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愛知県は日本一クルマが売れる? 東京・大阪より車社会が形成される背景とは

くるまのニュース / 2021年4月13日 9時10分

三大都市圏のひとつとなる愛知県は、年間の新車登録台数や自動車保有台数で1位となっています。自動車関連企業が多いからと思われがちですが、データから読み解くとそこには愛知県ならではの事情が見えてきました。

■愛知県なぜ日本一クルマが売れる?

 日本のみならず世界規模でシェアを伸ばす自動車メーカー「トヨタ」のお膝元である愛知県は、年間の新車登録台数や保有台数でも1位となっています。
 
 一般的にトヨタやその関連会社が多いから、必然的にクルマも多いという印象を持つ人もいますが、それ以外にも愛知県の登録台数や保有台数が多い要因はあるようです。

 愛知県の人口は753万982人(2021年3月1日時点)で全国第4位、平方キロメートル(km2)あたりの人数を示す人口密度は1457.77で5位となっています。

 なお、47都道府県の人口や人口密度のトップ3は、1位:東京、2位:神奈川、3位:大阪となっています。

 このように、人口や密度においては、東京や大阪、神奈川県のほうが多いことが分かります。

 では、新車販売(登録状況)に関してはどうなのでしょうか。一般社団法人日本自動車販売協会連合会(以下自販連)は次のように話しています。

「過去3年間における乗用車新車登録台数は、すべての年で愛知県が1位となっています。

 なお、2位は東京、3位は神奈川で、このトップ3のランキングは過去3年間で変わりありません。

 ちなみに愛知県の新車登録台数は、2018年が26万607台、2019年が25万3488台、2020年が21万8537台となっています」

 保有台数に関して、自動車検査登録情報協会によると2020年3月末の段階で、419万8145台の自家用乗用車を保有する愛知県が1位です。なお、2位は321万1275台の埼玉県、3位が309万7384台の東京都となっています。

 また、軽四輪車の新車販売台数において6年連続で首位を獲得しているホンダ「N-BOX」において、ホンダによると「県別TOP3としては、1位:愛知県、2位:埼玉県、3位:大阪府となっています」と話すなど、人気モデルにおいても愛知県の販売比率が高いようです。

■名古屋は三大都市のなかで鉄道整備が進んでいない!?

 大都市圏を有する関東圏の都県や、関西圏の大阪よりも登録台数や保有台数が突出している愛知県。

 愛知県では、なぜクルマが多く売れるのでしょうか。

 前出の自動車検査登録情報協会は、「正式な調査をしたわけではありませんが、地域ごとの公共交通機関の普及などが影響していると思われます」とコメントしています。

 実際に公共交通機関のデータを調べてみると、愛知県ではクルマが必要とされていることが見えてきました。

 古いデータにはなりますが、国土交通省が「平成24年版都市交通年報」を基にまとめた東京都区内、愛知名古屋市、大阪府大阪市の三大都市の鉄道に関するデータを見ると、愛知県の中心地である名古屋市は 輸送機関がクルマに依存していることが分かります。

 このデータは東京駅から半径50km、名古屋駅から半径40km、大阪駅から半径50kmのエリアにおいて、鉄道の営業距離と輸送人数、そして輸送機関分担率をまとめたものです。

 それぞれの営業距離は、東京エリアが2459km、大阪エリアが1504kmであるのに対して、名古屋エリアは977kmと断トツで短い距離となっています。

 そして輸送人数に占める各輸送機関人数の割合を示した輸送機関分担率も名古屋だけ大きく違う結果となっています。

 東京エリアは鉄道が59.3%でクルマが40.7%、大阪エリアは鉄道が48.7%でクルマが51.3%となっています。

 一方の名古屋エリアは鉄道が21.6%でクルマが78.4%となり、三大都市圏のひとつでありながら名古屋では実に8割近くの人が、移動にクルマを利用しているのです。

 このように愛知県の県庁所在地である名古屋は、人口が多い日本の三大都市圏であるにもかかわらず、ほかの大都市圏と比べて圧倒的にクルマでの移動が多いことが分かります。

車社会となる名古屋には独自の「基幹バスレーン」と呼ばれる道路が存在する(画像:Peacock Blue K.K.)車社会となる名古屋には独自の「基幹バスレーン」と呼ばれる道路が存在する(画像:Peacock Blue K.K.)

 実際にクルマでの移動において、東京都内では駐車場を探すのに苦労するほか、大通りを外れると狭い路地ということがあります。

 対する名古屋市内は、東京都内と比べると利用できる駐車場も見つけやすく、道路も広々としている傾向です。

 公共交通機関が東京のほうが発達しているというのもありますが、名古屋市内は都市構造がクルマでの移動を考慮していると考えられます。

 このように名古屋の都市構造と大都市圏というふたつの要素が組み合わさっていることなどが、クルマの登録台数や保有台数で愛知県が1位になっている背景のひとつだといえます。

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