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スズキ9年ぶりの快挙! 小型車「ソリオ」はなぜ販売好調? 見た目変化少なくも支持される理由

くるまのニュース / 2021年6月20日 7時30分

2020年12月4日に4代目となるスズキ「ソリオ」が発売されました。その後、2021年4月の販売台数ではスズキとして9年ぶりのトップ10入りを果たしましたが、ソリオが販売好調な要因とは、どのようなものなのでしょうか。

■スズキ「ソリオ」がトップ10入り!新型販売好調の要因は?

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2021年4月の車名別新車販売台数では、スズキ「ソリオ」が4966台で10位とトップ10入りを果たしました。
 
 スズキがトップ10入りするのは、2012年4月に8位となった「スイフト」以来ですが、ソリオが好調な要因とはどのようなものなのでしょうか。

 ソリオは、2000年に「ワゴンRソリオ」として初代モデルが登場。その後、2011年に2代目モデル、2015年に3代目モデルと進化してきました。

 歴代ソリオにおける保有台数は、2000年度で9万3809台だったものの、2014年度には20万736台に増加。その後、2019年度には38万5888台と順調にその台数を増やし続けています。

 そして、2020年12月4日に4代目となるソリオが発売され、発売から約10日間で月間目標販売台数の4000台を超える受注があったといいます。

 ソリオはフルモデルチェンジ以降、2021年1月には月間で5446台を販売して12位に入るなど順調な滑り出しをみせ、その後も2月に5082台で13位、3月に6089台で15位、そして前述の4月では4966台で10位と好調を維持しています。

 ソリオは、全長4000mm以下で全高1700mm以上の高いコンパクトカーとなる「コンパクトトールワゴン」に分類され、最大のライバルはトヨタ「ルーミー」です。

 ルーミーの4月の販売台数は1万2161台の2位となり、10位のソリオを大きく引き離しています。

 ただし、これにはカラクリがあり、2020年9月までトヨタにはルーミーとその姉妹車となる「タンク」がラインナップされていましたが、同9月のマイナーチェンジでタンクが統合される形でルーミーに1本化されました。

 ちなみに、2020年8月のルーミーの販売台数は5617台でタンクは2792台、ソリオは2770台となっていました。

 そのため、ルーミー/タンクが1本化する前からソリオとは大差が存在していたものの、ソリオが販売台数を伸ばしていることは事実です。

 その背景のひとつとして、国内市場の「小さなクルマに乗換える人(ダウンサイザー)」が増えてきたことが挙げられます。

 普通車クラスのスライドドア車といえば、1990年代前半にトヨタ「エスティマ」ホンダ「ステップワゴン」「オデッセイ」が登場したことで市場が確立されてきました。

 ミニバン市場が拡大するにつれて、トヨタ「ノア/ヴォクシー」「アルファード/ヴェルファイア」、日産「セレナ」「エルグランド」などが登場します。

 しかし、かつてミドルサイズのミニバンオーナーだったファミリー層が、子育てが一段落したことなどにより、サイズが小さく、維持費などの負担も少ない小排気量のクルマに乗り換える傾向が出てきました。

 それによって、ここ数年ではトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といったコンパクトミニバンの人気も高まっています。

 同時に軽自動車市場においてもホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」などの全高1700mm以上かつスライドドアを備えた軽スーパーハイトワゴンというジャンルが人気です。

 実際のユーザー動向について、スズキの販売店は「ソリオやルーミーといったモデルはダウンサイズの需要を確実に取り込んでいると思います」と話しています。

 一方で、スズキの場合には「ホンダのN-BOXやダイハツのタントなどの背丈の高めの軽自動車に乗っていたオーナーが、子どもが大きくなったことをきっかけに、『ミニバンは大きすぎる』という理由で軽自動車に近いパッケージのソリオを選ぶ、アップサイズのお客さまも多い」(前出スズキ販売店)と話していました。

 このように、かつてのミドルサイズミニバンからのダウンサイザーと、人気の軽自動車からのサイズアップする両方からの需要を満たすのがソリオなどのコンパクトトールワゴンだといえます。

 その結果、好調な販売台数が維持できているといえるのかもしれません。

■ソリオはフルモデルチェンジで何が変わったのか

 今回のフルモデルチェンジでソリオは、ボディサイズを全長3790mm(+80mm)×全幅1645mm(+20mm)×全高1745mm、ホイールベース2480mmと、先代モデルから拡大。

 これにより、セールスポイントとなる「広い居住空間」は、室内高1365mm(+5mm)、荷室床面長550mmから715mm(+100mm)、後席ヘッドクリアランス(+5mm)、後席ショルダースペース(+20mm)を実現しました。

 居住空間を拡大した背景について、スズキは次のように話します。

「このクラスを検討されるお客さまの多くは、お子さんを持つファミリー層が多いこともあり、移動する際の快適性を求める傾向があります。

 家族4人で移動する際には荷物も多くなるために収納スペースや荷室容量を拡大しています。

 フルフラット時には後席リクライニングの頭上スペースも広がっているので、車中泊なども余裕な空間を提供しています」

 また、スズキによればソリオのフルモデルチェンジにあたって、ファミリー層からの声を積極的に取り入れたといい、なかでもトランクルームの積載力はセールスポイントだといいます。

 トランクルームを100mm拡大したことで、後部座席を一番前にスライドさせなくても、「35リットルのスーツケースが5つ積載できるほど大きくなったのも魅力」(前出スズキ販売店)と話しています。

セールスポイントとなる「広い居住空間」をさらに拡大したことがユーザーから好評だというセールスポイントとなる「広い居住空間」をさらに拡大したことがユーザーから好評だという

 さらに「安全性能については、ファミリー層から積載力の向上とともに要望が多かった」(前出スズキ販売店)といい、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を進化させ、運転時に必要な情報を表示する「カラーヘッドアップディスプレイ」を同社初採用しました。

 ほかにも運転支援・安全面では、長距離移動の運転の負担を軽減するため、アダプティブクルーズコントロールが全車速対応となったほか、「6エアバッグ」が全車に標準装備されています。

※ ※ ※

 スズキが9年ぶりの販売台数トップ10入りし、好調な販売台数を維持しているソリオは、ユーザーの声を徹底的にヒアリングしたからこその結果といえるようです。

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