ナイスなアイデアが満載! 昭和の時代に誕生した秀逸なコンセプトの車3選
くるまのニュース / 2022年1月8日 6時10分
新型車を開発する際には最初に明確なコンセプトを設定しますが、なかには時代を先取るような斬新なモデルも存在。そこで、昭和の時代に誕生した秀逸なコンセプトのクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
■斬新なコンセプトを採用した昭和のクルマを振り返る
自動車メーカーは新型車を開発する際に、そのクルマのコンセプトを明確にして、エンジニアやデザイナーに共有します。コンセプトがブレてしまっては、完成にはたどり着けないからです。
一方、優れたコンセプトのクルマでも時代背景やニーズの変化によって、必ずヒットするとは限らないという難しさもあります。
しかし、そのコンセプトは受け継がれ、現在のクルマにも残っているケースもあり、とくに時代を先取るような斬新なモデルやユニークなモデルは、今も語り継がれる存在となっています。
そこで、昭和の時代に誕生した秀逸なコンセプトのクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「スポーツ800」
ローパワーを軽量化と空力性能で補う手法を採用した「スポーツ800」
トヨタは1965年に、コンパクト2シータースポーツカーの「スポーツ800」を発売しました。
外観デザインは、1962年の「全日本自動車ショウ」(東京モーターショーの前身)に出展され、好評を博した斬新なコンセプトカーの「パブリカスポーツ」をベースに仕立てられました。
FRスポーツカーでは王道のロングノーズ・ショートデッキのボディは全長3580mm×全幅1465mm×全高1175mmと、現在の軽自動車とほぼ同サイズというコンパクトさです。
また、全体のフォルムは風洞実験を繰り返して空力性能を重視したことから、曲面で構成されました。なお、ルーフは脱着式のタルガトップを採用していました。
シャシとともにパワートレインも大衆車の「パブリカ」をベースとし、エンジンは800cc空冷水平対向2気筒OHVを搭載し、スポーツ800専用にチューンナップされ、最高出力45馬力(グロス)を発揮。
ローパワーなエンジンですがアルミ製パーツを各所に使用するなどして、わずか580kgという軽量な車体を実現し、空気抵抗を低減したことから最高速度は155km/hと同クラスを大きく上まわる走行性能と、優れたコーナリング性能を誇りました。
スポーツ800はパワーよりも軽量化と空抵抵抗の削減によって、出力以上の性能を引き出すという、大衆車ベースのスポーツカーにふさわしいコンセプトで開発され、レースでも大活躍。
とくに長距離レースでは高い信頼性と好燃費を武器に真価を発揮して、1967年の「富士24時間レース」では2台の「トヨタ2000GT」に続いて3位に入賞したほどです。
しかしその後、スポーツ800は大きな改良もないまま、1969年に生産を終了しました。
●日産「プレーリー」
現在普及しているすべてのミニバンの元祖といえる存在だった初代「プレーリー」
昭和の時代のファミリーカーといえばセダンが主流でしたが、日産は1982年に、新たなファミリーカー像として3列シート車の初代「プレーリー」を発売しました。
当時、多人数乗車が可能なモデルといえばワンボックスバンをベースにしたワゴンでしたが、プレーリーは乗用車タイプのミニバンの元祖といえる存在です。
FFを採用したことで室内は低くフラットなフロアによる広い空間を確保し、センターピラーのない大きな開口部のボディと後部両側スライドドアに加え、多彩なシートアレンジも実現しました。
センターピラーレスは優れた乗降性だけでなく、大きな荷物の出し入れも良好で、8人乗り3列シートと5人乗り2列シートの乗用モデルだけでなく、3人乗りと6人乗りの商用バンもラインナップされました。
また、4WDモデルをベースにした特別仕様車の「ノルディカバージョン」は、現在のクロスオーバーSUVを思わせるスタイルとなっているなど、すべてが斬新でした。
しかし、初代プレーリーはセンターピラーレスの弊害でボディ剛性が低下しており、乗り心地や運動性能が悪化。さらに多人数乗車時の非力さがクローズアップされたことから販売は低迷してしまいました。
そこで、1988年に2代目にフルモデルチェンジするとセンターピラーレス構造を採用せず、オーソドックスなFFミニバンのスタイルに一新されました。
初代プレーリーはヒット作にはなりませんでしたが、今から40年も前に現在のミニバンに求められる要素を実現していたのは、偉業だったといえるでしょう。
●三菱「デリカ スターワゴン4WD」
ワンボックワゴンながらクロカン車並の性能を誇った「デリカ スターワゴン4WD」
現在、SUV人気に押され気味のミニバンですが、まだまだファミリーカーの主流であることには変わりありません。
そのためラインナップも豊富ですが、なかでも唯一無二の存在なのが三菱「デリカ D:5」で、ミニバンでありながら悪路走破性の高さを重視したモデルとなっています。
この画期的なミニバンの前身となったのが、1982年に誕生した「デリカ スターワゴン4WD」です。
スタイリングはワンボックスバンをベースにしたスクエアなフォルムのワゴンですが、最低地上高が高められて大径のオフロードタイヤを装着し、フロントにはブッシュガードを装備するなど、クロスカントリー4WD車のイメージで仕立てられていました。
また、高剛性のラダーフレームにボディを架装する構造で、同年に登場した初代「パジェロ」と同じ機構のパートタイム4WDシステムを搭載。
足まわりは、フロントがトーションバースプリングのダブルウィッシュボーン、リアがリーフスプリングのリジットアクスルとされ、長いストロークによって 高い悪路走破性と乗り心地向上の両立が図られていました。
デリカ スターワゴン4WDはアウトドア派のファミリー層から絶大な人気を獲得し、他メーカーからも同様なコンセプトのワンボックスワゴンが登場しましたが、デリカほど本格的なクロカン仕様のモデルはありませんでした。
その後、代を重ねるとワンボックスワゴンからミニバンへと変貌を遂げましたが、前述のとおりオフロードミニバンというコンセプトは現在のデリカ D:5に受け継がれています。
※ ※ ※
斬新なコンセプトのモデルは、近年は少なくなった印象があります。もはや「出尽くした感」があり、それだけクルマも成熟した証でしょう。
また、ライバル不在のマーケットを開拓するのは、ある意味冒険で、現在のメーカーにとって難しい選択になってしまいました。
しかし、これからはEVに代表される電動化が加速しますから、新たなコンセプトのモデルの登場に期待できるかもしれません。
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