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なぜ沖縄のガソリン価格は「7円も」安い? 本州より安価になる「ガソリン税軽減」の理由とは

くるまのニュース / 2021年11月11日 14時10分

2021年11月8日時点のレギュラーガソリン価格は全国平均169.0円となり10週連続の値上がりが続くなか、沖縄県のガソリン価格は、そのほかの都道府県よりも安価だといいます。なぜ、沖縄県のガソリン価格は安くなっているのでしょうか。

■沖縄県のガソリンが本州よりも安い!その理由は?

 ガソリン価格の高騰が続いています。石油情報センターによると、2021年11月8日時点のレギュラーガソリン価格は全国平均で169.0円となっています。
 
 そうしたなかで、沖縄県のガソリン価格は本州よりも安いことがあるといいますが、そこにはどのような理由があるのでしょうか。

2021年11月8日時点では10週連続の値上がりとなるガソリン価格だが、なぜ沖縄県は安いのか?2021年11月8日時点では10週連続の値上がりとなるガソリン価格だが、なぜ沖縄県は安いのか?

 前述のレギュラーガソリン価格の169.0円は、前週の168.7円と比べ0.3円値上がり 、10週連続の値上がりとなっています。

 ここまでの価格高騰はおよそ7年ぶりで、自動車ユーザーからは「ガソリン代馬鹿にならない…」「給料がガソリン代に消える」といった声が見られます。

 2021年11月10日現在、東京都のガソリン価格に目を向けると、杉並区のガソリンスタンドでは、レギュラー161円・ハイオク172円・軽油140円となっています。
 
 ガソリン価格は、地域によって多少前後するものですが、本土から離れた地域ではガソリンの輸送コストが多くなることから、本土よりもさらに価格が高くなることが一般的です。

 例えば、鹿児島県の屋久島では、販売店にもよりますが、レギュラーでも170円を超えるところも出てきています。

 一方、本土から約600km離れた沖縄県のガソリン価格を見てみると、那覇市のあるガソリンスタンドでは11月10日現在、レギュラー153円・ハイオク164円・軽油132円と、本土の価格に比べても安価になっています。

 ほとんどのガソリンスタンドでは、価格の設定を各販売店でおこなっているため、販売店などによっても多少値段は異なります。

 しかし、ガソリンの仕入れ価格は、全国各地でほとんど同一であるため、赤字覚悟でなければ、他店より極端に安い価格を設定することはできません。

 本土のガソリンスタンドに比べて輸送費がかかるはずの沖縄県のガソリン価格が、本土よりも安価なのはなぜなのでしょうか。

 日本エネルギー経済研究所 石油情報センターの担当者は、沖縄県のガソリン価格について以下のように説明します。

「沖縄県では、『揮発油税』が軽減されているため、ほかの地域に比べるとリッター7円ほどガソリンが安くなっています。

 実際の価格を決めるのは、あくまでも各販売店なので一概にいえませんが、揮発油税の軽減措置があるため、輸送費などを考慮しても、沖縄県のガソリン価格は比較的安い場合が多いようです」

■なぜ沖縄は税優遇させるのか? 歴史と深く関わるそのワケ

 なぜ沖縄県だけ揮発油税の軽減措置がおこなわれているのでしょうか。

 揮発油税とは、厳密にいえば「温度15度において0.8017をこえない比重を有する炭化水素油へ課せられる税金」のことで、このなかにはガソリン以外も含まれています。

 正確には灯油も含まれますが、灯油には「石油税」が別途定められているため、「揮発油税」は事実上ガソリンのための税金とされており、一般には「ガソリン税」と呼ばれることもあり、ディーゼルエンジンの燃料である軽油には軽油引取税が課せられています。

沖縄県では、なぜ軽減措置があるのか沖縄県では、なぜ軽減措置があるのか

 そんな揮発油税ですが、沖縄県だけ軽減措置があるのには、沖縄県がかつてアメリカの領土であったことが関係しています。

 沖縄県は第二次世界大戦後、アメリカの領土とされていましたが、1972年5月15日にアメリカとの沖縄返還協定が発効され、沖縄県は日本に返還されました。

 その際に、沖縄県内における裁判制度や教育、政府など、あらゆる分野にかかわる「沖縄復帰特別措置法」が定められました。

 前述した「揮発油税の軽減」は、沖縄復帰特別措置法第80条「内国消費税等に関する特例」に基づくものです。

 この第80条では「沖縄県の区域における一般消費者の生活及び産業経済に及ぼす影響を考慮してその税負担を調整するため、次の各号に掲げる国税については、政令で当該各号に定める措置を定めることができる」とされており、沖縄県民の税負担を軽減するための特例を定めた項目であることがうかがえます。

 沖縄県では、揮発油のほかに、特定の酒類にかかる税金や航空燃料税なども、軽減措置が実施されています。
  
 揮発油税の軽減措置については、2020年度税制改正において、2020年5月15日から2022年5月14日までの延長が認められていることから、少なくともそれまでの間はほかの都道府県よりもガソリンが安くなると考えられます。

※ ※ ※

 揮発油税の軽減がされているのは、日本全国でも沖縄県のみとなっています。

 例外的な事例ではありますが、沖縄県を訪れる際はガソリン価格に注目してみると良いかもしれません。

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