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ホンダが世界でEV攻勢 SUVやスポーツカーを一気に電動化! でも日本向けEV戦略が保守的な訳

くるまのニュース / 2022年4月23日 19時10分

ホンダは今後の電動化戦略について発表しました。ホンダの主力市場であるアメリカと中国では積極的にEVを投入するようですが、日本での戦略は保守的ともいえる内容です。それはなぜなのでしょうか。

■世界とは違う? 日本の特殊な自動車事情

「ホンダは日本でこれからどのようなEVを出してくるのか。もしかしたら、あっと驚くようなコンセプトモデルがサプライズで登場するかもしれない」

 多くのメディアがそんな心構えをしながら、2022年4月12日におこなわれたホンダの電動化戦略の発表を見守っていました。

 確かに、会見の後半には、メディアやホンダファンの期待通り、ふたつのスポーツモデルをグローバルで投入することが明らかにされています。

 公開された画像からは、次期型の「NSX」や「シビックタイプR」のような雰囲気を感じます。

 会見後の質疑応答で、ホンダの三部敏宏社長はこの2モデルについて「ベール(に包まれた状態で)あり歯切れが悪いと思われるかもしれませんが、商品については(今日時点では)お話できません。電動車です。日本を含めたグローバル展開として、2020年半ばまでには出したい。ホンダならではの特徴とこだわりを持って開発中です。是非期待してほしい」と述べるにとどめました。

 こうしたスポーツモデルとは別に、日本向けEVについては、2024年前半に商用軽EVを新車価格100万円台で投入。

「(販売台数が多い)NシリーズをベースにEV化することで、コストを下げます」という説明です。

 搭載するバッテリーは、元々は日産が立ち上げ、現在は中国企業傘下となったエンビジョンAESCの日本国内工場から調達する、地産地消を徹底することが明らかになりました。

 さらにパーソナル軽EVとSUVタイプのEVについては、明確な導入年を明記せず、
”随時導入”と表現しています。

 一方で、海外に目を向けると、北米市場向けには2024年に、GMのEVプラットフォーム「アルティウム」を使う、ホンダブランドでのSUV「プロローグ」に加えて、アキュラブランドでもSUVを発売。

 中国市場向けには、2027年までに、ホンダが自社開発する新型EVを一挙に10モデル販売するといいます。

 このように、2022年代の前半から中盤にかけて、ホンダの主力市場であるアメリカと中国でホンダの各種EVの積極的な発売が目立つ一方で、日本でのホンダEV投入にはコンサバな印象が否めません。

 背景にあるのは、日本市場が世界でも稀なハイブリッド大国だという点でしょう。

 直近の2021年3月の乗用車販売総数で、国産車と輸入車を合わせた全体のうち、ハイブリッド車が46.6%でガソリン車の44.6%を越えています。

 ホンダだけで見ると、ハイブリッド車が59.4%、ガソリン車が40.5%となり、ハイブリッド車の比率の高さが目立ちます(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 調べ)。

 また、日本国内でのホンダといえば、軽自動車のベストセラー「N-BOX」の存在が極めて大きく、2021年度の販売総数は19万1534台となり、登録車と軽自動車を合わせた国内新車全体でNo.1に輝いています。

 こうした日本特有の市場性を十分に考慮しながら、ホンダとしては日本では市場の変化を見ながら、緩やかなEVシフトを考えていることが今回の会見でわかりました。

■ホンダのEV戦略は世界から遅れをとらないのか?

 三部社長は「EV黎明期(である2020年代半ば頃まではホンダとして、国や地域別で)たくさんのEVプラットフォームが出ますが、落としどころは考えています。2030年以降はEV普及期となるので、グローバルで小型、中型、大型(という括りで統一したプラットフォーム)になります」と将来予想図を示しました。

中国の東風ホンダ販売する新型「e:NS1」中国の東風ホンダ販売する新型「e:NS1」

 具体的には、中小型車向けを想定して、2026年からホンダが自社開発する「ホンダeアーキテクチャー」を採用したモデルを投入。

 さらにサイズの大きなEVは、GMアルティウムを拡充し、2027年から北米で投入するといいます。

 このクラスのモデルでは、コストと航続距離で従来のガソリン車と同等レベルを実現することを目指します。

 こうしたホンダのEV戦略を見ていると、日本のユーザーも「なんだかホンダは、日本でのEVがコンサバ過ぎない?」という印象を持つ人が少なくないでしょう。

 なぜなら、2022年は日本での「EV普及元年」と呼べるように、各メーカーが次々と新型EVを導入するからです。

 たとえば、日産「アリア」やトヨタ「bZ4X」、スバル「ソルテラ」といった国産車のほか、輸入車ではボルボ「C40 Recharge」、アウディ「Q4 e-tron」、そしてヒョンデ「アイオニック5」などが登場します。

 また、日産と三菱の共同開発の軽EVも登場することになっており、ホンダが2024年の発売を目指す軽商用EVは日産・三菱の2年遅れ、またSUV登場はさらに遅れることになります。

 海外メーカーでは、ジャガーが2025年、ボルボが2030年、そしてメルセデス・ベンツは「市場環境が整えば、2020年末にグローバルでEV(またはFCV)100%を目指す」との意向を示しています。

 ホンダはすでに「ホンダe」を国内販売していますが、開発担当者らも「欧州規制が開発での主な理由」と言い切るモデルであり、日本向けは日本のEV市場に対する様子見をするかのように販売台数は限定的です。

 ホンダは「2040年にグローバルで新車100%をEVまたはFCV」を宣言しており、また今回の会見では「2030年にグローバルで30機種を展開し、2030年の年間EV生産台数を200万台以上」とする方針を表明しています。

 はたして、日本のEV市場はこれから、いつ、どのように大きく変化していくのか、ホンダの日本向けEV戦略の行方を注視していきたいと思います。

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