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今では完全に珍車? 今後二度と出ることはないであろう車5選

くるまのニュース / 2021年4月24日 6時10分

クルマは日進月歩で進化し続けていますが、その過程で稀にユニークなモデルが出てくることがあります。そうしたモデルは真面目につくられているはずですが、後が続くことなく消えていきました。そこで、今後もう二度と出ることがないであろうと思わせるクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

■もう出てくることないであろう珍車を振り返る

 毎年各メーカーから数多くの新型車が発売されており、日々、各性能の向上や装備の充実など進化は止まりません。

 一方、そうした進化の過程で、稀にユニークなモデルが登場します。

 そうしたモデルのなかには真面目につくられていても後に続くことなく、消えていってしまったモデルも存在。

 そこで、今後もう二度と出ることがないであろうと思わせる個性的なクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産初代「テラノ」

2ドアのロングボディSUVでスタイリッシュなデザインからヒットした初代「テラノ」2ドアのロングボディSUVでスタイリッシュなデザインからヒットした初代「テラノ」

 1986年に発売された日産初代「テラノ」は、ミドルサイズの本格的なクロカンSUVとしてデビューしました。

 シャシは1985年に登場した「ダットサントラック」のラダーフレームを流用し、ステーションワゴンタイプのボディを架装。

 搭載されたエンジンは当初2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルエンジンのみでしたが、1987年には3リッターV型6気筒ガソリンエンジン車を追加ラインナップし、クロカン車としては少数派だった4速ATを設定するなど、幅広いユーザーを獲得しました。

 この初代テラノで最大の特徴は2ドアのボディで、デザインはシンプルながらスタイリッシュなフォルムです。

 そもそもSUVの起源はアメリカのピックアップトラックの荷台をワゴンタイプにしたモデルで、初期のモデルはベースのピックアップトラックと同様な2ドアでした。

 テラノはその作法に則って企画され、2ドアを採用したと考えられます。

 しかし、ロングボディで2ドアでは当然ながら使い勝手は良いとはいえず、1989年には4ドア仕様が追加されました。

 かつては他社からもロングボディで2ドアのSUVが存在しましたが、国内では絶滅し、もう二度と出ることはないでしょう。

●オートザム「AZ-1」

ガルウイングにミッドシップ2シーターと、まるでスーパーカーな「AZ-1」ガルウイングにミッドシップ2シーターと、まるでスーパーカーな「AZ-1」

 1990年代初頭に、3台の軽スポーツカーが誕生しました。ホンダ「ビート」、スズキ「カプチーノ」、そして今では伝説的なモデルのオートザム(マツダ)「AZ-1」です。

 1992年に発売されたAZ-1は、今日に至るまで軽自動車で唯一のガルウイングドアを採用したモデルで、2シーターのボディに最高出力64馬力の660cc直列3気筒DOHCターボエンジンをリアミッドシップに横置き搭載するという、メカニズム的にはスーパーカーと変わりありません。

 シャシは専用に開発されたスチール製モノコックで、外装にはFRPのパーツを多用したことによって、車重は720kgと軽量です。

 また、ステアリングのロック・トゥ・ロックが2.2回転に設定されており、国産車では類を見ないほどのクイックステアを実現しましたが、リア寄りの前後重量配分となったことからフロントタイヤの接地荷重が低く、操縦性はアンダーステア傾向が強くなってしまいました。

 一方で、足まわりの反応もピーキーで唐突にオーバーステアに転じることもあり、スピンを喫してしまうケースも散見され「楽しいけれど危険なクルマ」とレッテルが貼られたほどです。

 AZ-1はガルウイングの軽自動車というだけでもかなり貴重な存在ですが、荒削りな性能も今では実現できないでしょう。

●トヨタ「iQ」

優れたパッケージングが国内外から高く評価された「iQ」(画像は英国仕様)優れたパッケージングが国内外から高く評価された「iQ」(画像は英国仕様)

 1994年にダイムラーと時計メーカーのスウォッチが新たな自動車会社としてMCCを設立し、1998年に「スマート」ブランドから2人乗りのマイクロカー「シティークーペ」(日本では「スマート」)が発売されました。

 斬新なコンセプトのスマートは日本でも好意的に受け入れられましたが、2人乗りという点からユーザーは限定的だったといえます。

 そこでトヨタは2008年に、スマートと同様なコンセプトのマイクロカーでありながら、3+1の4シーター とした「iQ」を発売。

 ボディサイズは全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mmと、全長は軽自動車よりも40cm以上も短く、この室内に4人分のシートを収めるために数々のアイデアが詰め込まれていました。

 エンジンは1リッターと1.3リッターを設定し、iQ専用に設計されたトランスミッションによってフロントタイヤをエンジンよりも前方に配置。さらに新開発の小型エアコンユニットを採用したことで、助手席足元の空間を拡大しました。

 また、燃料タンクは床下に格納し、運転席と助手席のシートバックを極力薄型化することで、リアシートのスペースを確保しています。

 さらに、後席の乗員を保護する世界初の「リヤウインドウカーテンシールドエアバッグ」を全車標準装備するなど、安全性についても十分に考慮されていました。

 iQの優れたパッケージングは国内外で高く評価されましたが、快適に乗れる限界は大人3人までだったことと、比較的車両価格が高かったことから、軽自動車のシェアを奪うことはできず2016年に生産を終了しました。

 iQ専用に開発された技術は数多く、ここまで単独の車種にコストをかけることは今後難しいでしょう。

■ある意味ストイックな2台のモデルとは?

●ホンダ初代「インサイト」

とにかく低燃費を追求してデザインされた初代「インサイト」とにかく低燃費を追求してデザインされた初代「インサイト」

 トヨタは1997年に世界初の量産ハイブリッド車、初代「プリウス」を発売しました。同クラスのクルマの2倍に相当する低燃費を実現し、エコカーの概念を大きく変えた存在です。

 この初代プリウスに対抗するため、ホンダは1999年にハイブリッド専用車、初代「インサイト」を発売。

 新開発のハイブリッドユニットは70馬力を発揮する1リッター直列3気筒エンジンに、13馬力のアシスト用モーターを組み合わせたパラレルハイブリッドで、燃費は初代プリウスを上まわり、量産車で世界最高となる35km/L(10・15モード)を記録しました。

 この数値を達成するために、シャシは製造コストが高額なアルミ製モノコックで、ボディパネルの多くはアルミと樹脂を採用。

 さらに室内は実用性を切り捨て2名乗車とすることでリアシートを省くなど大胆な軽量化をおこなった結果、820kg(5速MT)の超軽量な車重を実現しました。

 ほかにも外観では空気抵抗を削減するために全高が低いウェッジシェイプとし、リアタイヤをスパッツで覆うなどによって、Cd値(空気抵抗係数)は当時としては驚異的な0.25を達成。

 とにかく燃費性能向上のために、あらゆる手段を使った初代インサイトですが、2名乗車ということから販売は低迷。

 さらに、プリウスが再び燃費王座を奪還し、2003年に登場した2代目プリウスではEV走行も可能とするなど、インサイトはもはや太刀打ちできない状況となって2006年に生産を終了しました。

 燃費のためだけに使い勝手を犠牲にし、コストを度外視したクルマである初代インサイトは、スーパーカー並にストイックなモデルといえます。

●ダイハツ「ミゼットII」

優れたコンセプトながら長続きすることなく消滅した「ミゼットII」優れたコンセプトながら長続きすることなく消滅した「ミゼットII」

 ダイハツは1950年代から1960年代という日本のモータリゼーション黎明期に、軽3輪トラックの「ミゼット」を発売。

 1957年に誕生したミゼットはオートバイよりも耐候性と荷物の積載性に優れ、個人商店の物流を支える存在でした。

 しかし、その後に登場した一般的な4輪軽トラックや軽バンの普及によって、ミゼットの役目は終了。

 それから30年ほど経った1996年に、ダイハツはミゼットのコンセプトを継承した軽トラックの「ミゼットII」を発売しました。

 ミゼットIIは軽自動車規格のサイズよりも小さいボディで市街地での機動性を重視して開発され、外観ではフロントフェイスが特徴的で、スペアタイヤを搭載するフロント部分に丸目2灯のヘッドライトを配置して、初代ミゼットのデザインをオマージュしているかのようです。

 室内は1シーターのひとり乗りで、後に2シーターも設定されました。右側ドアの窓だけを開閉可能とするなどかなり割り切った設計で、メーターはスピードメーターと燃料計のみ、パワーステアリングやエアコンも無く快適装備はヒーターだけとするなど、コスト削減策が随所にみられます。

 そのおかげで、ミゼットIIの価格は46万9000円(消費税含まず)からと非常に安く設定されていました。

 斬新なコンセプトと安価な価格が話題となったミゼットIIですが、やはり一般的な軽トラックの積載性よりも劣るデメリットから需要は乏しく、2001年に生産を終了。

 軽自動車は決められたサイズで最大限の荷室や室内の広さ、荷台の大きさを競い合うものですから、ミゼットIIのようなユニークなコンセプトのモデルは、残念ながら出ても売れないでしょう。

※ ※ ※

 今回紹介したような車種は、現在の技術力をもってすれば再現することは造作もないでしょう。しかし、市場が受け入れるかは別問題です。

 ユーザーの多くもこうしたモデルを排除してしまうほど、使い勝手やバリューを気にしているのかもしれません。

 また、自動車メーカーも余裕がなくなってきたことも考えられます。景気に左右されるというだけでなく、失敗が許されないような雰囲気もあり、近年は斬新なアイデアやコンセプトのクルマが出てくることは、かなり珍しくなってしまいました。

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