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アウディ最高峰EV「e-tron GT」の“インパクト満点な走り”とは? 360kmを高性能EVで走ってみた

くるまのニュース / 2021年11月19日 19時10分

新型EV「e-tron GT」で静岡へ。「アウディ最高峰の電気自動車」を謳うこのクルマは、どのような走りを見せてくれたのでしょうか。

■2021年の生産枠はすでに受注済み

 アウディはこれまで「e-tron」の名のもと、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を含む電動車を手掛けてきました。

 電気自動車(EV)については、2020年9月に「e-tronスポーツバック」をアウディブランドとして日本に初導入し、次いで2021年1月にSUVタイプの「e-tron」を発表。

 今回の「e-tron GT」は、2021年4月に価格などの概要を発表していましたが、それからおよそ半年後に、いよいよ公道でドライブできる機会がやってきました。

 価格は、e-tron GTが1399万円、RS e-tron GTが1799万円とそれなりに高価ながら、今回の試乗会の時点で計150台超の受注があり、すでに2021年の生産枠に達してしまったそうです。

「アウディ最高峰の電気自動車」を謳うe-tron GTは、「R8」に代わって、アウディならではの先進性やプレミアム性といったブランドイメージを訴求する急先鋒としての使命をも負っています。

 それを視覚的にも表現した地を這うようなスタイリングも、非常に印象深いものです。5m近い全長と2m近い全幅を持ち、「RS7」よりも20mm低い1395mmの全高とした伸びやかなワイド&ローフォルムに、特徴的なシングルフレームグリルや張り出したブリスターフェンダーを備えています。

 上質に仕立てられたインテリアは、低いシートポジションと幅広のセンターコンソールによりドライバーを包み込むようなモノポストデザインです。運転席に座ると立体的な造形のインパネや、ドアミラーに映るリアフェンダーのふくらみが目を引きます。

 乗車定員が兄弟車は4人のところ、5人となっているのも特徴です。

 大ぶりなヘッドレスト一体型のフロントシートは背面がえぐられているほか、フロア下のバッテリーパックも後席の足元部分はくぼんだ形状にしてスペースを確保するなど、後席乗員の居住性を高める配慮もなされています。

 使用素材はサスティナビリティ(持続可能性)が意識されています。ステアリングやダッシュには、アルカンターラやダイナミカなどの合皮を用いているほか、本革を使用していない「レザーフリーパッケージ」の設定、ペットボトルや布の切れ端を元にした「カスケードクロス」、フロアカーペットには漁に使う網などを素材とする布を用いているのも特徴です。

 モーターは既出のe-tronと異なる仕組みのシンプルかつ軽量なタイプを採用。

 93kWhの容量を持つ駆動用バッテリーは、重量がe-tronよりも約100kg軽い約600kgとなっています。e-tronと同じく4つの冷却回路を備えており、バッテリー、モーター、室内の温度管理をおこないます。

 さらに、いち早く採用した800Vテクノロジーは、電流値を下げられるためハーネスから熱が発生しにくく、ハーネスを細くできるため軽量化できるという利点もあります。

 これらにより車両重量がe-tron 55では2560kgに達しているのに対し、e-tron GTは2300kg前後と250kgほど軽くなっています。

 CD値は0.24と低く、整流効果を高めるディンプルアンダーカバーや高速走行時にせり出す可変式リアスポイラーを備えています。

 航続距離はWLTPモードで534kmと、e-tronよりも100kmほど長くなっています。

■360kmをドライブ! スポーティEVの走りは「非常に刺激的」だった

 今回はアウディジャパンのある東京都品川区から静岡県静岡市の日本平まで往復約360kmの道のりを、往路はRS e-tron GT、復路はe-tron GTでドライブしました。

 e-tron GTには、グランツーリスモとしての価値に加えて、EVの特徴を活かしたスポーティなパフォーマンスが与えられています。

 両グレードはそれぞれ最高出力が390kWと475kW、最大トルクが640Nmと830Nm、0-100km/h加速タイムは4.1秒と3.3秒(いずれも前者がe-tron GT、後者がRS e-tron GT)と、数字的にはやはりRS e-tron GTのスペックの高さは目を引くものがありますが、いずれもかなりの実力の持ち主であることには違いありません。

アウディ「e-tron GT」アウディ「e-tron GT」

 どちらもその走りはインパクト満点です。リニアで力強く、非常に刺激的でホレボレします。モーターの回り方も心なしかエンジンの吹き上がりを表現しようとしたかのような印象を受けたのですが、さらに人工的なサウンドを付与できて、音量としては控えめながら、より走る楽しさを演出してくれます。

 リアに2速のトランスミッションを備えていて、普段は2速のところローンチコントロールでは1速を使うようになっており、安全な場所でRS e-tron GTで少し試したところ、やはりその速さには圧倒されます。一方で、ごく普通に走るにはEVならではの滑らかな走りで快適にドライブできます。

 ブレーキについても、0.3Gまでは回生でまかなうようになっており、日常走行の9割程度をカバーできるようになっています。オプションのタングステンカーバイトコーティングを施すとブレーキダストを9割も低減できるほか、ブレーキの使用頻度が低いEVで心配な錆を防ぐこともできます。さらに、RS e-tron GTにはより高性能なセラミック仕様も用意されています。

 フットワークの仕上がりも、素晴らしいの一言。2300kgほどもある車両重量を感じさせない、意のままの走りには感心せずにいられません。これには重量は大きくても重心高が低く、ややリアよりの良好な前後重量バランスも効いていそうです。

 特にエアサスを標準装備し、4輪操舵と可変レシオステアリングからなるダイナミックパッケージプラスを装着したRS e-tron GTの走りは圧巻! オプションの21インチタイヤが路面をしっかり捉える感覚が一段高いところにあり、極めてシャープな回頭性と、挙動を乱すことのない高いスタビリティを巧みに実現しているあたりは、さすがというほかありません。

 SUVとスポーツバックのe-tronにも大いに感心しましたが、今回のe-tron GTにもさらに感心させられた次第です。高性能EVの世界が、ますますおもしろくなってきました。

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