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クルマを買うときの「リサイクル料」って? 支払ったお金はどこへ行き、何に使われているのか

くるまのニュース / 2021年12月4日 10時10分

クルマを購入するときは、新車・中古車にかかわらず「リサイクル料」がかかります。このリサイクル料は、なんのための費用なのでしょうか。

■リサイクル料って何? 後に必要な費用の前払い?

 クルマを購入する際に見積もりを見ると、車両本体価格や税金、保険料に加え、「リサイクル料」という項目があることが分かります。

 乗り換えの際であれば、現在所有しているクルマの処分費用と思うかもしれませんが、このリサイクル料は乗り換えか新規か、また新車か中古車かにかかわらず、必ず請求される費用です。

 税金や保険料と異なり、どこに使われているか分かりにくいリサイクル料ですが、一体何に使われるのでしょうか。

 リサイクル料を簡単に説明すると、有害な物質や処分しにくい部品を適切に処理するためにかかる費用といえます。

 例えば、クルマの解体後に残るプラスチックくずといった「シュレッダーダスト」、カーエアコンに冷媒として使用されている「フロン類」、解体に専門技術が要される「エアバッグ類」などが該当します。

 クルマを乗り換える際に、元のクルマの処分費用を支払うのは理解できますが、前述したとおり、リサイクル料は新規購入の際にも請求されます。

 それについて、自動車販売店の担当者は以下のように説明します。

「リサイクル料は、それまでのクルマの処分に払う費用ではなく、そのとき購入したクルマの分を前払いしているものになります。

 もし、購入したクルマを廃車まで乗り続ければ、そのまま前払いしたリサイクル料が処分の際の費用に充てられ、途中で乗り換えになれば手元に戻ってくる仕組みです」

 つまり、リサイクル料は例えるならば引っ越しにかかる敷金のようなものです。最後に払うべき費用を事前に払っておき、必要に応じてそのまま回収、もしくは返されるようになっています。

 リサイクル料の金額は、メーカーやモデルなどによっても異なりますが、一般的には軽自動車やコンパクトカーなら7000円から1万6000円程度、普通自動車なら1万円から1万8000円程度です。

 リサイクル料を支払うと、それを証明する「リサイクル券」と書類が発行されます。リサイクル券は廃車時に必要になるため、紛失しないよう車検証とともに保管しておくのが良いでしょう。

■費用は誰が預かる? 自動車リサイクル法とは

 では、このようにクルマの購入に必須となるリサイクル料ですが、支払った費用はどのようにして管理されるのでしょうか。

 例えばクルマの購入は、トヨタやホンダといった自動車メーカーの販売店で、売却は中古車買取店で、といったように、購入した店と手放す店が同じになるとは限りません。

 そんなリサイクル料の支払いや管理については「自動車リサイクル法」という法律で定められています。

廃車となったクルマのイメージ廃車となったクルマのイメージ

 経済産業省は、自動車リサイクル法について「ゴミを減らし、資源を無駄遣いしないリサイクル型社会を作るために、クルマのリサイクルについてクルマの所有者、関連事業者、自動車メーカー・輸入業者の役割を定めた法律です」と説明しています。

 実は自動車リサイクル法が制定されるまで、国内で廃車となったクルマは、総重量の約80%がリサイクルされ、残りの約20%はシュレッダーダストとして埋立処分されていました。

 しかし最終処分場の容量が次第に不足し、それに伴って処分費用が高騰してきたことなどから、廃車の不法投棄や不適正処理が多く見受けられるようになり、この連鎖を止める新しいクルマのリサイクルの仕組みとして、自動車リサイクル法が制定されました。

 この自動車リサイクル法により、リサイクル料は、資金管理法人である財団法人自動車リサイクル促進センターが厳格に管理することになっています。

 また、重要になるのが所有者の役割です。自動車リサイクル法では、所有者の役割について「リサイクル料金の支払い、自治体に登録された引取業者への廃車の引渡し」と定めています。

 つまり、所有者はリサイクル料の支払いはもちろん、引取業者へしっかりと引き渡す必要もあります。

※ ※ ※

 ちなみに、クルマを不法投棄すると「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第25条の違反になる可能性があります。

 第25条に違反になると、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられます。

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