華々しく復活したトヨタ「RAV4」 新車販売で影が薄いのはなぜ?
くるまのニュース / 2021年4月3日 14時10分
2020年から2021年にかけてのコロナ禍でも販売好調のSUVですが、トヨタの「RAV4」はこのところ人気に陰りが見えているようです。一体なにが理由なのでしょうか。
■2019年登場のRAV4に何があった?
新型コロナ禍でも販売好調のSUV市場ですが、トヨタ「RAV4」はこのところほかのSUVに押され気味なようです。一体なにが理由なのでしょうか。
2020年は新型コロナ禍により、新車販売は苦戦を強いられており、2020年の登録車販売台数は日本自動車販売協会連合会(自販連)の調べで前年比87.7%と、減少傾向にあります。
そんな新型コロナ禍でもSUVは人気が続いており、2020年の売上は前年比122.7%(自販連調べ)と堅調に推移しています。
ところが、その流れに乗り切れていないのがRAV4で、このところ人気に陰りが見えているようです。
RAV4の初代モデルは1994年に発売されました。「RV車」といえばフレーム付きボディーを持つオフロード4WDが中心だった時代に、乗用車タイプのSUV(クロスオーバーSUV)という新たなジャンルを開拓した人気車で、当時の若者にとって憧れのクルマのひとつでした。
そんなRAV4は、一時期国内市場で販売低迷となり姿を消しました(海外では4代目モデルとしてフルモデルチェンジ)。その後、現行モデルとなる5代目が2019年4月に約3年ぶりとなる国内市場復活を果たしています。
現行モデルは、2リッターガソリン車(2WD/4WD)と2.5リッターハイブリッド車(2WD/E-Four)をラインナップ。
とくに現行RAV4の特徴として、3タイプの四駆システムを採用していることがあげられます。
ひとつめは「ダイナミックトルク4WD」という従来型の電子制御式前後トルクスプリット型のシステムでガソリン車に設定。ふたつめは「E-Four」という前後ふたつのモーターを使ったシステムでハイブリッド車に採用されています。
そしてみっつめが、当時世界初のメカニズムとして採用された「ダイナミックトルクベクタリングAWD」(アドベンチャーとG Zパッケージに装備)です。
この世界初の4WDシステムは、4WD統合制御「AIM」によって、各輪の駆動力、4WDへの切り替え、ブレーキ、ステアリングを自動でコントロールします。
また、2020年6月にはプラグインハイブリッドモデルの「RAV4 PHV」が追加されました。
RAV4 PHVのシステム最高出力306馬力で、EV走行距離は最大95km、ハイブリッド燃費は22.2km/Lを達成しています(いずれもWLTCモード)。
RAV4が2019年4月に登場した当時、発売1か月の販売台数は目標としていた3000台の8倍となる約2万4000台と、バックオーダーを抱えるほどの人気となっていましたが、ここ数か月は前年実績を大きく下回る状態が続いています。
自販連によると、2021年2月の販売台数は4220台と、前年同期比の73.5%にとどまっています。
なぜRAV4は、国内市場に復活後、人気SUVに返り咲いていたのにも関わらず、最近になって、売れ行きにブレーキがかかってしまったのでしょうか。
トヨタの販売店スタッフは、以下のように話します。
「2020年6月に新型モデルが発売された『ハリアー』と競合したことが大きいです。
『TNGAプラットフォーム』というRAV4と共通のプラットフォームが採用されており、お客さまが重なっているといった状況です。
また、都会的でスタイリッシュなデザインと、落ちついた内装を好まれるお客さまはハリアーを好まれる傾向が高いです」
実際に、自販連のデータを見ても、ハリアーはモデルチェンジから半年以上過ぎた2021年2月の実績でも8006台と好調を維持しています。
では、このままRAV4の人気は落ち込んでしまうのでしょうか。前出のトヨタ販売店スタッフは次のように話しています。
「人気が落ちているというより、需要が落ちついたという印象です。現状でも発売前の月間販売目標を上回っていますし、アクティブなユーザーにとってRAV4の人気は根強いものがあります。
とくに2020年6月に追加された『RAV4 PHV』は現在オーダーが殺到していて、納車は半年以上先になってしまいそうな状況です」
※ ※ ※
新型コロナ禍が続くなか、数値が落ち込んだようにもみえるRAV4ですが、支持するユーザーも多く、数多くラインナップされるトヨタSUVのひとつとして堅調な販売となっているようです。
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