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まるで「プロの実力」 マツダの自動運転技術がスゴい! 他社と違う「人間中心」の考えとは

くるまのニュース / 2021年11月7日 11時10分

マツダは「人間中心」の自動運転技術「Co-Pilot Concept」に基づき開発を進めていますが、新たに実験車両「Co-Pilot Concept」の体感模様をお披露目しています。マツダが目指す「機械中心」ではない「人間中心」とはどのようなものなのでしょうか。

■マツダの目指す「自動運転」の道筋とは

 昨今、自動車業界は「電動化」と「自動運転」が重要な要素です。

 しかし、なぜかマツダはこれらに関して否定的のように思われているようです。

 口の悪い人は「世の中の流れとは逆の考え」、「頑固頭の意地っ張り」などと揶揄しますが、それは大きな間違いです。

 マツダもほかの自動車メーカーと同じように実用化に向けて研究・開発を進めているのは、中期経営計画や決算発表の場などでシッカリと語っています。

 しかし、なぜそう思われてしまうのでしょうか。筆者(山本シンヤ)は、最終的な目的は他の自動車メーカーと同じなのですが、そこに至るまでの手段や順序が異なるからだと思っています。

 今回マツダの三好試験場で高度運転支援技術を搭載した実験車両「Co-Pilot Concept」を体験して、それをより実感しました。

 Co-Pilotとは、「運転の主体はドライバーですが、その横でシステムが副操縦士のようにスタンバイしており、『必要な時』にドライバーの役を引き受けるシステム」です。

 では、必要なときとはいつなのか。

 それはドライバーが居眠りや体調の異変などで、運転が困難になったときです。

 現在、交通事故による死亡事故は年々減っていますが、その一方で発作/急病が原因による事故は増加傾向、それも95%が60km/h以下で起きているそうです。

 さらに78%のドライバーが運転中に眠気を感じているというデータもあります。

 しかし、残念なことに現状の運転支援システムではカバーすることができないため、Co-Pilot Conceptの必要性があるというわけです。

 そのため、このシステムは「誰でも(ドライバーを選ばず)」、「いつでも(特別な操作が不要)」、「どこでも(一般道でも作動)」作動します。

 今回試乗するのはマツダ3(スカイアクティブD)がベースの実験車両で、既販車のセンサー仕様に加えて、12個のカメラ(車内用1個)、高精度マップ、ロケーターECUなどを追加、それらを試作ECUで統合制御しているそうです。

 ちなみに筆者が外観をチェックしていると、12個のカメラの中のひとつ。

 フロントウィンドウ上部中央にあるカメラは、発売中のマツダ3に装着される単眼カメラではなく、量産仕様とは違う3眼カメラが付いています。

 この辺りを関係者に聞いてみると「実験車両ですから」と教えてくれましたが、収まりの良さは色々と気になるところです。

 まずは高速周回路を80km/hで走ります。

 滑らかで自然なハンドリングと路面変化に敏感な乗り心地、いつものマツダ3ですが、同乗のエンジニアが「居眠りをしてください」と。

 目をつぶると「ドライバー異常のため、安全な所まで自動で走行して停車します」というアナウンスとメーター/インパネにアラートが表示され、それと同時に車外ではクラクションが一定周期で鳴り出し、ハザードランプとブレーキランプが点滅。

 この時点ですでにシステムが運転を担当、50km/h(高速道路での最低速度)まで速度を下げ、車線内を走行しながら地図情報を元に路肩もしくは非常駐車帯に入ってクルマを停止、そして自動で緊急通報が一連の流れです。

 続いて、一般道を想定したハンドリング路を60km/hで走ります。

 三好のハンドリング路はタイトなコーナーが連続するだけでなく路面の凹凸が激しい道で、普通に走っていても運転は難しいコースです。

 続いて、同乗のエンジニアは「今度はぐったり倒れ込んでください」といいます。

 クルマを信じてシフトノブ辺りに顔を倒すと、即座にシステムが作動。停止するまでの一連の流れは高速周回路と同じですが、Rの大きなコーナーも道を外れることなく曲がるのを確認。

 地図情報から安全な路肩を選んで停止しますが、二次災害防止の観点から、交差点内での停車は避けるロジックになっているそうです。

 連続するコーナーの途中で異常があってもドライバーからシステムへの切り替えが瞬時におこなえるのはなぜでしょうか。

 実はステアリングコラム上に追加されたドライバーモニターは、異常が起きる前から監視、運転姿勢の乱れや頭部の挙動、閉眼などのパラメーターから検知して判断しているそうです。

 これに加えて、現在広島大学と共同開発しているのが「脳機能」による判定です。

 大脳の機能低下が起きると視線の特定の場所への偏り(運転時に意識するエリアではなく無意識的なエリアを見てしまう)が生じることがわかり、将来的には視線挙動から異常検知もおこなえるといいます。

■マツダの自動運転は「プロドライバー」並の実力を持つ?

 では、なぜ、このようなことができるのでしょうか。それは最後のデモ走行でわかりました。

 ステアリング右側にあるACCの「SET」を押すと、アクセル/ブレーキとステアリング操作をシステムが担当、つまり自動運転モードです。

 筆者は運転席でハンズオフかつアクセル/ブレーキも操作せずその様を見ていましたが、応答遅れはなく、操舵は滑らか、無駄なGを掛けないなど、マツダが提唱する「滑らかな走り」をシステムが再現。つまり、プロドライバーが操っているかのようなドライビングでした。

 今回は、40km/hから50km/hくらいのペースでの走行でしたが、エンジニアに聞くとその実力はテストコースの制限速度(安全速度ではなく限界速度に近い)までOKだと自身を見せます。

 これはシステムだけが優れているのではなく、システムの指示に的確に応える「基本性能」があるから可能です。

 つまり、マツダの「走る歓び」は高度運転支援へのスタートラインでもあったのです。

マツダの高度運転支援技術「Co-Pilot」でも「走る歓び」を体感出来る!?マツダの高度運転支援技術「Co-Pilot」でも「走る歓び」を体感出来る!?

 このようにシッカリとした自動運転技術を備えているからこそ、緊急時にシステムに委ねることができるのです。

 つまりマツダと他社の違いは、自動運転技術を「どのようなシーンで役立てるのか?」だけの違いで、自動運転技術の本質である「ドライバーをサポートする」という部分は何も変わりません。

 ちなみに今回の実験車両は2025年頃に市場投入を予定しているスペック(Co-PILOT2.0)に近い仕様ということですが、2022年登場予定のFRシャシを用いたラージ商品群には、その第一ステップとなる「Co-Pilot 1.0」を搭載予定。今回体感した機能の一部が盛り込まれるそうです。

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