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ジツは中身がスゴイんです! 見た目以上にがんばった車3選

くるまのニュース / 2021年4月6日 16時10分

毎年数多くの新型車が各メーカーから発売されていますが、なかには新技術を採用するモデルや、技術的に意欲作だったモデルも存在。そこで、外観からは推し量れないほど頑張っていたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

■技術的にがんばっていたクルマを振り返る

 各メーカーから毎年数多くの新型車がデビューしますが、なかには新たな技術が採用されるような、技術的にも意欲作と呼べるモデルも存在。

 そうして開発された新技術は、後に多くのモデルに展開されるケースもあれば、一代限りで消えてしまう短命なものも散見されます。

 そこで、外観からは推し量れないほど技術的に頑張っていたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「10代目セドリック/11代目グロリア」

革新的な技術を採用するも長続きしなかった10代目「セドリック」革新的な技術を採用するも長続きしなかった10代目「セドリック」

 現在、日本市場で販売される新車の98%近くがATといわれていますが、ATにもいくつか種類があり、もっとも普及が進んでいるのがギアを使わずに変速するCVTです。

 CVTはベルトとプーリーを用いて減速比を連続的に変えることで、変速ショックがないスムーズな運転が可能なだけでなく、つねにエンジンが効率良く出力を発生させられる回転数を保ちながら走行できることから、低燃費化にも有利という特徴があります。

 また、CVTは部品点数が少なく安価で小型化できたことから、初期は小型車や軽自動車を中心に普及しました。

 一方で、CVTはベルトとプーリーの摩擦によって駆動力を伝達するため、大出力のエンジンではスリップが生じ、伝達効率が極端に下がるという問題がありました。

 そこで、1999年に発売された日産「10代目 セドリック/11代目 グロリア」に搭載されたのが、「エクストロイドCVT」という他には無いCVTです。

 エクストロイドCVTは一般的には「トロイダルCVT」と呼ばれるもので、プーリーとベルトの代わりにディスクとローラーを介して駆動力を伝達。

 構造は入力ディスク(エンジン側)と出力ディスク(タイヤ側)の間にローラーが挟まっている形で、そのローラーの角度を変えるとディスクとの接点が移動し、減速比が変わるというものです。

 ディスクとローラーは非常に高い圧力で接しながらも摩擦と潤滑のバランスが取られているため、高い伝達効率を実現するだけでなく大出力にも耐えられるため、セドリック/グロリアでは280馬力を発揮する3リッターV型6気筒ターボエンジンに対応したことで、大いに話題となりました。

 トロイダルCVTの理論自体は古くに誕生していましたが、どのメーカーも実用化することができずにいたなか、日産とトランスミッションメーカーのジヤトコなど数社の協力で開発に成功。

 しかし、精度の高い加工技術が要求されたことや、特殊な潤滑油が必要な点がコストアップにつながり、セドリック/グロリアのケースでは一般的な4速AT車に対して50万円以上も車両価格が高額でした。

 さらに、構造的に小型化できないというデメリットもあり、セドリック/グロリア以外では「11代目 スカイライン」に搭載されたのを最後に採用されたクルマはありません。

 現在はベルト式CVTでも300馬力程度までの出力に対応できるようになったため、再びトロイダルCVTが日の目を見ることは無さそうです。

●ダイハツ「ビーゴ」

実はオフロード性能も考慮されていたクロスオーバーSUVの「ビーゴ」実はオフロード性能も考慮されていたクロスオーバーSUVの「ビーゴ」

 1997年に発売されたダイハツ「テリオス」はトールワゴンタイプのクロスオーバーSUVで、派生車として軽自動車の「テリオスキッド」もラインナップされました。

 このテリオスの後継車として2006年にデビューしたのが「ビーゴ」で、同時にOEM車としてトヨタ「ラッシュ」も登場。

 ビーゴはテリオスからキープコンセプトとされたコンパクトSUVですが凝ったメカニズムを採用しており、まずシャシはクロカン車やトラックでつかわれるラダーフレーム状の構造体を、モノコックシャシと結合させた「ビルトインラダーフレーム式モノコック」となっています。

 エンジンは縦置きに搭載された1.5リッター直列4気筒で、トランスミッションは5速MT(4WD)と4速ATを設定。駆動方式はFRをベースとしたフルタイム4WDと2WDとされるなど、クロカン車に近い本格的な設計でした。

 実際にトールワゴンながら200mmの最低地上高が確保され、オフロード走行にも対応。背面スペアタイヤをリアゲートに設置するなど、クロスオーバーSUVながらオフロード向けモデルです。

 ビーゴ/ラッシュは2016年まで販売されたロングセラーでしたが、現在も派生モデルがアジア圏などの海外専用車として販売されており、強固なシャシによる悪路走破性の高さが認められています。

■「第3のエコカー」として話題となったストイックな軽自動車とは?

●スズキ「アルト エコ」

ストイックなまでに低燃費を追求した「アルト エコ」ストイックなまでに低燃費を追求した「アルト エコ」

 1979年に発売されたスズキ初代「アルト」は、47万円という衝撃的な低価格によって大ヒットを記録し、後の軽ボンネットバンブームの火付け役となりました。

 その後、アルトはスズキの主力商品として代を重ね、現在は普段使いからビジネスユースまで幅広く対応するベーシックモデルとして8代目が販売されています。

 この歴代アルトのなかでも技術的に意欲作だったのが2009年に登場した7代目で、ストイックなまでに低燃費を追求したモデルが存在。それが、2011年に追加ラインナップされた「アルト エコ」です。

 ライバルのダイハツ「ミライース」に対抗すべく開発されたアルト エコは、停車直前にエンジンをストップさせる新たなアイドリングストップシステムを搭載し、エンジン本体では摩擦損失を徹底的に低減。

 また、エンジンルームまわりの骨格をはじめ、エンジン本体や足まわり、内装に至るまで、さまざまな部品の見直しによってベースモデルから20kgもの軽量化を実現しました。

 ほかにも車高を15mm下げつつバンパー形状の変更で空気抵抗を低減。さらに低転がり抵抗タイヤの採用とブレーキの引きずり抵抗の低減などによって、JC08モード燃費30.2km/Lというクラストップの低燃費を達成。

 2013年の改良ではさらに20kgも軽量化して車重が710kgとなり、減速エネルギーから発電して電装品を駆動するシステム「エネチャージ」の採用などで燃費は33.0km/Lまで向上。モデルライフ末期の2014年には35km/Lの低燃費を実現しました。

 なお、アルト エコで大いに話題となったのが燃料タンクの容量で、標準車が30リッターだったのに対しアルト エコは20リッターと大型オートバイ並にまで小さくなっており、まさにストイックに軽量化を追求していたということです。

※ ※ ※

 最後に紹介したアルト エコの軽量化は目を見張るものがありますが、現行モデルのアルトではもっとも軽量なグレードで車重610kgと、まさに驚異的な数値を実現しています。

 これはエアコンやオーディオ、電動パワーステアリング、パワーウインドウ(前席)、各種安全技術などを標準装備しながら達成した数値ですから、いかにスズキの軽量化技術が優れているかがうかがえます。

 軽量化は低燃費に寄与するだけでなく「走る・曲がる・止まる」のすべてに良い影響を与えますから、スズキの見えないところの努力はもっと注目されるべきでしょう。

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