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MT車いよいよ絶滅危機? 迫る自動ブレーキ義務化 脱炭素で待ったなし!

くるまのニュース / 2021年5月14日 10時10分

2021年11月から衝突被害軽減ブレーキの義務化が始まり、さらに大きな波としてクルマの脱炭素化が進んでいます。燃費向上やハイブリッド化の流れのなかで、MT車は今後どうなるのでしょうか。

■「MT車に自動ブレーキなし」は少数派

 先日、フルモデルチェンジしたトヨタ「86」とスバル「BRZ」が公開されましたが、両車に採用されたある装備が話題になりました。それは「アイサイト」です。

 アイサイトとはスバルの先進安全装備の総称で、中心となるのは衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)。ついにスポーツカーの86やBRZにも衝突被害軽減ブレーキが組み込まれたのです。

 しかしこれは、必然といっていいでしょう。時代のニーズに応じたのに加え、実は2021年11月以降にデビューする新型車やフルモデルチェンジするクルマは衝突被害軽減ブレーキが義務化されることになっています。86/BRZは義務化前に発売されるので採用は必須ではありませんが、先取りして組み込んだのです。

 ただし、86/BRZで衝突被害軽減ブレーキが組み込まれるのはAT(オートマチック・トランスミッション)モデルのみ。MT(マニュアル・トランスミッション)モデルにはオプションでも設定されていません。実は、2021年11月以前に発売のモデル(継続生産車)は、しばらく義務化の対象ではないのです。だから義務化が始まっても衝突被害軽減ブレーキ非採用のまま販売することが可能。継続生産車は2025年末から義務となる見込みです。

 ところで、MTモデルには衝突被害軽減ブレーキの装着ができないでしょうか。86/BRZの「ATに採用。MTは設定なし」という状況をみるとそうとも思えますが、実はそうではありません。

 たとえば同じスポーツモデルのMTでも、トヨタ「GRヤリス」は主要グレードに衝突被害軽減ブレーキが組み込まれています。マツダ「ロードスター」のMTモデルも全車採用で、スポーツカーではありませんが、ホンダ「N-VAN」や「N-ONE」のMTモデルにも組み込まれています。

 決してMTと衝突被害軽減ブレーキが両立できないというわけではありません。そのため衝突被害軽減ブレーキが義務化されることにより、世の中からMTの新車が消えてしまうということはないでしょう。

■「脱炭素」でMT車は消えるのか?

 実は、スバルのようにMTに衝突被害軽減ブレーキを設定しないメーカーのほうが少数派で例外的なのです。その理由に関してスバルは「衝突被害軽減ブレーキ機能を組み込むことはできるが、『アイサイト』としてスバルが求める理想を実現するのは難しい」といいます。

スバル新型「WRX」のコンセプトカー「ヴィジヴ パーフォーマンスコンセプト」スバル新型「WRX」のコンセプトカー「ヴィジヴ パーフォーマンスコンセプト」

 MTモデルは衝突被害軽減ブレーキが強く作動した際にエンストする可能性があり、それを危惧しているようです。

 しかし、同社は次期「WRX」が控えており、それにはMTモデルも用意されるでしょう。デビューは2021年11月以降なので、MTモデルにもアイサイトが組み込まれるはずです。

 また、継続生産車にも義務化される2025年末までには、86/BRZのMTモデルにも標準で組み込まれることになるでしょう。

 というわけで衝突被害軽減ブレーキが義務化されても、それによってMT車が絶滅するということはありません。

 しかしながら、別の理由によってMTは消える運命かもしれません。それは脱炭素社会です。

 脱炭素社会とは、地球温暖化を止めるために二酸化炭素を減らそうという考え方(そもそも地球温暖化の主な原因が二酸化炭素にあると確定されているわけではありませんが)。二酸化炭素を減らすにはすなわち燃費を向上する、もしくはエンジンを搭載しないクルマとすることが求められます。

 エンジン車で燃費を向上させるためには、モーターを組み込んでハイブリッド化することが必須となり、ATやCVTと違って変速を車両側が制御できないMTと組み合わせるのはアンマッチといえます。今後もメーカー内の平均燃費の向上が求められ(欧州では基準をクリアできないと罰金を払う制度が始まっている)、その流れでMTはどんどん減っていくことでしょう。

 こうした状況から近い将来、新車でMTが選べなくなる日がやってくるのはほぼ確実です。

 今後登場するスポーツカーでは86/BRZのほか、日産の次期「フェアレディZ」にもMTの設定がアナウンスされています。

 いずれにせよMT愛好家は、長く所有するつもりで今のうちにMT車を買って楽しむのがよいかもしれません。

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