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iPhone製造メーカーが新型車をなぜ発表? 「ミスターGT-R」が関わった会社が販売手掛ける!

くるまのニュース / 2021年10月26日 10時10分

iPhoneの生産を請け負う台湾のフォックスコンは新しいEVを発表しました。なぜiPhoneからEVへと異なる事業を展開するのでしょうか。

■アイフォンのノウハウも入っているかも? フォックストロンとは

 2021年10月18日、台湾の電子機器製造大手のフォックスコン(Foxconn)を展開する鴻海科技集団は「Hon Hai Tech Day 2021ホンハイ・テックデー」(HHTD21)に出展。
 
 そこで同社のEVブランド「フォックストロン(Foxtron)」から3種類のプロトタイプEVを発表しました。

 2020年3月にフォックスコンは台湾最大の自動車メーカー「裕隆汽車」(Yulon、ユーロン)と合弁事業を締結、同年11月に「フォックストロン」としてブランドが設立されています。

 フォックスコンは、1974年に郭台銘(テリー・ゴウ)によって設立された電子部品メーカーを発端とする台湾企業です。

 現在は、アップル、デル、グーグル、レノボ、ソニー、マイクロソフト、任天堂などが設計した製品の生産を請け負う製造会社として有名です。

 そうしたなかで、フォックスコンはHHTD21の中でEVブランド「フォックストロン」を発表し「モデルC」「モデルE」「モデルT」と命名された3種類のプロトタイプEVを公開しました。

 それぞれクロスオーバー型EV、セダン型EV、そしてEVバスとなります。

 そのうち、モデルCとモデルEはフォックスコンが独自で開発したEVプラットフォーム「MIHプラットフォーム」を共用しており、同社はこのプラットフォームをグーグルが開発したスマートフォンOS「アンドロイド」のようにオープンソースとし、ほかのEVベンチャーにも提供しようと考えているようです。

 また、プラットフォームのみならず、モーターやバッテリーなどの主要コンポーネンツも自社製造を目指しており、とくにバッテリー分野では「全固体電池」を2024年までに商用化することを目標としています。

 全個体電池とは、現在主流となっているリチウムイオン電池の電解液(電解質)を固体化し、重量と体積の両面でエネルギー密度を2倍以上に高めた未来の電池です。安全性や耐久性も大幅に向上することが期待されており、次世代EVの命運を左右する重要な役割を担っています。

 モデルCは、7人乗りのクロスオーバーで、0-100km/h加速は3.8秒としています。

 そしてイタリアのピニンファリーナがデザインを監修した「モデルE」は出力560kW(750hp)、0-100km/加速を2.8秒というセダンです。航続距離はどちらも700km超えと公表されています。

 なかでも注目すべきはEVバスの「モデルT」です。このバスは航続距離400キロを誇りますが、すでに台湾はもちろん、アメリカ合衆国のバスに関する安全基準を満たした設計であるという点です。

 2022年には「モデルT」の生産を開始し、台湾の主要都市などにて使用される計画も明らかにされています。

 フォックスコンは今回の件のみならず、かねてから自動車産業への参入を目論んできました。

 2021年のはじめには中国のEVベンチャー「バイトン」への出資をおこないました(残念ながらバイトンは9月に倒産)。

 さらに中国の自動車メーカー「ジーリー」との合弁企業設立や、アメリカ合衆国・オハイオ州にある元ゼネラルモーターズの工場を買い上げるなど、準備は着々と進められていました。

■販売を手掛ける裕隆汽車は「ミスターGT-R」と関わりがあった?

 今回のパートナーを務める裕隆汽車は、日産や三菱の台湾でのパートナーとしても有名であり、長年に渡って台湾での日産車の生産や販売を担当してことでも知られています。

 また、2008年には台湾初の高級車ブランド「ラクスジェン」(Luxgen、納智捷)をスタートさせ、現在も台湾の自動車産業を率いる存在となっています。なお、ラクスジェンとは自動車メーカーの名前ではなく、ブランド名です。

 今回、発表された3モデルに関しては裕隆汽車が生産・販売を担当し、そのうち乗用車2モデルは今後ラクスジェンから登場することが示唆されています。

 ちなみに裕隆汽車は中国市場でも展開しています。中国の自動車メーカー、東風汽車と合弁企業「東風裕隆」を2010年に設立し、それ以来、中国でのラクスジェン車の製造・販売をおこなってきました。

 しかしながら、2020年に販売低迷を理由に中国市場からの撤退を発表。大陸での存在感を発揮できなかった背景もあるのでしょう。

 同じ台湾の同胞であるフォックスコンと連携することで、巻き返しを狙っていこうという思惑があるようです。

 なお、台湾の高級車市場を牽引するラクスジェンですが、実はもうひとつの部分で日本と深い関わりがあります。

「ミスターGT-R」としても有名な元日産のエンジニア、水野和敏氏が開発に関わっていたのです。

「ミスターGT-R」といわれる水野氏はR35 GT-Rの開発責任者だった「ミスターGT-R」といわれる水野氏はR35 GT-Rの開発責任者だった

 水野氏は2014年、裕隆汽車グループ傘下の華創車電に副社長として就任し、同時に同社日本法人の代表取締役にも就任しました。

 2019年11月に退任されましたが、在任中はラクスジェンのスポーツモデルに開発責任者として関わっており、日本でも大分県にあるサーキット、オートポリスなどでも開発をおこなっていました。

 また、2021年3月、フォックストロンはEV駆動システムの開発における戦略的提携に関し、総合モーターメーカー最大手の日本電産(本社:京都市)との覚書に署名しています。

 フォックストロンと日本電産は共同開発を続け、日本電産のトラクションモーターシステム「E-Axle」を搭載した製品を提供していくことを発表しています。

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