第二世代「スカイラインGT-R」は無敵だった! 戦いを挑んだ高性能なライバル車たち
くるまのニュース / 2021年9月20日 11時10分
日産の高性能車「スカイラインGT-R」の第二世代期、日産以外の各社も同車を追撃する高性能モデルを多数登場させました。今回は、GT-Rを追撃したライバル車のうち、代表的なモデルを3台紹介します。
■無敵の強さを誇った第二世代GT-R
日産を代表するモデルである「スカイライン」は、約60年もの長い間、進化を続けてきました。
同車には通常仕様に加えて、レースに出場するためのベースグレードとして、「GT-R」というグレードが設定されていました。
第一世代のGT-Rは1969年から1973年の間、通称「ハコスカ」と「ケンメリ」に設定され、S20型直列6気筒DOHCエンジンを搭載。
その後、GT-Rグレードは排出ガス規制強化のために休止されていましたが、1989年、R32型スカイラインにRB26DETTエンジンを搭載して復活しました。
RB26DETTエンジンは、当時のグループAレース用に設計されたエンジンで、高回転高出力が特徴。市販版でも当時の自主規制枠上限の280馬力を発揮します。
R32型GT-Rは、グループAにおいて他車をことごとく駆逐し、ライバル不在となるほどの強さを見せました。
その後も、1995年にR33型、1999年にはR34型にもRB26DETTエンジン搭載車が設定され、2002年まで生産されました。
R32からR34までのRB26DETTエンジンを搭載するGT-Rを総称して、「第二世代GT-R」と呼ぶことがあります。
第二世代のGT-Rは、当初こそ他車を寄せ付けない高性能ぶりを発揮しましたが、次々と登場するライバル車に対して何とか逃げ切ったとしかいえません。
当時は2リッターターボエンジンを搭載したフルタイム4WDモデルが多数登場。それらのモデルはスカイラインGT-Rよりも下のクラスでしたが、走行性能では同車を脅かす存在になっていました。
今回は、無敵の強さを誇った第二世代GT-Rに対し、戦いを挑んだライバル車のうち3車を紹介します。
●トヨタ「スープラ」(A70型)
A70型のトヨタ「スープラ」は、R32型スカイラインが登場する前の1986年2月に登場していました。
ハイパワー版は3リッター直列6気筒ターボエンジン(7M-GTEU型)を搭載し、230馬力/5600rpm、33.0kgf・m/4400rpmを誇りましたが、当初はAT専用モデルでした。
そのためデートカーの性格が強かったのですが、マイナーチェンジごとにスポーツ性能を強化していきます。
1987年1月には5速MT車を追加、1988年8月にはエンジンを240馬力にパワーアップ、さらに270馬力を発揮するレース用モデルの「3.0GTターボA」を限定販売します。
1990年8月には、エンジンを2.5リッター直列6気筒ツインターボエンジン(1JZ-GTE型)に換装。280馬力/6200rpm、37.0kgf・m/4800rpmとR32型に並ぶ性能を得たうえ、サスペンションにもビルシュタイン社製ショックアブソーバーを採用します。
A70型は、モデルライフ中にR32型の影響を強く受け、大きく性格を変えていったモデルでした。
そして1993年5月、A80型にフルモデルチェンジします。
ハイパワー版エンジンを3リッターDOHCシーケンシャルツインターボエンジン(2JZ-GTE型)に変更、性能は280馬力/5600rpm、44.0kgf・m/3600rpmに向上し、ゲトラグ社製の6速MTを採用しました。
1994年8月にはホイールを17インチ化してブレーキを大型化、1997年8月にはエンジンを連続可変バルブタイミング化し、最大トルクを46.0kgf・mにアップしました。
その後A80型は改良の動きが停止し、2002年にR34とともに生産を終了しました。
4WDを採用したGT-Rに対して、終始FRにこだわったスープラは、今もそのコンセプトを継承しています。
■三菱・ホンダにおけるGT-Rのライバルは?
●三菱「GTO」
三菱「GTO」は、セダンの「ディアマンテ」をベースにして、1990年10月に登場しました。
6G72型3リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンと自然吸気エンジンを搭載していますが、なかでもツインターボエンジンは最高出力280馬力/6000rpm、最大トルクは42.5kgf・m/2500rpmを発揮し、フルタイム4WDと4WSのシャシで受け止めています。
三菱「GTO」(初期型)
一見ミッドシップのようなボディは、全長4555mm、全幅1840mm、全高1285mm、車重1700kgと、当時の国産車では異例の迫力でした。
GTOもマイナーチェンジごとに走行性能を強化していきます。
1993年8月にはツインターボエンジン車のMTを6速化、1994年8月には軽量化モデルの「MR」を追加、オプションでAPロッキード社製6ポッドフロントブレーキと、リヤデフにハイブリッドLSDを設定しています。
1996年8月には国産車初の18インチホイールを設定するのですが、2000年7月に生産を終了しました。
GTOは強力なエンジンでR32に迫る高性能を発揮しましたが、GT-Rの実質的なライバルはより戦闘力が高く販売も好調なランサーエボリューションシリーズになっていきました。
しかし、GTOは強力なターボパワーと高度な電子制御の先駆者であり、ランサーエボリューションシリーズの祖先の一台として称賛に値する車だといえるのではないでしょうか。
●ホンダ「NSX」(初代)
1990年9月に登場しホンダ「NSX」は、電子制御に過剰に頼らずに高性能を実現。GT-RやGTOとは性格が異なるクルマといえるでしょう。
エンジンはNSX専用の3リッターV型6気筒DOHC VTEC(C30A型)で、自然吸気ながらMTモデルは280馬力/7300rpm、30kgf・m/5400rpmを発揮しました。
ボディはオールアルミ製として軽量化するとともに、エンジンを横置きミッドシップマウントして理想的な重量配分による高度な操縦性を実現しています。
1992年11月には走りに特化したグレードの「タイプR」を追加し、その後約3年間設定されます。
1997年にはMTモデルのエンジンを3.2リッターに拡大し、ギヤも6速化。1997年には高性能と快適装備をバランスした「タイプS」、2002年には新タイプRを追加しました。
この頃にはR34、スープラともなく、NSXは孤高の存在となり、2005年7月に生産を終了しました。
第二世代GT-Rの全モデルに対して、NSXはモデル一代で対抗しています。
ホンダはエンジン性能向上やタイプR追加などで常にNSXの戦闘力を強化し、GT-Rとは異なる魅力を保ち続けたといえます。
※ ※ ※
よきライバルの存在はクルマを進化させるだけでなく、市場を活性化させます。
今回のクルマたちもスカイラインGT-Rに影響を受けて進化し、追い付かれたスカイラインGT-Rは再び進化する、という良い影響を受けていました。
いままた、トヨタ「GR86」/スバル「BRZ」がフルモデルチェンジを受けたり、日産新型「Z」(日本名:フェアレディZ)が発表されたりしていますが、それぞれのクルマにライバルが登場し、市場が活性化してくれることを祈るばかりです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日産「和製スーパーカー」実車公開! まさかの「スカイラインなR34仕様」も用意の2024モデル! もうすぐファイナルな「GT-R」NYに登場
くるまのニュース / 2024年4月11日 21時10分
-
約3500万円! 日産が新型「GT-R NISMO」実車公開! 新デザイン採用で「圧倒的存在感」の“最強仕様”! 進化し続ける「究極モデル」NYに展示
くるまのニュース / 2024年4月9日 20時10分
-
日産が「最後のGT-R」発売! “R35型”もついに終了へ… 次期「R36 GT-R」にも期待高まる! 日産公式サイトで歴代「GT-Rサウンド」を公開!
くるまのニュース / 2024年4月8日 16時10分
-
三菱「GTO」謎多きスーパースポーツ誕生の必然 もう生まれないバブルに咲いた真っ赤な大輪
東洋経済オンライン / 2024年3月30日 12時30分
-
日産が「最後のR35 GT-R」を発表! 17年の歴史に幕… そもそも「GT-R」は何がスゴかった? 「55年間」の歴史とは
くるまのニュース / 2024年3月29日 16時10分
ランキング
-
1平均月23万円だが…〈初給与〉に心躍る大卒新入社員〈給与明細〉を見て愕然「天引き額が多すぎる!」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月25日 7時15分
-
2初期から老眼鏡をかけっぱなしにすると「老眼」が早く進む【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月25日 9時26分
-
3「健康食品は健康に悪い」という不都合な事実…紅麹サプリ問題で明確になった健康食品の恐ろしいリスク
プレジデントオンライン / 2024年4月25日 9時15分
-
4ビジネスシーンでの「方言」どう思う? 「標準語にすべき」「方言でも問題ない」意見真っ二つ! マナーコンサルタントの見解は
オトナンサー / 2024年4月25日 7時10分
-
5「いつまでも結婚できない40代男性」の勘違い…高年収でも女性から選ばれない“深刻な原因”
日刊SPA! / 2024年4月25日 11時11分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください