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「カローラクロス」に「ワゴンRスマイル」も! 人気車の名前を冠した派生車が登場する理由

くるまのニュース / 2021年9月15日 7時10分

最近、「カローラクロス」や「ワゴンRスマイル」など、さまざまな派生モデルが登場しています。まったく新しい名前ではなく、既存の車種の名前を使っているのはなぜなのでしょうか。

■人気車の派生車が続々登場! なぜ?

 最近発売されたクルマの車名を見ると、トヨタ「カローラクロス」やスズキ「ワゴンRスマイル」、日産「ノートオーラ」など、既存のネーミングを冠した派生モデルが目立ちます。

 カローラクロスもSUVですから、セダンの「カローラ」やワゴンの「ツーリング」とは、デザインも機能も異なります。

 ワゴンRスマイルは「ワゴンR」とエンジンやプラットフォームは共通ですが、内外装のデザインは異なり、一般的にいえば別のクルマです。

 それなのにカローラやワゴンRといった車名を頭に付けるのはなぜでしょうか。

 カローラクロスと名付けられた理由について、トヨタは次のように説明します。

「カローラは1966年に登場した初代モデル以来、お客さまの期待や時代のニーズを超えるプラスαの思想により進化を重ねてきました。ボディタイプもニーズに応じて幅広く、セダン、ツーリング(ワゴン)、スポーツ(ハッチバック)などがあります。

 カローラクロスは、プラスαの思想とお客さまに寄り沿うカローラの使命を受け継ぎ、これからのカローラに求められる姿を追求しています。そこでSUVのスタイルを採用して、カローラの車名を与えました」

 カローラはもともと、共通のコンセプトに基づいて複数のボディを用意しており、「カローラ」の車名はいわばシリーズ名であり、カローラクロスもそこに含まれるわけです。

 ワゴンRスマイルの開発者に理由を尋ねると、以下のように返答されました。

「いまの比較的若いお客さまは、幼い頃からミニバンに親しんで育ち、スライドドアを希望する人が多いです。

 また、ワゴンRのお客さまに尋ねたところ、約40%がスライドドアを欲しいと思っていました。そこでスライドドアを備えるワゴンRスマイルを商品化したのです。

 ワゴンRに近い全高のボディにスライドドアを組み合わせたので、ワゴンRの車名を付けました」

 ワゴンRスマイルも「人気の高いスライドドアを装着したワゴンR」というコンセプトなので、それを車名でも表現しました。

 そして既存の車名を頭に加える理由として、大量に販売する狙いもあります。カローラやワゴンRは知名度が高く、カローラクロスやワゴンRスマイルと名乗ればユーザーにも親しみやすいです。

 クルマのコンセプトが大幅に異なる場合は逆効果ですが、そうでなければ販売面でも有利です。そのために不人気車の車名を頭に加えることはありません。

 そしてしばらく販売して市場に定着すると、頭の車名の表現を弱めることもあります。

 例えばスズキ「アルトラパン」の場合、初代モデルは「アルト」を相応に強調しましたが、いまでは「ラパン」と表記することも多いです。

 ホームページに掲載される外観写真の車名プレートには、「Lapin」の上に小さく「ALTO」と記されています。

 また日産「シルフィ」は、先代型までは「ブルーバードシルフィ」でしたが、現行型ではシルフィをはずしました。

 ホンダ「シャトル」も、以前は「フィットシャトル」でした。独り立ちをしてフィットの車名がはずれたといえるでしょう。

■新型車の登録台数や届け出台数にも影響あり?

 それからもうひとつ、既存の車名を頭に加える理由として、日本自動車販売協会連合会や全国軽自動車協会連合会が公表する登録台数(軽自動車は届け出台数)のデータを増やせる事情もあります。

 現在の国内販売1位はトヨタ「ヤリス」とされますが、この台数は、コンパクトカーのヤリスとコンパクトSUVの「ヤリスクロス」、スポーツ4WDの「GRヤリス」を合計したシリーズ全体の数字です。

ヤリス(左)とヤリスクロス(右)ヤリス(左)とヤリスクロス(右)

 2021年8月の場合、ヤリスの登録台数は1万8476台で、2位は1万3229台のホンダ「N-BOX」、3位は1万347台のトヨタ「ルーミー」でした。

 しかしヤリスはハッチバックボディのコンパクトカー、ヤリスクロスはSUVなので、一般的にはまったく違うクルマです。

 ヤリスの登録台数をボディタイプ別に算出すると、2021年8月はヤリスが7680台、ヤリスクロスは1万310台で、残りの約490台がGRヤリスでした。

 そうなるとボディタイプ別の販売ランキングは、1位:N-BOX(1万3229台)、2位:ルーミー(1万347台)、3位:ヤリスクロス(1万310台)、4位:トヨタ「アクア」(9442台)、5位:スズキ「スペーシア」(9300台)、6位:ダイハツ「タント」(8214台)、7位:ヤリス(7680台)です。

 このようにヤリスとヤリスクロスを別々に算出すると、国内新車販売ランキングの順位は3位と7位ですが、合計すれば1位です。

 車名はヤリスとして表記されるので、実際には登録台数の多いヤリスクロスが表に出ませんが、販売1位になると「ヤリス」としてのインパクトは強まります。

 最近になって登場した前述の車種も同様で、カローラクロスの登場により、カローラの登録台数も上乗せされ、ワゴンRスマイルが加わるとワゴンRの届け出台数は増えます。

 このような事情があるため、販売ランキングをチェックするときには少し注意が必要です。

※ ※ ※

 結局のところ、人気車にあやかった派生車が登場する本当の理由は、クルマをたくさん売るためです。

 メーカーは車種の性格に応じて、まったく新しい車名にするのか、既存の車名を付けるのかを判断しているというワケなのです。

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