ゴツいSUVはなぜ人気? マツダがCX-5と異なる新型「CX-50」発表! イマのSUVトレンドとは
くるまのニュース / 2021年11月20日 7時30分
マツダがオフロード仕様ともいえる新型SUV「CX-50」を2021年11月16日に世界初公開しました。マツダには「CX-5」という売れ筋モデルが存在しますが、なぜあえて同クラスのCX-50を導入したのでしょうか。また、昨今流行りのSUVトレンドとはどのようなものなのでしょうか。
■なぜマツダは新型CX-50をオフロード仕様に仕立てたのか
2021年11月16日に北米でマツダの新型SUV「CX-50」が発表されました。
そのスタイリッシュなデザインは、すでに日本のファンの間でも好評のようですが、残念ながらいまのところは北米専用モデルとなっています。
新型CX-50のデザインは、まさに現在の北米のニーズを反映したものです。
北米で人気のSUVを見てみると、トップはトヨタ「RAV4」、それにホンダ「CR-V」、2020年にモデルチェンジした日産「ローグ」が続きます。
これらと新型CX-50のデザインや性能には、共通したキーワードが存在します。それは「オフロード」です。
まず、フロントマスクは、マツダのSUV「CXシリーズ」と共通の雰囲気ながら、ブラックアウト化することでヘビーデューティなイメージを構築しています。
加えてワイド&ロー、かつ分厚い顔というのも、最近のオフローダーの特徴といえるでしょう。
厳密にはSUVではありませんが、トヨタ「ランドクルーザー(GRスポーツ)」のマスクが典型的なケースといえます。
また、新型CX-50にも採用されている前後バンパー下にスキッドプレート風の意匠を加えるのも、オフロードテイストを増幅させる手法のひとつとなっています。
スキッドプレートとは、岩場を走行するときにエンジンや駆動系を守るガードの一種で、岩に接触した時にできるだけ抵抗なく車体が“滑る”ように考えられました。
本格オフローダーのスズキ「ジムニー」などではお馴染みのパーツですが、SUVではあくまでもフェイクデザインであり、ガード機能は高くはありません。
またバンパー下部が無塗装の樹脂パーツなのも、オフロード系SUVの特徴です。
もしオフロード走行でバンパー下部をぶつけてしまっても、下部だけなら容易に交換できるうえ、無塗装なら安く済みます。
同時にボディ同色よりもタフなイメージも演出でき、一石二鳥というわけです。
RAV4やCR-V、ローグも、グレードによって無塗装パーツやスキッドプレート風デザインが採用されています。
フェンダーアーチに無塗装の樹脂パーツを付けるのも定番です。
新型CX-50の場合は、さらに一歩踏み込んで、樹脂アーチの部分に直線的な造形が施されているのが分かります。
これは視覚的な力強さを演出しているのと同時に、障害物がヒットしたときにボディの金属部分にダメージを与えないためのガードの役割をしていると考えられます。
また、新型CX-50の内装を見てみると、ダッシュボードが直線基調で作られているのもオフロードを意識している証しです。
これは車体が傾斜するような場所を走行したとき、直感的にどれほど傾いているかを把握するためです。
ランドクルーザーやジムニーなどの本格オフローダーのインパネも同様の観点から直線的にデザインされています。
オフロード性能もマツダ「CX-5」よりも高められています。
従来のどのマツダSUVよりも大きなロードクリアランスが持たされているだけでなく、新型CX-50には最新の「i-Active AWD」に「Mi-Drive」という電子制御式トラクションコントロールが採用されています。
これは「ノーマル」「スポーツ」のほかに「オフロード」をいうモードを設定し、従来よりも強力な脱出性能を確保しているようです。
ボディカラーもタンやグレーといったアースカラーを複数揃えて、アウトドア派の心を掴みます。
RAV4はロービジカラーで成功していることから、それをさらに上回る商品力を、というメーカーの意図が垣間見えます。
発表された映像や写真を見るとエクステリアはフルノーマルではなく、フラットタイプのルーフラックを装着して拡張性をアピールしているのも、アウトドア派の目を惹きます。
まさに新型CX-50の何から何までが、オフロードやアウトドアを意識したパッケージになっているのです。
■アメリカで流行るものは数年後に日本でも流行る? 昨今のSUV事情とは
それにしても、北米市場でCX-5が好調な売れ行きを見せているなかで、あえて独立車種にしたのは驚きです。
RAV4でさえ、「アドベンチャー」というオフロード仕様は1グレードに過ぎません。それには、現在のアメリカのさまざまな事情があります。
その理由は、アウトドアアクティビティを楽しむ人が大幅に増加し、そのライフスタイルに合ったSUVの需要が十二分に見込めるということです。
それはライバルたちの成功からも分かります。ヘビーデューティSUVの需要を支えているムーブメントのひとつが、とくにここ数年、アメリカでブームになっている「オーバーランド」です。
オーバーランドはオーストラリア発祥の車旅スタイルで、クルマにルーフテントやキッチンを積載して、自然のなかを何日もかけて移動するというものです。
北米には10年ほど前にオーバーランドが上陸しましたが、コロナ禍の影響もあって一大ムーブメントになっています。
国産タイヤメーカー広報部の担当者はオーバーランドについて、次のように話しています。
「ここ2年ほどオーバーランドブームもあって、弊社のオフロードタイヤの北米での需要は大幅に伸びています。
豪州などではクロスカントリー4WDを使うことが多いのですが、アメリカはSUVをカスタムして使うのが一般的なようです。
特にSUV用のサイズがよく出ており、このオーバーランドブームは自動車業界全体に良い影響をもたらしているようです」
トヨタが日本で販売しているRAV4の特別仕様車「Adventure“OFFROAD package”」はオフロードテイストをさらに高めたモデル
アメリカのオーバーランディングにSUVが使われるのは、インフラも影響しているといい、マツダ広報部の担当者は次のように語ります。
「アメリカは国立公園などでクルマが走れるエリアが整備されており、豪州や南アフリカなどのオーバーランドが流行している地域とは異なり、SUVでも十分に楽しめるようになっていると聞きます。
ただし、場所によっては厳しい路面状況もありますので、それに十分に対応できるロードクリアランスやAWD性能、さらにはアクティビティに対応できるユーティリティなどを持たせたのが新型CX-50です」
※ ※ ※
都市型SUVのCX-5でも行けなくはないけれど、より確実な走破性と安全性、さらにはライススタイルがアピールできるデザインを持たせた新型CX-50ならもっとアウトドアアクティビティを楽しめるというコンセプトのようです。
マツダとしては、都市型SUVはCX-5、オフロードSUVは新型CX-50という棲み分けで、ふたつの基幹モデルを造りたいと、前出の広報担当者は語っていました。
※ ※ ※
新型CX-50の日本市場導入はないようですが、昨今のジムニーやランドクルーザーの爆発的な売れ行きや、RAV4のオフロード性能を更に高めた「アドベンチャー“オフロードパッケージ”」の発売を例にとってみても、確実に購買層はいるはずです。
仮に日本で新型CX-50が発売されれば、マツダ会心のヒット商品になるかもしれません。
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