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ドラマの影響で中古車人気上昇中のモデルもあり? 想定外のヒット車3選

くるまのニュース / 2021年4月26日 16時10分

日本で本格的な自動車製造が始まって、すでに100年以上もの歴史があります。その間に各メーカーから数多くのクルマが世に送り出されてきましたが、ヒット作となったモデルも多数存在。そこで、想定外にヒットしたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

■想定していなかったと思われるヒット車とは

 日本で本格的な自動車製造が始まったのは大正時代で、今日まで100年以上もの歴史があります。その長い歴史の過程で、各メーカーから数多くのクルマが誕生しました。

 そうしたクルマのなかにはヒット作となったモデルも多数存在しますが、意外な理由で売れることになったモデルもあります。

 そこで、想定外にヒットしたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シビックシャトル ビーグル」

本来はつなぎ役だったはずが異例のヒット車となった「シビックシャトル ビーグル」本来はつなぎ役だったはずが異例のヒット車となった「シビックシャトル ビーグル」

 ホンダは1972年に誕生した初代「シビック」から5ドアのライトバンを設定し、2代目ではライトバンとともにステーションワゴンの「シビック カントリー」をラインナップしました。

 そして、1983年にデビューした3代目では、ステーションワゴンとして「シビックシャトル」を設定。

 シビックシャトルは、3ドアハッチバックのシビックのデザインテイストを残しつつもルーフを高くしたことで広い室内空間と荷室を確保し、レジャー用途にも適したモデルとして人気となります。

 1987年に4代目にスイッチするとシビックシャトルも2代目へモデルチェンジ。トップグレードには1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、足まわりには4輪ダブルウィッシュボーンを採用するなど、走行性能も向上しました。

 その後、1991年にシビックは5代目となりますが、シビックシャトルは従来型のまま継続して販売され、1994年には、RVブームという背景から4WDモデル「シビックシャトル ビーグル」を追加ラインナップ。

 上級グレードではフロントに大型フォグライトを配置したアルミ製グリルガードとスキッドプレートを備え、外装のカラーリングもフロントバンパーからフェンダーアーチ、ボディサイド、リアバンパーを、車体色とは異なるグレーに塗った2トーンカラーを採用することで、当時ヒットしていたクロカン車をイメージさせました。

 ほかにもオートエアコンやアルミホイールを標準装備するなど充実した装備ながら、価格は149万円(消費税抜き)からとリーズナブルに設定したことから、モデルライフとしては終わりを迎えていたにもかかわらず、シビックシャトル ビーグルは人気グレードとなり、異例のヒットを記録。

 シビックシャトル ビーグルは、本来ならば1995年に初代「CR-V」が発売されるまでのつなぎ的なモデルでしたが、CR-Vとも併売して1996年まで生産されました。

●トヨタ初代「シエンタ」

生産終了後にまさかの復活を遂げることになった初代「シエンタ」生産終了後にまさかの復活を遂げることになった初代「シエンタ」

 2003年に発売されたミニバンのトヨタ「シエンタ」は、全長4100mm×全幅1695mm×全高1670mmのコンパクトなボディサイズながら3列シートを備え、7名乗車が可能な広い室内空間を実現したモデルです。

 また、後席用に両側スライドドアを採用し、3列目シートはヘッドレストを付けたままの格納できるなど使い勝手も良好で、取り回ししやすい大きさのボディと137万円(消費税抜き)からという安価な価格設定が相まって、子育て世代のファミリー層から人気となりました。

 その後、2008年にはシエンタの実質的な後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)を発売。しばらくの間パッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売は終了。

 しかし、後席ドアがスライドドアでなくヒンジドアを採用したパッソセッテは、販売台数が極端に低迷してしまいます。

 そこでトヨタは異例の策として、生産を終えていたシエンタの再販を決め、2011年にシエンタはマイナーチェンジモデルとして復活。シエンタは再度ヒットしましたが、逆に2012年にはパッソセッテが生産終了となりました。

 シエンタは2015年に2代目にフルモデルチェンジされましたが、初代は結局11年間にわたって販売された珍しいケースのロングセラーモデルです。

■生産終了後に再評価されて中古車がヒット?

●日産「ラシーン」

SUV人気からデザインが再評価されたクロスオーバーの先駆け「ラシーン」SUV人気からデザインが再評価されたクロスオーバーの先駆け「ラシーン」

 最後に紹介する日産「ラシーン」は前述の2台と異なり、生産終了後に中古車が人気となったクルマです。

 ラシーンは前出のシビックシャトル ビーグルと同じくRVブームを背景にクロカン車風に仕立てられたモデルで、1993年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展され、ボクシーで背の低いデザインは来場者から好評を博し、翌1994年に市販モデルを発売。

 ボディはショートスタイルのステーションワゴンで、フロントにグリルガード、ルーフレール、テールゲートには背面スペアタイヤを装着するなど、見た目は完全にRVのイメージで現在のクロスオーバーSUVの先駆け的存在といえます。

 ボディサイズは全長4115mm×全幅1695mm×全高1515mmと、今の水準からするとかなりコンパクトで、見切りの良いボディ形状も相まって、良好な取り回しを実現。

 搭載されたエンジンは発売当初、全グレード1.5リッター直列4気筒のみで、後に1.8リッターエンジン車を追加。トランスミッションは5速MTと4速ATを設定し、駆動方式はすべてフルタイム4WDとなっており、よりRVに近いコンセプトといえます。

 その後、ラシーンは2000年に生産を終了。フルモデルチェンジすることなく、また後継車もなかったため一代限りで消滅していました。

 ラシーンは平均すると年間1万台以上を販売しており、スマッシュヒットしたモデルですが、ここ数年で中古車が人気となりました。

 現在のSUV人気という影響だけでなく外観のデザインが再評価され、中古車をカスタマイズして販売する専門店もあるほどです。

 また、人気の漫画やそれを原作にしたドラマで、カスタマイズされたラシーンが登場したことも、人気を後押ししています。

 希少価値から人気となっている旧車、ネオクラシックカーとは異なり、デザインが注目された珍しい絶版車といえるでしょう。

※ ※ ※

 近年、SUV人気という背景からコンパクトカーをベースにしたSUV風モデルが増えていますが、シビックシャトル ビーグルやラシーンを見ると、歴史は繰り返しているように思えます。

 実際に、かつてのRVブームの頃は、今のSUV人気とは比べ物にならないくらい各メーカーのクロカン車が大ヒットしていたので、当時はその人気にあやかるように安易にRV風に仕立てられたモデルも散見されました。

 そのため、まったく売れずに短命だったモデルもあり、安易な企画は注意が必要ということでしょう。

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