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え? 車が爆発? 米国・独立記念日の夜に車の盗難防止アラームが鳴り響く理由とは

くるまのニュース / 2021年7月7日 17時10分

アメリカでは、毎年7月4日を独立記念日として祝う習慣があります。しかし、独立記念日の夜にはクルマの盗難防止アラームが各地で鳴り響くといいますが、どのような理由があるのでしょうか。

■なぜアメリカでは独立記念日の夜に防犯アラームが鳴り響くのか?

 毎年7月4日はアメリカの独立記念日です。1776年7月4日にアメリカ独立宣言が公布されたことを記念して、7月4日を含む数日間は全米でお祭りムード一色となります。
 
 そうした記念日の夜には、クルマの盗難防止アラームが各所で鳴りまくるといいますが、なぜなのでしょうか。

 独立記念日を含む数日間は、旅行に出かけたり、BBQを楽しんだり、子どもたちの夏休みも始まったばかりで家族で賑やかに休暇を楽しむ期間として知られています。

 そして、独立記念日の夜といえば花火。気軽に花火を楽しめる日本では考えられないことですが、アメリカではほとんどの州で手持ち花火を含めて、普通の家庭で花火を楽しむことは禁じられています(州や市の法律によります)が、毎年7月4日の独立記念日だけは花火が許されているのです。

 以前、筆者(加藤久美子)が6月の終わりに仕事でオレゴン州に行った際、道路沿いに「FIREWORKS」(花火)との看板を掲げた店舗がたくさん出ていました。

 日本でいうところの道路沿いで果物を売るような店舗ですが、その店舗にクルマで乗り付けて大量の花火を買っていく姿を何度か目撃しました。

 日常的に花火が禁止されている理由は色々あり、州や市によっても異なりますが、大体は以下のような理由です。

 ・火事の危険がある。(アメリカは乾燥地帯が多いこともあり、山火事の危険もある)
 ・打ち上げ花火の音が銃声と似ている(銃社会アメリカらしい理由)
 ・花火の火薬を分解して爆薬を作る可能性がある(これも日本にはない発想です)

※ ※ ※

 7月4日だけ、ということではありますが実際は7月4日の前夜や、4日を含む数日は住宅街のあちこちでも花火が打ち上げられているようです。

 ちなみに、2021年は花火が不足して価格が高騰した地域もあったといいます。というのも、2020年の新型コロナ禍によって大勢が集まる大規模で商業的な花火大会は開催が見合されたケースが多かったものの、自宅の庭や駐車場で花火を楽しむ「おうち花火」で大量の花火が消費されることになり、その際の在庫薄の状態が今年の花火在庫にも影響したのが大きな理由です。

 では、年に一度の独立記念日の夜になぜ、自動車盗難防止用のセキュリティアラームが鳴り響くのでしょうか。日本の花火事情ではありえない理由がそこにありました。

■ペットの命にも関わる? アメリカならではの花火騒動とは?

「おうち花火」といってもアメリカ人の花火はけた違いのスケールです。なんせ年に1度しか許されていないのですから、線香花火などチマチマした手持ち花火で納得するはずもないでしょう。

 2021年の7月4日以降、アメリカに住む複数の友人が、SNSに花火の動画をあげていましたが、それらはいずれも「え?これ、道路でやっているの?」「クルマに火の粉がバンバン降りかかっているけど大丈夫なの?」と非常に衝撃的な映像でした。

 また、花火の打ち上げと共にカーセキュリティのアラームがあちこちで鳴り響いています。

 動画をあげていたアメリカ在住の友人数名にたずねたところ、「花火の振動でアラームが誤作動して鳴っている」とのことでした。

 花火が打ちあがるときの「ドドーン!」「ババーン!」という音の衝撃はカーセキュリティがアラームを出すほどのパワーなのだそうです。

 また、家の窓ガラスも大きく振動させてしまうためホームセキュリティの「ガラス破損」を感知して家のセキュリティシステムに影響することもあるといい、アメリカ在住のA氏は次のように話しています。

「花火そのものの音、そして花火による誤報アラームは犯罪のカモフラージュになりますね。普段でも車上荒らしや、宅配便の盗難が多い地域です。

 今は独立記念日の休暇で旅行に出掛けている人も多いですからアラームが鳴っても『花火による誤報でしょ』と周囲が犯罪に気づかない場合もあるでしょう」

 また、さらに驚くことに、ペットの命にまでかかわる衝撃になるといいます。

「家のなかにいてもスゴイ音と振動なので、ペットがショック死することもあるんです。

 だからペットを飼っている家庭は事前に獣医さんからペット用の睡眠薬を処方してもらいます。

 花火が始まる前に、早く寝せておくことが大切なので。人間だってびっくりする衝撃ですよ。今年はとくに凄かったです」(A氏)

アメリカでは、独立記念日(7月4日)を含む数日間はお祭り騒ぎとなり、各地で大規模な花火がおこなわれる(画像提供:米国在住のA氏)アメリカでは、独立記念日(7月4日)を含む数日間はお祭り騒ぎとなり、各地で大規模な花火がおこなわれる(画像提供:米国在住のA氏)

 ところで、花火の音でカーセキュリティが誤作動するなんてことは日本でもあるのでしょうか。

 カーセキュリティのプロショップ「A2M」は次のように話しています。

「アメリカブランドのカーセキュリティはそもそも誤作動、アラームの誤報が多いのですが、尺玉など大きな花火が上がる近くにあるクルマなら日本製のセキュリティでも100%作動してしまいます。

 アメリカブランドなら個人が楽しむレベルの打ち上げ花火でも振動を感知して多くがアラームを出してしまうのでしょう」

 ちなみに、州や市のルールにも寄りますが基本、アメリカでの打ち上げ花火はほぼすべて「違法」とのことです。

 警察も分かっていながら、「年に一度のお祭り」と見て見ぬふりをしているケースもあるようです。

※ ※ ※

 しかし、2021年6月末に起こった花火に関するとんでもない違法行為はさすがに見逃すわけにはいかなかったようです。

 日本のメディアでも報道されましたが、6月30日にロサンゼルス市警察(LAPD)はカリフォルニア州ロサンゼルスの住宅で違法に保管されていた2300kgもの独立記念日用の花火を発見。

 警察が爆発物処理専用車両のなかで処理しようとしたところ、この花火が大爆発し車両ごと吹き飛びました。

 花火とはいえ2300kgもあればとてつもない爆発力となるのでしょう。不幸中の幸いで死者は出なかったものの、警察官など少なくとも17人が負傷し、周囲のクルマや建物などにも被害が及んだようです。

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