ドアボディをベースとした「M3リムジン」がラインナップされている。

 第3世代のE46型、そして第4世代のE92型と、M3は2ドアボディをベースとしてきたのだが、第4代には「M3セダン(E90型)」が再びラインナップされた。

 このように、M3はもともとクーペが基本であり、派生的にセダンやカブリオレが作られた経緯がある。

 しかし、第5世代の3シリーズの際に、「奇数シリーズ」を4枚ドア、「偶数シリーズ」をクーペと呼び分けることになり、それまでの「3シリーズ クーペ」が「4シリーズ」と名称変更されることに伴い、「M4」をクーペ、「M3」がセダンとなった。

 新型M3の型式はG80型、新型M4はG82型である。このG80型M3は、日本では2021年3月からのデリバリーが予定されている。発売当初は後輪駆動のみだが、2021年秋ごろにはM xDrive、つまり4WD車の導入も予定されており、こちらはドライビングスタイルや路面状況に応じ、4WDと4WDスポーツ、そして2WDという3つのモードを選択できるようになっているようだ。

 現在M3のラインアップは、M3コンペティションと、M3コンペティション・トラックパッケージというふたつのグレードとなっている。

 M3トラックパッケージは、Mカーボンセラミックブレーキシステムや、Mカーボンバケットシート、より軽量な鍛造ホイールなどが装備されている軽量バージョンとなる。

●車両価格は?

 現在発表されている情報では、エンジン出力などはM3コンペティションと同じだ。車両価格はM3コンペティションが1324万円、M3コンペティション・トラックパッケージが1436万円だ。ブレーキシステムとカーボンバケットシート、ホイールという違いでの112万円差は、妥当なものと考えていいだろう。

 このM3のライバルとなりうるのは、メルセデス・ベンツ「AMG C63」と見て間違いないだろう。初代M3の最大のライバルは、「Cクラス」の前身であった「190E」のエボリューションモデルであり、常に因縁のライバル関係だ。

 しかも、車両価格も拮抗している。ベースモデルとなる「C63」は1271万円、上級モデルである「C63S」が1447万円と、M3と大きな差はない。

●エンジンスペックは?

 性能面では、M3とC63では大きな違いがある。まずM3を見ると、搭載されているエンジンは3リッター直列6気筒ツインターボで、最高出力510ps・最大トルク66.3kgmとなる。

 一方のC63は、4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載しており、最高出力476ps・最大トルクは66.3kgmとなる。M3と比べると若干パワーは低いが、ピークトルクは同じ数値だ。しかしトルクバンドは、M3が2750?5500rpmなのに対し、C63は1750?4500rpmと若干低くなっている。

 ところがC63Sは、C63と同じエンジンを搭載しつつも、最高出力510ps・最大トルク71.4kgmと、弩級の出力を誇る。車重はM3コンペティションが1740kg、C63/C63Sは1790kgと、その差は50kgでしかない。それでいて最高出力こそ510psと同じだが、最大トルク71.4kgmというのは、両車の走りに大きな違いがあるのは想像に難くない。ちなみにトランスミッションは、M3が8速のステップトロニック、C63/C63Sは9速MCTを搭載する。

●ボディサイズは?

 ボディサイズは、全長・全幅ともにM3のほうが大きい。C63/C63Sのスリーサイズは、全長4755mm×全幅1840mm×全高1430mm、ホイールベースは2840mm、トレッドはフロントが1610mm、リアが1545mmとなっている。

 一方M3コンペティション/コンペティション・トラックパッケージのスリーサイズは、全長4805mm×全幅1905mm×全高1435mm、ホイールベースは2855mm、トレッドはフロントが1615mm、リアが1605mmだ。

 装着しているタイヤサイズは、C63/C63Sがフロント:245/35R19、リア:265/35R19であるのに対して、M3はフロント:275/35R19、リア:285/30R20となっている。

■M xDrive待ちか、それともV8を選ぶか

 ひととおり、車両価格やスペックを念頭に置いて、これらの基本情報を比較して、どちらを買うのが賢い選択なのだろうか。

新型「M3」では、マニュアルトランスミッションを選択することはできない新型「M3」では、マニュアルトランスミッションを選択することはできない

 C63/C63SのベースとなるW205型Cクラスは、2014年から販売されている。現行型は2019年初頭にマイナーチェンジされており、正常進化は熟成の域に達しているといっていいだろう。

 一方M3のベースとなっているG30型は、2020年に発表された新型車だ。先進安全装備やエンジン、トラクションなどの制御面では、当然ながらこちらのほうが一枚上手、といっていいだろう。

 価格面でのさもそれほど大きくはないが、維持をすることを考えたとき、3リッターと4リッターでは、自動車税が大きく違ってくる。とはいっても、この両車の購入を考えるカスタマーにとって、自動車税の違いを気に留めることなどないだろう。

 もっとも大きな違いと思えるのは、エンジンだ。かたや伝統の直6、かたやV8の4リッター。出力的にはいずれも高いレベルにあるが、より余裕がある走りを実現するのは、大排気量のエンジンで間違いない。

 以上の点を踏まえて、ではどちらを選ぶべきか考えてみよう。

●賢い選択はどっちか?

 どちらも、それなりのドライビングスキルを持ったドライバーでも、サーキットで全能力を引き出すことが難しいくらいの高性能車である。つまり、一般的なドライバーが公道を走行するとき、おそらく使えるのはその能力の半分以下もいいところだろう。

 その点からいえば、排気量の大きさというのは、大きなアドバンテージとなる。車重が50kg重いことを考えても、C63/C63Sはゆとりを感じさせてくれる。時代の流れを考慮しても、大排気量のV型8気筒エンジン車を今後、新車で手に入れられるのは、これが最後となるかもしれない。

 一方のM3コンペティション/コンペティション・トラックパッケージは、最新の制御によって、その力を味わいやすくなっている。もちろん全力を出せるのはサーキット走行に限られるのだが、C63と比べると扱いやすさは増しているはずだ。その点でM xDriveの発売を待つ、というのも選択肢のひとつとなる。

 リセールに関しては、2015年から2017年モデルのC63の中古車店頭プライスは、600万から700万円台といったところだろうか。一方のM3はといえば、先代の2015年から2017年モデルは、M4もあわせても500万から700万円台が相場のようだ。おそらく、新型M3も5年後の中古車価格は同じくらいに落ち着きそうだと予想できる。

 つまり、M3もC63のどちらを選んでも、リセールで大きな差はないと見てよいだろう。

 今後電動化が進んでいくことを考えると、直6エンジンのM3もV8エンジンのC63も、いま味わっておきたいクルマであることに間違いはない。とくにV8エンジンのC63/C63Sは、AMGというブランドの価値も含めて、いま、乗っておくべき1台だ。

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