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パワフルな「クリーンディーゼル」はアウトドアと相性良し! ちょい乗りは不向き!? メリット・デメリットとは

くるまのニュース / 2021年11月27日 10時10分

「カーボンニュートラル」を実現させるためにハイブリッドやEVが注目されていますが、一時は人気だったクリーンディーゼルにもまだ捨てがたい魅力があります。クリーンディーゼルの魅力とは、どのようなところにあるのでしょうか。

■クリーンディーゼルは長距離移動が多い人に向いている!?

「カーボンニュートラル」を目指し、ハイブリッドやEV化が推進されている現在ですが、環境への負荷を大幅に減少させたクリーンディーゼルもまだまだ捨てがたい魅力があります。

 とくに最近は原油高の影響で燃料価格が高騰しており、ガソリンよりも単価が安い軽油を使用するディーゼル車に再び脚光が当たりそうです。

 クリーンディーゼルの魅力はどのようなところにあるのでしょうか。また、メリットとデメリットも検証してみます。

 軽油を燃料とするクリーンディーゼルは、前述のようにガソリンエンジンよりも燃料代が安価で済みますが、一方でその構造上、不完全燃焼によるススや、高温の燃焼による窒素酸化物が多く発生し、さらに音や振動も大きくなりがちとういデメリットがありました。

 以前はディーゼル車の排出ガスによる環境汚染が問題となり、2003年に厳しい基準の「ディーゼル車規制条例」が制定。これを受けて開発されたのがクリーンディーゼルです。

 音や振動も静かになり、排出ガスも(以前よりはるかに)キレイになったことで「環境にやさしいクルマ」として注目を集めたのは記憶に新しいところでしょう。

 近年ではハイブリッド車の普及やピュアEVの登場などで注目度こそ高くはありませんが、「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策補助金(CEV補助金制度)」の対象にもなっており、エコカーの一種であることは変わりないようです。

 クリーンディーゼルのメリットとしてまず挙げられるのが、燃費の良さです。さすがにハイブリッドには及ばないものの、同じ排気量ならガソリンエンジンより2割から3割も熱エネルギーの変換効率が良い=熱効率が高いといわれています。

 さらに軽油を使用するという燃料代の安さも大きな利点です。最近の原油高で軽油自体も値上がりはしていますが、レギュラーガソリンと比べれば20円/Lほど安価で、まだまだ経済的といえます。

 ただし、窒素酸化物の低減に「尿素SCRシステム」を装備している車両では、走行距離に応じて定期的に尿素水(アドブルー)の補給が必要となり、本来は高額なものではありませんが、尿素水不足の韓国では価格高騰が報じられています。

 また、ディーゼルエンジンの特徴として、高回転での最高出力こそ控えめですが、燃焼エネルギーの大きさもあってトルクの太い走りが期待できます。

 一方でデメリットもあります。それはメンテナンス費用(維持費)の高さです。

 そもそもディーゼル車は、オイル交換のタイミングがガソリン車より短いといわれています。またエンジンオイルもディーゼル専用でなければならず、ガソリン用より維持費は高くなるケースが多いようです。

 さらに、クリーンディーゼルには排気ガスに含まれる粒子状物質(主にスス)を取り除く「DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)」と呼ばれる装置が取り付けられています。

 これが意外に厄介で、普段使いの短距離移動ばかりはすぐに粒子物質が溜まってしまい、フィルターが目詰まりを起こしてしまうといいます。

 ちなみに100km以上の長距離走行ではこの粒子物質を燃焼させることができるのですが、近距離ばかりの走行が続くシビアコンディションでは不具合が出やすく、故障の原因にもなり、「DPR(または「DPD」)」と呼ばれるメンテナンス作業(粒子状物質に燃料を吹き付け燃焼)が必要になります。

 これは専用の診断機が必要になるため、ディーラーや整備工場に持ち込む手間と工賃がかかります。

 そのため、クリーンディーゼルは普段から長距離走行が多い人に向いているエンジンともいえ、日常の足として1回の走行が近距離ばかりという場合は、ガソリン車のほうがメンテナンスの手間が少なく済むということもあるでしょう。

 また、ガソリンエンジンよりも排出ガスの浄化装置が多く車両価格も高額になることや、補機類の追加とエンジン各部の強度を上げる必要から、車両重量も重くなってしまいます。

 それでもクリーンディーゼルならではの力強い走りと優れた燃費性能、環境性能は魅力で、世の中が100%カーボンニュートラルにでもならない限り選ぶメリットは大きそうです。

■クリーンディーゼルは流行りのアウトドアとも相性◎

 とくに大型のSUVなどはトルクフルなエンジンのほうが乗りやすく、長距離移動では燃料費の安さがじわじわと感じられます。

 そんなクリーンディーゼルエンジンを搭載した代表的なモデルにはどのようなものがあるのでしょうか。

●マツダ「CX-5」

 クリーンディーゼルに力を入れる国内メーカーとしてマツダがありますが、なかでも人気となっているのが、マツダSUVシリーズを牽引する「CX-5」です。

 2021年12月にマイナーチェンジに匹敵する大幅な商品改良がおこなわれ、エクステリアのデザインを変更。

大幅改良でデザインが変更されるマツダ「CX-5」(2021年12月改良)大幅改良でデザインが変更されるマツダ「CX-5」(2021年12月改良)

 さらに、任意に走行モードがスイッチひとつで切り替えられる「Mi-DRIVE(マツダ・インテリジェント・ドライブ・セレクト)」機能の追加や、新たな車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を取り入れ、優れた運動性能と長時間でも疲労の少ない快適性・静粛性も向上させています。

 全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mmのボディに搭載される2.2リッタークリーンディーゼルエンジンは、最高出力200馬力/最大トルク450Nmまで高められ、2WDが17.4km/L、4WDが16.6km/L(WLTCモード)という低燃費を実現。

 魂動デザインを取り込んだエクステリアからは都会的なイメージが強いですが、実は本格的なオフロードもこなせる走行性能を併せ持っており、トルクフルな走りでオンロード・オフロードどちらでも大活躍してくれそうです。

●三菱「デリカD:5」

「オフロード・ミニバン」とでも呼ぶべき新ジャンルを切り開いた独創的なモデルとして、根強い人気を誇る三菱「デリカD:5」。

 4WDを採用するミニバンは数多くありますが、本格的なオフロード性能を実現した電子制御式4WDとSUV並みの最低地上高などを兼ね備えたモデルは、デリカD:5のみでしょう。

 全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mmというボディに、185mmもの最低地上高を確保。さらにオフロード走行を想定してリブボーンフレーム(肋骨のような骨格構造)と大型のクロスメンバーでボディを大幅に補強しました。

 搭載されるパワーユニットは、145馬力/380Nmを発揮する2.2リッタークリーンディーゼルターボエンジン。これにMTモード付き8ATと電子制御式4WDが組み合わされています。

 また、ダイヤル式のドライブセレクターで、任意に2WDや4WDロック、4WDオート(自動切り替え)のモードにも切り替えることができます。

 もともとデリカは「オフロード走行も可能なミニバン(1BOX)」としての宿命を背負っているとはいえ、ここまでクリーンディーゼルが似合うモデルも珍しいでしょう。近年のアウトドアやキャンプブームもあって、まだまだ需要は高そうです。

●トヨタ「ランドクルーザープラド」

 世界的に人気の高いオフローダー「ランドクルーザー(ランクル)」の弟分として、最近は高級感も身に付けたと評判なのが「ランドクルーザープラド」です。

 現行の4代目は2009年にデビューしており、幾度の一部改良と2度のマイナーチェンジを経て熟成が進んでいます。

 ランクルの弟分ではありますが、全長4825mm×全幅1885mm×全高1850mmもの立派なボディに搭載されるパワーユニットとして163馬力/246Nmの2.7リッターガソリンエンジンもありますが、やはり主力は204馬力/500Nmものビッグトルクを誇る2.8リッタークリーンディーゼルエンジン。

 こちらには「DPR」だけでなく、「尿素SCRシステム」を搭載。環境性能にも優れた、一歩進んだクリーンディーゼルとなっています。

 ランドクルーザーファミリーとしてのオフロード性能も特徴で、クリーンディーゼルモデルには、スリップを検知すると駆動力を自動で配分する「アクティブトラクションコントロール」を標準装備。

 先進安全機能「Toyota Safety Sense」も搭載されるほか、さまざまな電子デバイスを採用、快適性と優れた走行性能を両立させています。

 何より500Nmものトルクで2.7t前後もの重量級ボディをグイグイと進める加速力は、スポーツカーとは違う速さを感じさせます。

※ ※ ※

 燃料費が安くてもメンテナンス費用が高くつくことがありますが、力強さと優れた環境性能環境をあわせもつクリーンディーゼルは、まだまだ現役として活躍してくれそうです。

 電動化が進むなかで個性的なクリーンディーゼル車が減っている現在、あえて今選ぶのも良いのではないでしょうか。

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