ゴリゴリのデザインがカッコイイ! エアロパーツ満載の車3選
くるまのニュース / 2021年3月5日 16時10分
クルマの外観を自分好みにカスタマイズする手法で、一般的なのがエアロパーツの追加です。1980年代にはエアロパーツが急速に普及し、メーカーも標準装備やオプションで多数設定するようになりました。そこで、エアロパーツが純正装着されたモデルで、とくにアグレッシブなクルマを3車種ピックアップして紹介します。
■エアロパーツ装着車の見本のようなモデルを振り返る
もともとはレースの世界で誕生したエアロパーツですが、1980年代には市販車でも普及が始まり、いまもドレスアップアイテムとして人気があります。
エアロパーツは空力抵抗の削減や、クルマを地面に押し付ける力である「ダウンフォース」を発生させる目的で開発されましたが、そんなレースカーのイメージを市販車にも取り入れられることから、ドレスアップにもつながったということです。
黎明期には社外品がメインだったエアロパーツは、次第に自動車メーカーが標準装備やオプションで設定することで、市民権を得ました。
そこで、エアロパーツが純正装着されたモデルで、とくにアグレッシブなクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「S209」
北米のみで限定販売されたコンプリートカーの「S209」
スバルの高性能モデルの開発に深く関わっているのが、古くからモータースポーツ活動をサポートしてきたSTI(スバルテクニカインターナショナル)です。
STIはこれまで「インプレッサ」や「レガシィ」をベースにチューニングした独自のコンプリートカーを、数多く輩出してきました。
その代表的なモデルが「Sシリーズ」で、最新のモデルは2019年1月にアメリカで開催されたデトロイトモーターショーで発表された「S209」です。
「WRX STI」をベースに内外装からエンジンに至るまでチューニングされ、209台の限定生産で北米市場のみの販売とされました。
エンジンは341馬力を発揮するEJ25型2.5リッター水平対向4気筒ターボを搭載し、トランスミッションは6速MTのみ。
外観ではカナード一体型フロントオーバーフェンダーとリアオーバーフェンダーによるワイドボディ化が図られ、フロントスポイラーとドライカーボン製の大型リアウイングを追加し、車高のローダウン化と専用の19インチタイヤが相まって、アグレッシブな外観を形成しています。
S209は前述のとおり北米専用モデルですぐに完売し、日本でも販売してほしいというリクエストも寄せられたようですが、ベースのWRX STIはすでに生産を終えているため、かないませんでした。
しかし、次世代のWRX STIが出る可能性はゼロではないため、今後に期待できるかもしれません。
●三菱「パジェロ エボリューション」
シリーズのなかでも異端なモデルとして君臨する「パジェロ エボリューション」
かつて、スバルと並んで世界ラリー選手権に参戦していた三菱ですが、そこで活躍していたのが「ランサーエボリューション」シリーズです。
ランサーをベースにボディ、シャシ、エンジン、足まわりなどあらゆる場所に手が入れられた、まさにエボリューションモデルとして開発されまいた。
また、世界ラリー選手権と並行して三菱が参戦していたのが「パリ-ダカール・ラリー」に代表されるラリーレイドで、クロカン車である「パジェロ」が活躍したことで、高性能さをアピール。
そして、1991年に登場した2代目パジェロはブランドイメージの高さから、大ヒットしました。
この2代目パジェロにも1997年に、エボリューションモデルの「パジェロ エボリューション」が追加ラインナップ。
ランサーエボリューションと同様の手法でショートボディをベースにチューニングされ、エンジンは3.5リッターV型6気筒自然吸気を搭載し、最高出力280馬力を発揮。
トランスミッションは5速ATと5速MTが設定され、駆動方式はパートタイム式とフルタイム式の両方の特徴を併せ持つ「スーパーセレクト4WD」を採用しました。
ボディは空力特性とオフロード性能を両立するように、大型フィン付リアスポイラー、ステップ付サイドエアダムを装備し、専用デザインの前後バンパーと、大きく張り出した前後ブリスターフェンダーよって、エボリューションの名にふさわしい迫力ある見た目を演出。
ほかにも車体剛性のアップと、アルミボンネットによる軽量化も図られています。
実際に三菱はパジェロ エボリューションをベースとしたラリーカーで、1998年のパリ-グラナダ-ダカール・ラリーの市販車改造クラスに参戦し、総合で1位から3位を独占する成績を収めています。
■メーカーのイメージを超越したゴリゴリのセダンとは!?
●メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションII」
レースでの効果を期待してエアロがデザインされた「190E 2.5-16 エボリューションII」
昭和の時代、メルセデス・ベンツのクルマといえば、セレブに愛される高級車の代表的存在でした。
しかし、安価なエントリーモデルを出すことでさらなる顧客拡大を図るため、1982年に「190シリーズ」が欧州で発売。190シリーズは当時のメルセデス・ベンツ車のなかでもっともコンパクトなセダンとして開発され、日本でも1985年に発売されるとヒットを記録。
日本におけるメルセデス・ベンツの普及を加速させた立役者でした。
そして1986年には190Eをベースに、F1でも名を馳せた「コスワース」によって開発された175馬力の2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する「190E 2.3-16」が登場し、ドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦。
さらに1988年には、DTMのレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5リッターにアップし最高出力200馬力を発揮する「190E 2.5-16」がデビューしました。
これだけでは終わらず、1989年には、さらにチューニングされたエボリューションモデルの「190E 2.5-16エボリューションI」が、1990年には最高出力を235馬力まで高められた「190E 2.5-16エボリューションII」が、それぞれ500台生産されました。
なかでも190E 2.5-16エボリューションIIは、市販車とは思えないほどアグレッシブなデザインのエアロパーツが装着された異質なモデルです。
外観は前後のアンダースポイラーに巨大なリアウイング、別体のオーバーフェンダーが装着されるなど、実際のレースで効果が発揮されることを前提で開発されました。
もともとはベーシックモデルだった190Eが、まさに戦闘機へと変貌しています。
※ ※ ※
日本において1970年代までエアロパーツは悪の存在でした。レーシングカーを模したエアロパーツは、暴走行為を助長するという運輸省(現在の国土交通省)の判断があったためです。
本来、法律に違反していなければエアロパーツは装着できたはずですが、とてもメーカー純正は認可されず、消えていきました。
その後、徐々に認可が緩和されると1980年代に一気に広まったということです。
現在はきちんと安全基準や保安基準に適合していれば、かなり大胆なエアロパーツも装着が可能ですが、一時期ほど過激なエアロパーツは減った印象があり、シンプルなものが好まれるようになりました。
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