高性能車って見た目もイイ! 1990年代デビューのスタイリッシュなターボセダン3選
くるまのニュース / 2021年10月22日 6時10分
2000年代になって急激にラインナップが減少してしまったセダンですが、1990年代までは一定の人気をキープしていました。そのため、高性能なモデルも数多く誕生。そこで、1990年代にデビューしたターボエンジンのスタイリッシュセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
■1990年代に登場したイケてる高性能セダンを振り返る
近年、セダンはニーズの低下とともに、各メーカーともラインナップが減少してしまいました。一方、昭和の時代には、セダンはファミリーカーやパーソナルカーの代表であり、平成になると新世代の高級モデルや高性能モデルが次々に登場し、まさに隆盛を極めていました。
スペース効率という点でセダンはミニバンやSUVに敵いませんが、ドライビングプレジャーという点ではセダンに大きなアドバンテージがあります。
優れた走りの国産セダンはこれまで数多く輩出されてきましたが、とくに注目したいのが1990年代にデビューしたモデルで、高性能なターボエンジンを搭載し、さらにスタイリッシュなデザインのモデルが存在しました。
そこで、1990年代にデビューしたハイパフォーマンスで見た目にイケてるセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「アリスト」
暴力的な加速で多くのユーザーを魅了した初代「アリスト」
トヨタは1989年に、次世代のラグジュアリーカーとして初代「セルシオ」を発売しました。「クラウン」と「センチュリー」の間に位置するセダンで、パーソナルカーとしてはトヨタの最高峰のモデルとなり、好景気を背景にたちまちヒット作となりました。
そして1991年には次の一手として、それまでとはベクトルの異なる高級セダンである初代「アリスト」が登場。
アリストは当時の「クラウン マジェスタ」と主要なコンポーネンツを共有するかたちで開発され、外観はロー&ワイドでスタイリッシュなクーペフォルムを採用したことが特徴です。
このデザインの原案を手掛けたのは、巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが主宰するイタルデザインで、プロトタイプをベースにトヨタ社内でブラッシュアップし、市販モデルが完成したといいます。
さらに、アリスト最大の特徴はエンジンで、トップグレードの「3.0V」には最高出力280馬力を誇る3リッター直列6気筒ツインターボの「2JZ-GTE型」を搭載。
また、足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、電子制御サスペンションの「ピエゾTEMS」やトルセンLSDを設定するなど、優れた乗り心地だけでなくコーナリング性能も追求されました。
1992年にはセルシオと同型の4リッターV型8気筒自然吸気エンジンを搭載した4WDモデル「4.0Zi-Four」が追加されましたが、アリストのキャラクターを印象付けたのはツインターボエンジンによる圧倒的な加速力であり、3.0Vの人気は不動でした。
その後、1997年に2代目にスイッチされましたが、外観デザインや動力性能など、初代からキープコンセプトとされました。
●スバル「レガシィ B4」
スタイリングも性能も格段に洗練された「レガシィ B4 RSK」
1989年に、スバル初代「レガシィ」が誕生。高性能なエンジンとフルタイム4WDシステムを組み合わせたモデルはそれまでにも存在しましたが、「ツーリングワゴン」の設定や、優れたスタイリング、走行性能の高さを積極的にアピールしたことでヒット作となりました。
その後代を重ね、1998年に発売された3代目レガシィは、初代、2代目に続き5ナンバーサイズのスリムなボディで登場。一方で、初代、2代目の薄型ヘッドライトから上下2灯式の大型ヘッドライトとしたことで、フロントフェイスのイメージの刷新がおこなわれました。
3代目では全車4WDとなると同時に、セダンは車名を「レガシィ B4」に変更。さらにグレード構成は自然吸気エンジンの「RS」とターボエンジンの「RSK」と、ともにスポーティモデルに特化。
RSKには2代目から継承された2リッター水平対向4気筒2ステージツインターボの「EJ20型」が搭載され、最高出力は280馬力を誇りました。
1999年には、RSKをベースに「ポルシェデザイン」が開発したエアロパーツなどが装着された「ブリッツェン」が登場。2002年にはSTIが開発したコンプリートカーで、293馬力を発揮するエンジンに6速MTが組み合わされた「S401 STiバージョン」が400台限定で発売されました。
これらの高性能モデルとは異なるアプローチで、2002年に特別仕様車「B4 RSK Sエディション」や、3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載する「RS30」が登場するなど、バラエティに富んだ高性能モデルが登場し、3代目は後のレガシィシリーズの方向性を確立したモデルといえます。
●日産「スカイライン 25GTターボ」
伝統的な「スカイライン」の系譜で最終進化形モデルの「25GTターボ」
日産「スカイライン」はこれまで60年以上もの歴史があり、現行モデルが13代目にあたります。
とくに注目されているのが歴代の「スカイラインGT-R」シリーズですが、スタンダードなスカイラインにも魅力的なモデルがあり、なかでも1998年に発売された10代目の「R34型」は、直列6気筒エンジン搭載モデルの最終進化形として今も高い人気を誇っています。
このR34型のFR(2WD)モデルでは、最高峰に位置する「25GTターボ」がラインナップされていました。
ボディは4ドアセダンと2ドアクーペの両方に設定され、エンジンは2.5リッター直列6気筒DOHCターボの「RB25DET型」を搭載。最高出力はスカイラインGT-R以外ではシリーズ初となる、280馬力を発揮しました。
トランスミッションは5速MTと4速ATが設定され、駆動方式は前述のとおりFRのみです。
その後、2001年にR34型は生産を終了して、11代目となる「V35型」へとバトンタッチ。以降はV型北米市場を見据えたラグジュアリー志向の強いモデルとなったこともあり、
その後、2001年にR34型は生産を終了して11代目の「V35型」へとバトンタッチすると同時に、直列6気筒エンジンは廃止されV型6気筒エンジンを主力とし、北米市場を見据えたラグジュアリー志向の強いモデルとなりました。
25GTターボは直列6気筒エンジンのFRというスカイラインの伝統的な系譜のなかで、名実ともに頂点を極めたモデルだったといえるでしょう。
※ ※ ※
セダン全盛期だった1990年代には、今回紹介した3台以外にも魅力的なモデルが多数存在しました。
なかでも1.6リッターエンジンを搭載した高性能小型セダンは若い世代からも人気となって、各メーカーがラインナップしていました。
しかし、ニーズの変化からこのクラスのモデルはほとんど淘汰されてしまい、現行ではわずかな車種が生き残っている状況で、今後、国内市場でセダンの復活は残念ながら難しいといわざるを得ません。
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