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普及率はまだ1割未満! 「ETC2.0」って普通のETCとどう違う?買い換えるメリットとは

くるまのニュース / 2021年10月24日 14時10分

すでにほとんどのクルマで使われているのがETCです。ただし「ETC2.0」になると全体の1割ほどで、まだ普及していないのが現状です。そもそもETC2.0とはなんでしょうか。そしてどんなメリットがあるのでしょうか。

■ETC2.0なしでは交通情報を受信できなくなる可能性も

 高速道路などの通行料金を電子的に支払うシステムが「ETC(エレクトロニック・トール・コレクション)」です。

 日本では2001年に一般利用が開始され、国土交通省の資料によれば、昨年2020年末までの総セットアップ件数(累計件数)は1億台を突破。利用率も、昨年末の統計では93%を超えるまでになりました。

 もはや高速道路の通行料金は、ほとんどがETCで決済されているといえるでしょう。

 しかし、これを「ETC2.0」だけに限ると、総セットアップ数は753万台程度。つまり全体の1割にも達していません。この差にはどんな理由があるのでしょうか。

 まずETC2.0とはなんなのでしょうか。

 それは、ひとことで言えば「ETCの進化版」です。2010年に「ITSスポットサービス」として登場し、2014年より現名称に変更されて、いまに至ります。

 最大の特徴は、ETCが料金決済の単機能しか持たないのに対し、ETC2.0は「大容量かつ高速双方向通信」機能を備え、基本スペックでETCよりも多彩なサービスが受けられるようになっていることです。

 それだけに、機器単体の価格がETCよりも割高です。

 たとえばETCなら量販店などで1万円以下で買えますが、ETC2.0だと最低でも2万円はかかります。これが自動車メーカーの純正品ともなれば、その差はさらに開きます。料金決済の便利さだけを求めるのであれば、この負担は決して小さくありません。

 では、2倍近い車載器の価格差があることを乗り越えてまでETC2.0を選ぶメリットはあるのでしょうか。

 結論からいえば、高速道路をよく利用する人ならETC2.0をお勧めできます。

 そのいちばんの理由は、今後高速道路走行中の道路交通情報を得るにはこれが必須となるからです。

 これまで高速道路の交通情報は、VICSによる電波ビーコンで提供されてきましたが、国土交通省は今後、これをETC2.0による提供する方法に切り替える方針です。

 国土交通省では、以前よりETC2.0を使った「スマートウェイ」構想を掲げています。これまで車載器をバラバラで使い、VICSやETCなどのサービス提供を受けてきましたが、これらを一台の車載器にまとめて対応できるようにすることを狙っているのです

 その背景としては、これまで整備してきた電波ビーコンの経年劣化が進んできていることがあります。

 VICSが提供されはじめたのが1996年。それから機材の更新はおこなわれてきましたが、国土交通省としてはより大容量通信がおこなえるETC2.0へ切り替えていく方針で、すでにITSスポットは全国約1700か所に整備済み。ここまま行けば近い将来、ETC2.0なしでは交通情報が受信できなくなる可能性が高いのです。

■2022年にはいまのETC車載器が使えなくなる!?

 ETC2.0には、じつは料金的なメリットもあります。関東圏にある圏央道では、ETC2.0で決済すると、クレジットカード会社から請求される段階で割り引かれるのです。圏央道をよく利用する人なら、ETC2.0は間違いなくお得になるといってよさそうです。

ETC2.0車載器を搭載していれば、指定の道の駅を利用する場合、再び高速道路に戻ってもターミナルチャージが徴収されないETC2.0車載器を搭載していれば、指定の道の駅を利用する場合、再び高速道路に戻ってもターミナルチャージが徴収されない

 また、指定の道の駅を利用する場合は、高速道路を降りて再び高速道路に戻ってもターミナルチャージが徴収されないことも見逃せません。

 高速道路料金は、利用距離に応じた料金以外に、料金所を通過するたびに1回あたり150円のターミナルチャージが加算されます、このサービスを利用することで、これが加算されずに済むのです。

 もちろん、その途中で高速道路外の料金の安いガソリンスタンドや、道の駅以外のお店に立ち寄っても構いません。全国の高速道路には25km以上SA/PAがない区間が100か所ほどあり、このサービスはそうした区間を走行する際にも役立ちます。

※ ※ ※

 これは直接ETC2.0とは関係ありませんが、ETCには「2022年問題」と呼ばれる問題があります。これは電波法の改正により、2022年12月1日以降、一部のETC車載器が使用できなくなることを指します。

 ETCのような無線設備には、混信を防ぐために、必要周波数帯の周辺部に不要電波が発射されている(スプリアスと呼ばれる)のですが、この規格が改正されたことで、ETC車載機も対応しなければならなくなりました。

 ただ、日本では2005年12月1日から新たな許容値が適用されており、それに対応していないETCは、2007年ごろまで販売されていた機種のみです。その意味で、2010年以降に販売されたETC2.0は、安心して使えるというわけです。

 それとETCには「2030年問題」もあります。それは不正利用を目的に、セキュリティ規格を変更するという話です。

 国土交通省などは「具体的な規格変更時期は現時点では未定だが、遅くとも2030年頃には変更する予定」との発表をおこなっています。まだ間があるとはいえ、これには相当数のETCが該当するものとみられ、これによっていま使用しているETC機器が使えなくなるとなれば、社会的にも大きな問題となるはずです。

 ただ、これもETC2.0はほぼ対応済み。カード挿入口に「●●●」という三つの印があるはずです(初期のDSRC車載機除く)。

 こうした状況からして、ETC2.0を選ぶメリットは十分にあるということが理解していただけるでしょう。

 とはいえ、いま使えているETCを、ETC2.0に取り替える必要まではないと思います。あくまでクルマを入れ替えるとか、ETCを新たに装着する機会があるのであれば、筆者はETC2.0をお勧めする、ということです。

 カーナビを装着し、遠くまでドライブする機会があるなら、交通情報が連携できるETC2.0を選ぶべきでしょう。ただ、近所しか走らず、高速道路はまれにしか利用しないならば、いまのままのETCでもいいかもしれません。そうした利用状況を踏まえた上で、どちらが最適なのかを考えて選んでほしいと思います。

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