スタイリッシュなだけでなくパワフル! 1980年代に発売されたイケメンなセダン3選
くるまのニュース / 2021年12月19日 6時10分
日本の自動車市場で大きな変革が起こったのは1980年代です。国産車の性能は一気に向上し、さらにデザインも優れたモデルが数多く誕生しました。そこで、1980年代の中頃に登場したスタイリッシュなセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
■1980年代の中頃に発売されたイケてるセダンを振り返る
1980年代の日本では、クルマが大きく進化しました。高性能なターボエンジンとDOHCエンジンが普及し、洗練されたデザインのモデルも数多く誕生。
また、今ではイマイチ元気が無いセダンですが、1980年代はファミリーカーやパーソナルカー、ビジネスカーと各ジャンルでセダンが定番車種でした。
そのため、各メーカーから数多くのセダンが輩出され、前述のとおり高性能なモデルやスタイリッシュなモデルが次々に登場しました。
そこで、1980年代の中頃に登場したスタイリッシュかつスポーティなセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「オースター ユーロフォルマ」
流行のフルエアロを装着してスタイリッシュにカスタマイズされた「オースター ユーロフォルマ」
1980年代は国産車の高性能化が進んだのと同時に、エアロパーツが解禁されました。
1970年代の初頭までオーバーフェンダーやリアスポイラーを純正装着したクルマが販売されていましたが、交通事故の急増から運輸省(現在の国土交通省)が認可しなくなり、エアロパーツは衰退してしまいました。
しかし、1980年代になるとエアロパーツが復活を遂げ、当時最先端だったのがフロントスポイラー、サイドステップ、リアアンダースポイラー、リアスポイラーと、クルマの周囲を一周してエアロパーツが装着されることで、一般的には「フルエアロ」と呼ばれました。
このフルエアロを純正装着するクルマが次々と登場し、そのなかの1台が1985年に発売された日産3代目「オースター ユーロフォルマ」です。
3代目オースターはFF化した7代目「ブルーバード(U11型)」と主要なコンポーネンツを共有し、ボディは4ドアセダンと5ドアハッチバックをラインナップ。欧米でも販売される世界戦略車として開発されました。
外観は直線基調のデザインで、一見するとオーソドックスなスタイリングのセダンでしたが、フルエアロが装備された「1.8Siユーロフォルマ」と「1.8Rttユーロフォルマ TWINCAM TURBO」のふたつのモデルは、華麗なボディをまとっていました。
また、1.8Rttユーロフォルマ TWINCAM TURBOには、最高出力160馬力(グロス)を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載。
見た目も性能的にも、まさに「昭和テイストのFFスポーツセダン」といえるモデルでした。
●ホンダ「アコード」
セダンながらリトラクタブルヘッドライトを採用してシャープな印象の3代目「アコード」
ホンダは1976年に初代「アコード」を発売。初代「シビック」の上位モデルで、当初のボディは3ドアハッチバックのみでしたが、追って4ドアセダンをラインナップし、その後はセダンが主力となりました。
そして、1985年に3代目が登場すると、内外装、エンジン、シャシ、さらにスポーティセダンというコンセプトとなり、すべてが一新されました。
とくに外観で大きく変わったのがフロントフェイスで、スポーツカーで流行していたリトラクタブルヘッドライトを採用し、シャープなウエッジシェイプを実現しました。
また、ボディは4ドアセダンがメインでしたが、3ドアのステーションワゴンスタイルの「エアロデッキ」をラインナップ。
内装ではセンターにスピードメーターを配置したスポーティな3連メーターに加え、カラード液晶デジタルメーターを設定するなど、リトラクタブルヘッドライトと同じく流行を取り入れていました。
エンジンはトップグレードの「2.0Si」に2リッター直列4気筒DOHC16バルブを搭載し、電子制御燃料噴射装置を備え、最高出力は160馬力(グロス)を誇りました。
サスペンションはFF車では世界初となる4輪ダブルウイッシュボーンを採用。高い路面追従性を発揮し、乗り心地の良さと高いコーナリング性能を両立していました。
スポーティで斬新なデザインの3代目アコードは日米でヒットを記録。「アコードクーペ」や固定式ヘッドライトの「アコードCA」も加わるなど、シリーズでも屈指のユニークなラインナップのモデルでした。
●三菱「ギャランΣ ハードトップ」
エレガントなボディにハイスペックなエンジンを搭載した「ギャランΣ ハードトップ」
かつて三菱の主力車種の1台だった「ギャラン」シリーズですが、1983年にはシリーズ初のFFとなった5代目「ギャランΣ(シグマ)」が誕生しました。
さらに、外観デザインもコンセプトを一新して伸びやかでスタイリッシュなフォルムとなり、ロー&ワイドなスタンスを強調したスポーティセダンへと変貌を遂げました。
そして、1984年にはよりラグジュアリーな同社初の4ドアハードトップ「ギャランΣ ハードトップ」を発売。基本的なスタイリングはスタンダードなセダンから引き継いでいましたが、フロントフェイスやリアまわりのデザインを変更したことで、大きく印象が異なっています。
エンジンは1.8リッターと2リッターの直列4気筒で、トップグレードには「スタリオン GSR-V」にも搭載された2リッター直列4気筒SOHCターボの「シリウスダッシュ 3×2」を設定。
このエンジンは吸気バルブ側に可変バルブ機構を採用しており、低回転域では1バルブでトルクを稼ぎ、高回転域では2バルブで高出力を発揮するというシステムで、最高出力200馬力(グロス)を誇り、高性能FF車の先駆けとなりました。
ギャランΣ ハードトップはエンジン以外も技術的に意欲作で、電子制御サスペンション、電子制御パワーステアリング、ABSなど先進的なエレクトロニクス技術を採用し、静かで余裕のある走りを実現しました。
※ ※ ※
前述のとおり1980年代はクルマの高性能化が顕著でしたが、エンジン性能ばかりが注目され、シャシ性能が追いついていないクルマも散見されました。
いわゆる「じゃじゃ馬」な性格のクルマが多く、速く走らせるにはドライバーの腕次第という面があり、かなり危険なクルマも存在しました。
しかし、そうしたクルマで走ることは楽しさも別格で、現在、旧車が人気を集めている理由のひとつではないでしょうか。
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