新型「トヨタGR 86/スバルBRZ」 主戦場・アメリカでのライバル車とは
くるまのニュース / 2021年4月8日 19時10分
2021年4月5日に公開されたトヨタ新型「GR 86」とスバル新型「BRZ」。日本での発売は2021年夏から秋を予定しているが、グローバルに見てみると、86/BRZのおもなマーケットはいままでも、そして新型も北米市場になる。希少なコンパクトスポーツモデルとして注目の新型だが、北米でのライバルはどのようなモデルになるのだろうか。
■ボディサイズに大きな変更はなし 2.4リッターエンジンが特徴
トヨタとスバルが共同開発するスポーツカー、「GR 86」と「BRZ」の新型モデルが発表された。
その発売は、2021年の夏から秋ごろを予定するという。今回は、その新世代のGR 86の主戦場となるアメリカでは、どのようなライバルがいるのか? を考察してみたい。
GR 86は、4人乗りのクーペ専用モデルであり、水平対向エンジンを搭載するFRプラットフォームを利用することが特徴だ。
このたび発表された新しい第2世代モデルも、そうした根幹の部分は、きっちり踏襲されている。
新型のボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mm、ホイールベースは2575mmと、従来型と比べて変更はわずかなものだ。
大きく変わっているのは、エンジン排気量が2リッターから2.4リッターに拡大しているところと、標準タイヤが215/45R17から215/40R18へと大径化、そしてATモデルへの先進運転システム「アイサイト」の採用だ。
エンジン排気量の拡大にあわせて、最高出力も207psから235psへと向上している。タイヤの大径化は、そうした出力向上を受け止めるためだろう。基本的には、水平対向エンジンの重心の低さを活かした、ハンドリングの楽しいクルマというコンセプトはそのままに、各部をブラッシュアップする進化といえる。
そんな新型GR 86/BRZだが、販売の主戦場となる北米市場にはどのようなライバルが存在しているのだろうか。
GR 86を迎え撃つアメリカンスポーツカーといえば、フォード「マスタング」とシボレー「カマロ」の2モデルが筆頭だ。
フォード「マスタング」
どちらもGR 86と同じ4座のFRスポーツ。ただしGR86と違って、どちらにもクーペだけでなく、コンバーチブルも用意されている。
さらにエンジンのバリエーションも豊富にある。2.4リッターのNAエンジンだけのGR 86とは違い、2リッターから2.3リッターの直列4気筒ターボ、3リッターのV型6気筒、5リッターから6.2リッターのV型気筒などが用意されている。
マスタングの場合、トップモデルとなるシェルビーGT500は5.2リッターV8スーパーチャージャーで最高出力760ps、価格は7万2900ドル(日本円で約800万円)から。ちなみにエントリーグレードの2.3リッターモデルは最高出力310ps、価格は2万7155ドル(約300万円)からとなる。
カマロの場合は、エントリーグレードが最高出力275馬力の2リッター直4ターボで、価格は2万5000ドル(約275万円)から。トップモデルは最高出力650psを発生する6.2リッターV型8気筒スーパーチャーチャージャーを搭載し、価格は6万6190ドル(約730万円)からとなる。
シボレー「カマロ」
NAエンジンを搭載し、パワーよりもハンドリングの良さを売りにするGR 86に対して、過給エンジンを中心に揃えるマスタングとカマロ。アメリカならではのマッスルなスポーツカーなのだ。
■アメリカンスポーツだけでなく、ドイツ勢や日本勢もライバルになる
アメリカ市場で人気のスポーツカーといえば、ポルシェを忘れてはならないだろう。
そのポルシェのエントリーモデルとなるのが「718ケイマン」だ。
ポルシェ「718ケイマンS」
ただし、4座クーペのGR 86/BRZに対して、718ケイマンは2座クーペ、しかもエンジンを背中に置く、ミッドシップスポーツだ。
こちらもマスタングなどと同じように、搭載エンジンのバリエーションが豊富だ。
エントリーモデルに搭載されるのが最高出力300psの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンだ。価格は6万500ドル(約665万円)。トップモデルは最高出力394馬力を誇る4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する718ケイマンGTS4.0で、価格は8万7400ドル(約960万円)。
ちなみに、北米で販売されている現行型トヨタ「86」の価格は、2万7000ドル(約300万円)から。エントリーモデル比較でも、718ケイマンは86の2倍以上の価格となる。
ボディサイズは近いかもしれないが、価格帯が大きく違っているのだ。
* * *
アメリカで人気を集める和製スポーツカーは、86とBRZに限らない。
ホンダ「NSX」と日産「GT-R」は、86/BRZとは価格帯も性能も隔たりがあるけれど、日産「フェアレディZ」とマツダ「ロードスターRF」は、ライバルと呼べる近さがある。
日産「370Zクーペ」50周年記念エディション
フェアレディZは、新型投入秒読み前のモデルライフ末期ではあるが、現行モデルは最高出力350psの3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、車両価格は3万ドル(約330万円)である。エンジンはフェアレディZのほうがパワフルではあるが、価格はかなり近いものがある。
またロードスターRFは、最高出力181psの2リッター直列4気筒エンジンを搭載し、価格は3万3045ドル(約363万円)からだ。
マツダ「MX-5 RF」の走り
フェアレディZとロードスターRFという2台の和製2シータースポーツに対して、GR 86/BRZは4シーターという点と、車両価格というふたつの点で有利になっているのだ。
2.4リッターのNAエンジンを搭載した4座クーペのGR 86/BRZ。3万ドル前後という先代の価格は、新型になっても、それほど大きく変わらないはずだ。
そうしたとき、北米市場で新型GR 86/BRZのライバルとなるのは、4気筒ターボを搭載するマスタングとカマロのエントリーグレード、そしてフェアレディZとロードスターRFという和製スポーツカーとなるはずだ。
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