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渋滞の先頭合流は「ズルじゃない」 大多数が勘違い? 円滑な「ファスナー合流」が推奨される理由

くるまのニュース / 2021年10月5日 9時10分

高速道路などでの合流時に加速車線の先頭まで行ってから合流する行為に対して「ズルい」「図々しい」といった声があります。しかし、この行為は推奨される合流方法でした。

■合流地点でスムーズに合流する方法とは?

 休日や連休などでは、高速道路など多くの場所で交通量の増加に伴う混雑が見られます。
 
 とくに、インターチェンジ(IC)やサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)から高速道路本線に合流する場所は渋滞が発生しやすいポイントといえます。
 
 そうしたなかで、本線に合流する加速車線の先頭まで行って合流するドライバーに対して「ズルい」「図々しい」と思ってしまうドライバーも多いといいますが、これはNEXCOなどが推奨している行為です。

 高速道路を走行する場合、運転に慣れていないドライバーが苦手とするのが合流です。

 本線が適度な速度で流れていれば問題はないですが、渋滞時はどのタイミングで合流すべきかを迷うユーザーも多いといいます。

 高速道路における合流については基本的に本線が優先とされており、道路交通法第75条の6では、次のように定められています。

「本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る。)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない」

 この条文を要約すると、これから本線に合流するクルマは、本線上を走行するクルマの進行を邪魔してはいけないということになります。

 しかしほとんどの場合、加速車線は最終的に無くなるため、適切なタイミングで本線に合流しなければいけません。

 そうしたなかで、渋滞時には本線を優先してばかりではいつまでも合流ができず、加速車線まで渋滞してしまう可能性があります。

 では、渋滞時にICやSA/PAから加速車線を走行してきたクルマは、どのタイミングで合流するのが最適な方法なのでしょうか。

 NEXCO中日本などでは、加速車線の先頭で1台ずつ交互に合流する方法を推奨しており、「ファスナー合流」や「ジッパー合流」と呼ばれています。

 これをおこなうことでスムーズな流れをキープできるといいますが、実際に渋滞緩和にはどれくらい影響があるのでしょうか。

 前出のNEXCO中日本の名古屋支社では、2019年11月から「ファスナー合流」による渋滞対策をおこなった結果を公表しています。

 元々、対策区間では、東京方面へ向かう「名神高速道路(上り線)」の一宮JCTにて、「東海北陸自動車道」から合流する車両が加速車線のいたるところから名神高速道路に合流するための渋滞が発生していました。

 そこで、合流する箇所にあるラバーポールを100mから加速車線の先頭方向までの360mまで延伸し、1台ずつ交互に合流するファスナー合流を促したことで、交通の流れが良くなったことが分かっています。

 これにより、渋滞区間の平均通過時間も3分ほど短縮、そのほか渋滞件数や交通量についても減少しました。

 また、名古屋高速でも「ジッパー合流」という呼び名でSNSやホームページなどで積極的に呼びかけており、名古屋高速の広報担当者は「弊社では、渋滞が起きた際にスムーズな合流ができるように交互に合流するように呼びかけています」と話しています。

※ ※ ※

 このほか、名古屋高速では利用者から愛知県名古屋市にある「3号大高線上り」にある「笠寺入り口」から本線への合流について、以下のような声が挙がっていたといいます。

「合流する車線で走行速度の速い車線に合流する際に危険を感じるから安全対策をおこなってほしい」

 こうした声をうけ、加速車線の先端での合流を促す矢印の追加や、本線左側車線に直進を促す矢印の追加、入り口登坂部に「加速・合流注意」という路面標示の追加を実施しました。

 この結果、前述の名古屋高速の担当者は「実験などで明確なデータとしての結果は出していませんが、以前に比べて効果があったと思います」と話しています。

※ ※ ※

 SNSでは、「安全性、合理性も含めて推奨されるべき」「早く定着してほしい」という声も多く見られているなか、「ジッパー合流今更はじめて知った」「今まで知らなかった」といった声も見られており、まだこうした合流方法について認知をしていないドライバーもいるようです。

 この合流方法は、あくまで渋滞しているときに有効な渋滞方法であるといえますが、取り入れることでよりスムーズな合流ができ、高速道路に加え一般道などでの合流する際も有効的な方法です。

 また、周りのクルマも含め全体でこの動きをおこなうことで渋滞緩和にもつながるため、積極的に取り入れていくのが良いでしょう。

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