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超絶スペックのスーパーカーなのに快適な乗り心地!? 「マクラーレンGT」の二面性とは

くるまのニュース / 2021年7月22日 18時10分

2019年6月に日本上陸をはたしたマクラーレン「GT」は、その名のとおり古典的なグランドツーリングを現代に再定義したモデルになります。レーシングカーの技術を余すとことなく市販車に注入したスーパーカーですが、実際に日本の道を走るとどうなのでしょうか。モータージャーナリスト、こもだきよし氏のレポートです。

■630馬力のエンジンに1530kgの軽量ボディ

 マクラーレンは、イギリスのレーシングカーメーカーとして有名です。それも世界最高峰のレースのひとつであるフォーミュラ1のコンストラクターとして、その名前を轟かせています。

 製造するのはサーキット専用のレーシングマシンで、これまでにF1のコンストラクターズタイトルは8回、ドライバーズタイトルは12回獲得しているという超名門になります。

 そんなマクラーレンが1993年から1998年に製造した市販ロードカーが「マクラーレンF1」です。

 これはBMWの6.1リッターV型12気筒エンジンをミッドシップに搭載し、中央はドライバーが座り、その両サイドに位置を後ろにずらして2人座れる3人乗りのスーパースポーツカーでした。

 マクラーレングループでは、2009年にロードカーを製作する「マクラーレン・オートモーティブ」を設立しました。その前に販売したロードカー第1号となるマクラーレンF1は、この会社の前身であるマクラーレン・カーズの手によるものでした。

 1963年に創業したマクラーレン・レーシング・リミテッドのグループ企業として、現在ではロードカーを製作するマクラーレン・オートモーティブが主軸を担っています。マクラーレン・レーシングが持っているレーシングカーづくりのノウハウを余すことなく用いて、世界最高のスーパースポーツカーを製造しているのです。

 現在ラインナップされている市販スーパースポーツカーは、「マクラーレンGT」と「マクラーレン720Sクーペ/スパイダー」で、2021年秋にはハイブリッドの「マクラーレン・アルトゥーラ」が日本でも登場予定です。

 マクラーレンのライバルといえば、やはりF1レースでもライバルのフェラーリが挙げられます。またランボルギーニもライバルです。

マクラーレンが1993年に発売した市販ロードカー「マクラーレンF1」マクラーレンが1993年に発売した市販ロードカー「マクラーレンF1」

 そんななか、マクラーレンGTを試乗したので紹介しましょう。

 写真を見てもわかるように、ドアの開け方からして夢のあるスーパースポーツカーを演出しています。

 ドアはやや外側に開きながら上に持ち上がるから、実際には乗り降りの邪魔にはなりません。ドアの後部の小さな四角いプレートを指で軽く押すとドアが浮き上がるので、そのまま引き上げればドアが開きます。

 カーボンモノコックの車体はサイドシルが高く、乗り込むときはちょっと大変です。ですがドアが開いてしまえば、サイドシルのそばまで大きくえぐられているため、お尻から滑り込ませるのは予想より簡単でした。

 車内に乗り込んでしまえば、身体にフィットしたシートが気持ちよく感じます。シート自体は薄くできていますが、ガチッとしっかりした剛性を感じます。ハイパフォーマンススポーツカーを操るためには、やはりこれくらいでないと安心できません。

 ドアを閉めるのは、ゆっくり下げればあとはソフトクローズ機能があるので、最後のところでは自動的に引き込まれます。

 ウインドシールド(フロントガラス)は、運転席から見ると下の方までえぐられている感じで、スーパーカーなのに視界が良いのが特徴です。前方の道路も割と近くまで見えるため、スピードが出たときに恐怖感を持たないかと心配になりましたが、いざ走ってみると逆にまわりがよく見えることで、緊張感を持たずに安心感につながりました。

 運転席の背後にあるのは、4リッター90度V型8気筒ツインターボチャージャーのエンジンです。620馬力・630Nmという性能を発揮します。

 車重は1530kgと軽量なので、そのパフォーマンスも期待どおり。0-100km/h加速は3.2秒、0-200km/hは9.0秒、最高速度は326km/hと、十分な性能を発揮します。

■ハイパワーモデルとは思えない扱いやすさ

 マクラーレンGTの試乗車を受け取ったときは、走行距離がたった50kmだったので、エンジンを気遣いあまり高回転まで回していませんが、タコメータのレッドゾーンは8250rpmから始まります。一般道では、どんな走りをしても破綻せず、常時高い安定感を保っていました。

マクラーレン「GT」のインテリアマクラーレン「GT」のインテリア

 マクラーレンGTは2ペダルのDCTですが、セレクターはプッシュボタン式で、センターコンソールに「D」「N」「R」が並んでいます。7速デュアルクラッチのSSD(シームレス・シフト・ギヤボックス)は、市街地走行くらいの40km/hから50km/hあたりで走るときには少しギクシャクしますが、ちょっとハイペースになればスムーズでした。

 走っていくと、窓を閉めていればキャビンの中は意外と静粛性が保たれています。リムジンのように静か、という意味ではないのですが、レーシングカーの爆音のなかに座っている感じは一切ありません。うるさくなく楽しめる範囲のエンジン音が、ちょうど良いと感じました。またアクセルペダルのゲインはさほど高くなく、ハイパワーモデルとは思えない扱いやすさです。

 ハンドリングという名目で、セッティングをチョイスできるのも特徴です。サスペンションのダンパー減衰力が可変式で、コンフォートとスポーツを選択できます。さらにパワートレインもコンフォート、スポーツを選べるようになっています。

 履いているタイヤはピレリPゼロ(PNCS=ピレリ・ノイズ・キャンセラー・システム付き)で、「MC」マークが入っていました。これはマクラーレン承認タイヤを示すマークです。フロントが225/35ZR20(90Y)XL、リアが295/30ZR21(102Y)XLというサイズでした。

 地を這うように低い位置に乗り、サスペンションも硬そうだなと思って乗ったら、意外に乗り心地が良かったのには驚きました。コンフォートを選んだこともありますが、さすがグランドツーリングを意味するGTというネーミングを受けたクルマだけあると感じました。

マクラーレン「GT」マクラーレン「GT」

McLaren GT
マクラーレンGT

・車両価格(消費税込):2695万円
・全長:4685mm
・全幅:1925mm
・全高:1215mm(リフト時1234mm)
・ホイールベース:2675mm
・車両重量:1530kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:3994cc
・駆動方式:MR
・変速機:7速SSG(DCT)
・エンジン最高出力:620ps/7500rpm
・エンジン最大トルク:630Nm/5500-6500rpm
・タイヤサイズ:前225/35R20、後295/30R21

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