トヨタ新型「GR86」排気量アップは歓迎でも価格が心配!? 初代オーナーが期待することは?
くるまのニュース / 2021年5月23日 16時10分
トヨタ「86」の後継モデルとして新型「GR86」が2021年4月5日に世界初公開されました。今回のフルモデルチェンジでは「GR」の冠がつき、さらにスポーツ性がアップしています。新型GR86についてどう感じたのか、初代86オーナーに聞いてみました。
■「GR」ブランドのスポーツモデルとして進化した新型「GR86」
手軽に楽しめるスポーツカーとして人気のトヨタ「86」が、いよいよ第2世代へと進化することが発表されました。
2代目はTOYOTA Gazoo Racingが手がける「GR」ブランドのモデルとなり、その名も「GR86」へと変更。トヨタラインナップとは別のスポーツ性を感じさせます。
兄弟車のスバル新型「BRZ」が2020年11月に北米で発表され、なんとなくイメージはついていたものの、86についての情報は明らかになっていませんでした。
新型GR86最大の変更点は、エンジンの排気量アップです。スバル製水平対向エンジンにトヨタの筒内直接+ポート燃料噴射装置「D-4S」を組み合わせたパワーユニットは、2リッターから2.4リッターへと変更。
最高出力も207馬力(後期6速MT)から235馬力へ、最大トルクも20.9kgmから25.5kgmへと増強されています。
そして注目したいのは最大トルクの発生回転数です。初代86が6400rpm-6600rpmだったのに対し、新型GR86の最大トルクは3700rpmで発生となっています。つまりエンジンを高回転させなくても十分な加速が得られる特性となりました。
ボディサイズは初代86が全長4240mm×全幅1775mm×全高1320mmに対し、新型GR86は全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmと全長が少し大きくなり、全高は低くなりました。車重はほぼ同じの1270kgとなっています。
ホイールベースも+5mmの2575mm、コーナリング性能に影響するトレッドはフロント1520mmで同一ながらリアは+10mmの1550mm。タイヤサイズも大径化され、215/40R18と18インチが装着されます。
このスペックから読み取れるのは、ボディサイズはほぼそのままに、軽量化と排気量アップを同時におこない、純粋に加速力が増した正常進化版だということでしょう。
基本的には初代86と同じプラットフォームを採用しているのですが、新型GR86では「フルインナーフレーム構造」と呼ばれる新しい工法が用いられ、捻り剛性が50%もアップしました。ボディのガッシリ感が高まり、より軽快感のあるハンドリングが期待できそうです。
■排気量アップが価格に影響!? 初代オーナーが期待することとは?
初代86オーナーは新型GR86のどのような部分に期待しているのでしょうか。
初代86を所有する30代男性は次のようにいいます。
トヨタ新型「GR86」
「2リッターでは力不足を感じていたので、2.4リッターでトルクも太くなったことは期待できます。ですが、排気量がアップすると価格も上がってしまうでしょう。若者が手を出しづらくなってしまわないか心配です」
また、中古で86を購入した20代の男性にとっては、現在の愛車への思い入れが強く、新型GR86に興味はあるものの、すぐに乗り換える気はないそうです。
「サイズは大きく変わっていないのに、全体的に低くなった印象を受けます。また『GR』の称号がついたのはうれしい半面、さらに価格が高くなりそうです。ただでさえ、若者にとって新車は夢のまた夢。これ以上、価格が高くならないでほしいです」
「若者のクルマ離れ」といわれていますが、さまざまな若い人に話を聞くと、クルマへの興味がないのではなく、経済的・物理的に購入できない状況が多いようです。
新型GR86が登場することによって初代86の中古車が値下がりすれば、さらに若者に人気が出るのかもしれません。
20代のオーナーからは、「ターボ搭載の古い三菱『ランサーエボリューション』とかの加速を体験してしまうと、新型GR86も2リッターにターボを搭載しても良かったのではと思います」と、動力性能は違う方向で引き上げられても良かったという意見がありました。
ひとつ上のクラスの「GRスープラ」は3リッターまたは2リッターにターボを搭載していますし、新型GR86では低重心や軽さを重視した結果、自然吸気という選択肢になったのでしょう。
また、安全装備については、「アイサイト搭載は、ATモデルのみとはいえ非常に羨ましいです。いくらスポーツカーでも9割以上は普通に走らせるので、安全性は高いほどいいです」(20代男性)との声が上がっています。
新型GR86は、最新スポーツカーとして重視される安全性も強化。スバルの安全運転支援システム「アイサイト」がATモデルに搭載されます(MTモデルは非搭載)。
乗員と歩行者を守るプリクラッシュブレーキや、車線はみ出し警報、全車追従機能付クルーズコントロールも搭載。
また、斜めからの衝突でも乗員を守るカーテンエアバッグや脚部用のニーエアバッグなど計7つものエアバッグが搭載されるという安全装備の充実度で、スポーツ走行だけでなく長距離の気楽なドライブでもドライバーのストレスはかなり軽減されるでしょう。
※ ※ ※
新型GR86の日本での販売は2021年秋頃を予定しています。ちなみに、新型BRZは新型GR86よりひと足早く、2021年夏に発売される予定です。
いまでは希少な2ドアスポーツだけに、フルモデルチェンジで進化を遂げた新型GR86への期待は高まります。
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