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今でもホレボレするほどカッコイイ! 昭和の時代に誕生した美しい車5選

くるまのニュース / 2021年6月15日 6時10分

時代によってクルマのデザインは変化しますが、近年はクーペだけでなくセダンやステーションワゴン、SUVまでも「流麗」なフォルムのモデルが主流です。一方、昭和の時代には直線基調のカクカクしたデザインのクルマが多かった印象ですが、実は流麗なモデルも存在。そこで、昭和の時代に誕生した美しいフォルムのクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

■昭和の頃に登場した美しいフォルムのクルマたち

 クルマのデザインはその時代によって流行が変化しますが、近年はスポーツカーだけでなくセダンやステーションワゴン、SUVまでも、流れるような「流麗」なフォルムのモデルが主流になりつつあります。

 また、かつては実現できなかったような複雑な曲面を組み合わせた造形も可能となっており、モデリングや生産技術の向上によるものといえます。

 一方で、昭和の時代のクルマでは、平面を組み合わせたような直線基調のクルマが主流でしたが、なかには流麗なボディのモデルも存在。

 そこで、昭和の時代に誕生した美しいフォルムのクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「ルーチェ ロータリークーペ」

「ハイウェイの貴公子」の異名を持った「ルーチェ ロータリークーペ」「ハイウェイの貴公子」の異名を持った「ルーチェ ロータリークーペ」

 1967年に、マツダは世界初の量産ロータリーエンジン搭載車である「コスモスポーツ」を発売しました。高性能なロータリーエンジンだけでなく、そのスタイルは50年以上前にデザインされたとは思えないほど流麗かつ未来感あふれるもので、現在も数多くの愛好家が存在する名車中の名車です。

 その後、マツダはロータリーエンジン車のラインナップ拡大を進め、1969年にそのなかの1台として「ルーチェ ロータリークーペ」が誕生。

 そのスタイルはマツダ自らが「ハイウェイの貴公子」と標榜するほど美しい2ドアハードトップで、丸目4灯のヘッドライトをレイアウトしたフロントフェイスは、斬新かつ精悍な逆スラントノーズを採用し、フロントからボンネット、ルーフ、トランクへとすべてが流れるようなラインが印象的です。

 また、美しいスタイルだけでなく、搭載されたエンジンは最高出力126馬力(グロス、以下同様)を発揮するパワフルな655cc×2ローターの「13A型」ロータリーで、後に登場した「13B型」と異なる形式でルーチェ ロータリークーペのために設計されました。

 さらにルーチェ ロータリークーペは前輪を駆動するFFとなっているなど、唯一無二のFFロータリー車と技術的にも意欲作といえます。

 走行性能は公称最高速度190km/hを誇り、まさにハイウェイの貴公子にふさわしい性能ですが、その分価格も高額で、当時の大卒初任給が約3万円だったのに対して145万から175万円と、庶民が購入できるレベルのクルマではありませんでした。

 ルーチェ ロータリークーペは発売からわずか3年ほどの1972年に生産を終了。現存数も少なく、今では幻のクルマです。

●日産「サニー クーペ」

まさに流れるようなスタイリッシュなフォルムを採用した「サニー クーペ」まさに流れるようなスタイリッシュなフォルムを採用した「サニー クーペ」

 1966年に誕生した日産(ダットサン)「サニー」は、マイカー時代到来に向けて開発された大衆車です。

 その後、1970年に登場した2代目では高性能グレードを設定し、レースでも活躍するなど、ファミリーカーであると同時に若者にも訴求する安価なスポーツカーという一面もありました。

 さらに1973年デビューの3代目では、海外市場を見据えてボディの大型化が図られ、セダンを軸に、ライトバン、そしてスタイリッシュな3ドアハッチバッククーペをラインナップ。

 3ドアハッチバッククーペは、1.2リッター直列4気筒OHVエンジン車が「サニー クーペ」、1.4リッター(後に1.6リッターが追加)SOHCエンジン車が「サニーエクセレント クーペ」と名付けられました。

 フロントフェイスはセダンと同等の意匠ながら、ルーフの前端からリアハッチの後端まで緩やかなカーブを描きながら傾斜するラインによって、美しいサイドビューを演出。

 またテール部分は個性的な丸形6灯式ライトをエクセレント クーペ専用に設定し、独特な形状のCピラーと三角形のクオーターウインドウも、スポーティかつ斬新でした。

 スタイリッシュなサニー クーペは若者から支持され、日本のみならずアメリカでもヒットしました。

●トヨタ「セリカ」

シャープなフロントフェイスに美しいサイドビューが特徴の「セリカ」シャープなフロントフェイスに美しいサイドビューが特徴の「セリカ」

 かつてトヨタは若い世代に向けたスペシャリティカーの「セリカ」シリーズをラインナップしており、初代は1970年に発売。

 ボディは当初2ドアハードトップクーペのみで、後に「リフトバック」と呼称された3ドアハッチバックが追加されます。

 シャープなデザインのフロントフェイスに対して、抑揚のあるリアフェンダーのラインと小ぶりなキャビンによって美しいサイドビューが特徴的です。

 また、初代セリカは「フルチョイス・システム」という、量産車としては斬新なセミオーダープランを展開。

 具体的には外装が4種類、エンジンが4種類、トランスミッションが3種類、内装は9種類用意され、ユーザーが好みの1台に仕立てることができる(GTグレードは専用のDOHCエンジンとトランスミッション、内外装のみ)システムが構築されていました。

 ちなみに、オーダー時の選択によって価格は57万円から100万円まで幅があったといいます。

 フルチョイス・システムはクルマの販売方法として画期的でしたが、実際に注文される仕様はある程度限定されていたようで、モデルライフの途中で廃止されてしまいました。

■スズキと三菱が作り出した2台のファストバッククーペとは?

●スズキ「フロンテクーペ」

軽自動車ながら本格的なスポーツカーに仕立てられていた「フロンテクーペ」軽自動車ながら本格的なスポーツカーに仕立てられていた「フロンテクーペ」

 今や軽自動車と小型車の生産で不動の地位を獲得しているスズキは、1955年に同社初の4輪自動車「スズライト」を発売しました。

 スズライトは現在まで続く軽自動車の基礎となったモデルで、後の「フロンテ」を経て現在の「アルト」まで系譜が受け継がれています。

 このフロンテの3代目において、1971年に高出力なエンジンを搭載した軽自動車初のRRスポーツカーで派生車の「フロンテクーペ」が登場。

 フロンテクーペのボディは、低いフロントノーズと傾斜したフロントガラスからリアまで流れるように続くルーフラインが特徴のファストバックを採用。

 このフロンテクーペのデザインは、いすゞ「117クーペ」を手掛けた巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによる原案をベースとしており、乗員の居住性よりもデザインを優先した結果、発売当初は2シーターのみでデビューしたほどです。

 内装もタイトなコクピットにローバックタイプのバケットシート、インパネには6連メーターを設置。最高出力37馬力を絞り出す3キャブレターの360cc2サイクル直列3気筒エンジンを搭載するなど、軽自動車という枠を超えた本格的なスポーツカーに仕立てられていました。

●三菱「コルトギャランGTO」

日本車離れしたルックスが話題となった「コルトギャランGTO」日本車離れしたルックスが話題となった「コルトギャランGTO」

 かつて三菱の主力車種だった「ギャラン」は、1969年に「コルトギャラン」の名で誕生。美しいデザインと優れた走りの4ドアセダンとして人気となりました。

 そして1970年には高性能なスポーツカーのニーズの高まりから、2ドアハードトップの派生車「コルトギャランGTO」が登場。

 丸目4灯のヘッドライトを配置した逆スラントノーズのフロントフェイスは、高性能車にふさわしいシャープな印象で、フロントノーズからテールエンドまで続く「ダイナウェッジライン」と呼ばれたサイドラインと、トランクリッド後端を跳ね上げたダックテールによって、美しいサイドビューを演出しています。

 エンジンは、当初1.6リッター直列4気筒SOHCのみでしたが、発売から数か月後にはDOHCヘッドを搭載した「コルトギャランGTO MR」を追加ラインナップ。なお、MRの名は「ランサーエボリューション VIII MR」へ継承されました。

 1973年には2リッターSOHCエンジンを搭載する「コルトギャランGTO GS-R」が登場し、当時の高性能モデルの証であるオーバーフェンダーが4輪に装着されるなど、さらに迫力ある外観へと進化。

 しかし、後に排出ガス規制の強化からパワーダウンを余儀なくされ、1978年に一代限りで消滅してしまいました。

※ ※ ※

 今回紹介した5台は、すべて1960年代の終わりから1970年代初頭にデビューしたモデルです。まだ排出ガス規制の強化が始まる前で、数多くの高性能車が誕生しました。

 デザインについては欧米のクルマを参考にしていたと思われますが、やはり歴史に残るようなスタイリッシュなモデルが続々と登場した時代でもあります。

 どれもおよそ半世紀前のクルマですが、今も色褪せない魅力があることは凄いことだと思わざるを得ません。

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