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クルマの小キズはどう直す? DIYで補修できるのはどんなキズ? 失敗しない方法とは

くるまのニュース / 2021年11月3日 14時10分

クルマのボディは気付かぬうちに細かいキズが入ってしまうことってあります。キズの程度によっては自分で補修できることもありますが、一体どのようにしたら良いのでしょうか。

■クルマをキレイにするはずの洗車が逆に細かいキズをつけることも

 新車のときにはピカピカだったボディも、いつのまにか細かなキズが付いてしまうことがあります。クルマをぶつけた覚えはないのにキズを発見すると誰しもショックを受けるでしょう。

 手に負えないような深いキズはプロに任せるのが良さそうですが、小さなキズであれば自分で補修できそうです。

 ボディに付いた小キズをDIYで目立たなくさせる方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

 まず、クルマのキズはいくつかの種類に分類されます。

「ひっかきキズ」は、爪などでひっかいたように付いた細かい線状のもので、ボディやルーフ、ドアノブ周辺などにつく細かいキズのことです。

 砂やホコリが付着した状態で無理やりクロスがけなどをすると付いてしまう、いわゆる「洗車キズ」も含まれます。

 また、こすった記憶もないけれど、無意識のうちに付いてしまうキズもあります。たとえば小枝や葉などにボディが触れてしまったり、走行中の飛び石などが当たる場合などさまざま。

 こういった細かいキズが光を受けたときに乱反射を起こし、白っぽく見えたりすることがあります。

 もう少し深刻なのが「こすりキズ」です。狭い道などでガードレールや縁石、塀などにこすってしまった場合にできる複数のすりキズのことで、その程度によっては塗装面をえぐり、下地が出てしまうこともあります。

 ボディに何かをぶつけてしまうとできるのは「へこみキズ」です。ドアの開閉時に柱や塀にぶつけてしまった、また雪の重みや雹(ひょう)などが降ってくることで、へこんでしまうこともあります。

 またコンクリートなどの硬いものにぶつけてしまうと、塗装面にもキズが入ることも多く、キズとしてはもっとも深刻な部類になります。

 自分である程度の補修できるキズは、「ひっかきキズ」や「こすりキズ」まででしょう。「へこみキズ」は特殊な工具が必要で工程も複雑なので、プロに任せたほうが仕上がりもキレイです。

 そんな細かいキズへの対処法を、都内の整備工場に勤務する現役整備士のT氏に聞いてみました。

 まずT整備士いわく、市販されている補修剤は「キズ消し」ではなく「キズを目立たなくさせる」ためのものだといいます。人間の目には判別しにくいように周囲の塗装面を薄く削り(または埋めて)周囲との差を減らすことで、キズを目立たなくするのだそうです。

「キズが目立つ原因は、キズのなかに入り込んだ汚れです。この汚れを取り除くだけでもかなりキズは目立たなくなります。まずは入念に汚れを落とすことでキズの大きさや深さを確認できるようになります」

 とはいえ、通常の洗車では入り込んだ汚れを取り除くのは至難の技です。ボディ表面には汚れだけでなく、ボディを保護しているコーティング剤やワックス、クリア塗装などが膜となっており、キズを付きにくくしています。

 こういった保護剤は油系が多く、補修にはまず表面の不純物を取り除く、いわゆる「脱脂」することで作業がしやすくなるのだとか。

「脱脂作業では、塗装面の付着物(コーティング剤なども含む)の除去が重要になります。脱脂する場合はカー用品店などでも入手可能なパーツクリーナーなどが効果的ですが、中身の石油系溶剤がボディ表面のクリア塗装を溶かしてしまう恐れもありますので、クリア塗装面を溶かしすぎないように注意しながら取り扱う必要があります。

 慣れていない人は、まずはカーシャンプーなどで十分に汚れを落としてみてください」(整備士 T氏)

 キズを目立たなくさせる方法としては、新たにコーティング剤などを使用して薄い溝を埋めてしまうか、それともコンパウンドなどの研磨剤で塗装面を均一に研磨してキズ周辺との差を減らす方法があります。どちらが便利なのでしょうか。

「市販されているガラスコーティング剤などは、この細かいキズを上手に埋めてくれるので、細かい洗車キズレベルであればコーティングしてみてください。けっこう目立たなくなっていると思います」

 まずはコーティング剤で傷が目立たなくなるかを試してみるのも良さそうですが、それでも消えないキズに関しては、その深さを確認する必要があるようです。

「キズの部分を触ってみて、引っかかりを感じるようなら塗装面や下地までの深いキズになります。また塗装面の下にある鉄板層まで見えているようなら、単なるキズ消しでは難しく、再度塗装するなどの補修作業が必要になってしまいます」(整備士 T氏)

 線状のキズであれば市販のタッチペンなどで補修することもできそうですが、じつはタッチペンは塗りムラや跡が残ってしまうことも多く、テクニックが必要な作業になります。

「我々もタッチペンを補修用塗料として使用することはありますが、フタについているブラシなどは使いません。爪楊枝などで少しずつ溝を埋めるように使うことはあります」(整備士 T氏)

■キズが上手く消えないのはコンパウンドの使い方を間違っていることが原因!?

 現代のクルマは塗装面が非常に薄く、ちょっとした接触でも傷が深くなってしまうほど実は脆いのだそうです。下地まで到達していないキズは、補修剤の定番である「コンパウンド」などを使って補修することになります。

 コンパウンドを使ったことがある人ならお分かりかと思いますが、なかなかキズが消えず、むしろ磨きキズを増やしてしまったという経験がある人もいるでしょう。

 どうも、コンパウンドの使い方や手順を間違えていることが原因のようです。

コンパウンドは使う順番に注意が必要(イメージ)コンパウンドは使う順番に注意が必要(イメージ)

 カー用品店などで手軽に購入できるコンパウンドですが、なかでも番手(細かさ)の違う3本セットを使う人が多いのではないでしょうか。

 手順としては、まず研磨力の強いコンパウンドでキズ周辺を均一にし、次に中間の細かさでさらにキズ周辺を整え、最後に仕上げ用のコンパウンドで仕上げるというものです。

 しかし、コレがなぜかうまくいかないケースが多いのですが、その理由をT整備士が教えてくれました。

「コンパウンドのなかには使う順番が番号で振られているものもありますが、いきなり粗目のコンパウンドの使用はボディにヤスリを当てているのと一緒で、周辺にキズを追加しているようなものです。それを防ぐ意味でも、まずは1番細かい仕上げ用のコンパウンドから使うのが正解なんです」

 T整備士いわく、まずは1番細かいコンパウンドでキズが消えるか試してみて、消えない場合は2番目の粗さのコンパウンドを使用、それでもダメな場合に1番研磨力の強いコンパウンドでキズ周辺を含めてキズが目立たなくなるまで研磨するといいます。

 その後、また中間のコンパウンドである程度まで滑らかにしてから、仕上げ用で表面を整えるのが正しい手順なのだそうです。

「コンパウンドは研磨剤で、いわば薄く塗装面を削るものですので、できる限り研磨する量を減らしたいです。いきなり粗目のコンパウンドを使うより、まずは仕上げ用のコンパウンドから試してみて、少しずつ粗い粒子のコンパウンドを段階的に使用するのがいいと思います」(整備士 T氏)

 ちなみにT整備士のようなプロは6から7種類もの番手(細かさ)の違うコンパウンドを使い分けているそうです。

「また、コンパウンドを使用した部分は、クリア塗装も影響を受けている状態ですので、作業後は必ずコーティングなどで表面を保護することを忘れないでください」(整備士 T氏)

※ ※ ※

 小キズを修復するグッズとして、クロスでキズの表面をさっと拭くだけという商品も存在します。手軽さが魅力ですが、少し注意が必要だとT整備士はいいます。

「フェルトのような生地に研磨剤やコーティング剤を染み込ませたものですが、キズや汚れの程度によっては目立たなくできる可能性もあります。

 しかし、そもそもどれくらいの番手(細かさ)のコンパウンドなのか、またはどんな種類のコーティング剤が使用されているのかは入念にチェックしておきたいところです。

 ただお手軽なのは間違いないので、まずトライしてみるのもいいかと思います」(整備士 T氏)

 ドアノブ周辺の細かいキズやあくまでワンポイント用としては使えそうですが、大きめのキズなどには使用するのは難しいようです。

 このあたりが自分でできる補修剤のボーダーラインなのかもしれません。

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