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走る“オトナの秘密基地”コロナ禍でキャンピングカーが爆売れしている理由とは

くるまのニュース / 2021年6月18日 11時50分

いまキャンピングカーに注目が集まっています。過去10年以上にわたって常に右肩上がりで販売台数は伸び続け、昨年2020年の新型コロナウイルス禍の状況下でも、前年比10%の伸びだったそうです。なぜキャンピングカーは人気なのでしょうか。

■国内のキャンピングカー市場は10年以上伸び続けている

 いま、キャンピングカーが売れています。しかも、過去10年以上にわたって、常に右肩上がりで販売台数を伸ばしているそうです。

 2020年の年間のキャンピングカー販売(新車・輸入車・中古車を含む)の販売総額は、過去最高の約582億円となりました(一般社団法人 日本RV協会発行『キャンピングカー白書2021』)。

 驚くのは、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年よりも、昨年2020年はおよそ10%も数字を伸ばしていること。

 新車出荷台数も、前年比プラスとなる約8100台。国内保有台数は過去最高の12万7400台となっています。

 これも2005年の販売台数約3500台、保有台数約5万台と比べると、約15年で2倍以上に市場が成長しています。しかも、キャンピングカーは、2008年に起きたリーマンショック時でも売り上げを落としていないのです。まさに不況知らずということになります。

 では、いったい、どこに人気の理由があるのでしょうか。とくにこの新型コロナ禍でも人気を維持できた理由を考えてみます。

「以前、日本でもっともキャンピングカーの多い地域は北海道でした。土地が広く、キャンピングカーをどこでも駐められるというのが理由です。ところが、いまでは関東、近畿、東海のユーザーが約7割を占めています。また、年齢層も以前は定年後の方が圧倒的に多かったのですが徐々に下がっており、いまでは50代と60代が中心になっています」と説明するのは、一般社団法人 日本RV協会の事務局のスタッフ。

「キャンピングカーでの旅行は、RVパークなどの施設を使えば1泊数千円です。食事を含めても1日1万円くらいで済ますことができます。これは4人家族での旅行としては格安です。それにホテルを予約する必要もありません。思い立ったらすぐに行くことができるんですね」と日本RV協会スタッフは続けます。

 キャンピングカー白書2021では、キャンピングカーでの旅行でかかった家族1日あたりの費用を尋ねたアンケートがあり、その結果はトップが「5000円から1万円」(35.5%)、次いで「1万円から2万円」(31.1%)と続きます。全体の6割強が、ひと家族1日2万円以内で済んでしまっているのです。家族全員のホテル泊では、ありえないほどの安さになります。

価格も手ごろな軽キャンパー。写真は東和モータース販売の「インディ108」で、315万1150円(消費税込)から用意する価格も手ごろな軽キャンパー。写真は東和モータース販売の「インディ108」で、315万1150円(消費税込)から用意する

 また、同白書における「キャンピングカー購入で旅行スタイルの変わった点は」という問いに対する答えとして、「時間に束縛されなくなった」(78%)、「目的地が自在に選べるようになった」(74.9%)、「温泉・観光地や名所などを巡りやすくなった」(56.3%)、「コストを抑えた経済的旅行が可能になった」(51.8%)、「天候・季節を気にしなくなった」(37.3%)、「自然と接する機会が増えた」(32.8%)と続きます。

 時間や天候に左右されることなく、自由自在に旅することができる……。これらがキャンピングカー購入の根源的な魅力といえるでしょう。

■新型コロナ禍での新しいキャンピングカーの使い道とは

 また、「キャンピングカー購入の動機は?(複数回答あり)」という問いの答えのトップ3は「旅行(91%)」。以下「キャンプ(53.1%)」「ペット(40.6%)」というもの。そして「災害対策(24%)」「アウトドアスポーツ(23.4%)」「ビジネス(2.7%)」と続きます。

 ここでの注目点は、「災害対策」や「ビジネス」への期待があることです。

高級キャンピングカーも好調。写真はドイツ製「デフレス グランドアルパ I7820-2」のインテリアで、車両価格は2200万円(展示車価格/諸費用別・消費税別)高級キャンピングカーも好調。写真はドイツ製「デフレス グランドアルパ I7820-2」のインテリアで、車両価格は2200万円(展示車価格/諸費用別・消費税別)

「新型コロナ禍の影響もあり、最近では遊びで使うだけでなく、リモートワークのため、つまり仕事で使うという人も増えています。また、災害のときの避難場所にもキャンピングカーは使うことができます」と日本RV協会の事務局スタッフは説明する。

* * *

 実際、2020年6月12日・13日に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2021」でも、リモートワーク仕様や災害対策を想定したキャンピングカーが数多く展示されていました。

2021年6月12日・13日に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2021」の様子2021年6月12日・13日に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2021」の様子

 また、『キャンピングカー白書2021』のアンケートでも、ユーザーの99.2%が「キャンピングカーは災害時に活躍すると思う」と答えています。ちなみに、「リモートワークや災害対策、万が一の際の新型コロナ禍の隔離部屋という新しいキャンピングカーの利用法の問い合わせがあった」という販売店は52.3%にもなるといいます。

 たしかに、キャンピングカーであれば雨風や寒さ暑さをしのげる空間があり、電源と水、そしてトイレまでもが、自分たち専用に用意されています。これほど心強いことはないでしょう。

 また昨今の新型コロナ禍や、多発する自然災害によって、キャンピングカーのメリットが再認識されたのではないでしょうか。それが、新型コロナ禍においても堅調なキャンピングカーの販売につながったといえます。

 ただし、懸念もあります。それが人気の高さゆえのバックオーダーです。

 キャンピングカーは、一般的な量産車と違って、その多くが特注によるハンドメイド作品。そのため、注文から納車までに時間がかかるという特徴があります。

 そのため、あまりに注文が多くなると、製作が追いつかなくなることがあるといいます。現在では、納期が最短で2か月ほど。多くは半年から1年であり、最長2年にも及ぶこともあるそうです。

 新車販売の納期が延びるほどに、中古車の相場も高まるはず。キャンピングカーが気になるのであれば、早めに動くのが良いのではないでしょうか。

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