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取締り対策になる? 車載「レーダー探知機」の意義とは 装着率も実際に調べてみた

くるまのニュース / 2022年5月5日 10時30分

オービス機器の存在をドライバーに知らせる車載アイテムに「レーダー探知機」があります。どのくらいのクルマがこの探知機を付けているのでしょうか。実際に調査するとともに、そのメリット・デメリットを考えます。

■高速SA・PAで装着率を実際に調査

 レーダー探知機は、交通取締りの機器から発せられるレーダー波などを受信して、ドライバーへ警告してくれる機械です。最近はレーザー光も受信できる機種が主流となり、「レーザー&レーダー探知機」などとも呼ばれています。

 レーザー式の固定式オービスや移動式オービスへの対応も進んでいます。受信が難しい光電管やステルスレーダーを用いたネズミ捕りに対しては、過去の取締りポイントが収録してあり、GPS(全地球測位システム)による位置情報を元に警告をしてくれます。

 今回、このレーダー探知機の最近の実情や効果について調べてみました。

 国内のレーダー探知機メーカーは、主にユピテル、セルスター工業、コムテックの3社が有名で、市場シェアもこの3社がほとんどを占めています(現在、コムテックは一部製品が電波法に抵触したためレーダー探知機の販売を停止しています)。

 では、レーダー探知機を実際に付けているクルマはどのくらいの割合でしょうか。

 2022年4月13日に高速道路のSAやPAの3か所で調査しました。調査方法は、駐車車両の数を数え、全てのクルマの前を歩きながらダッシュボードとフロントガラス周辺を確認しました。

 なお、予めお断りしますが、地域や曜日、時間帯により違う結果になると思われます。また、調査したクルマは普通車のみで、大型車は確認していません。

 また、レーダー探知機は本体一体型のほかに、ミラータイプ、セパレートタイプ、レーザー受信専用型などもあるため見落とさないように確認しましたが、本体をシガーソケットに挿すモデル(GPSレシーバー)については確認していません。

●調査ポイント1:館山道・市原SA(下り)、11:15頃
駐車55台、探知機装着8台

●調査ポイント2:東京湾アクアライン・海ほたるPA、12:10頃
駐車(2階+3階)258台、探知機装着27台

●調査ポイント3:首都高速・大黒PA、14:10頃
駐車183台、探知機装着25台

 今回の調査では、レーダー探知機の装着率は「約12%プラスα」といった結果でした。装着しているクルマは、高級車や社用車の比率が比較的高かった印象です。10年前は同様の調査で15%程度だったため若干減少はしているものの、後付けの機器としては思ったより高い装着率だと思います。

 次にレーダー探知機の効果を探ります。ユーザーである筆者(オービスガイド 大須賀克巳)の考えるメリット、デメリットを挙げました。

【メリット1】
 第一に取締りポイントを案内してくれるところです。特に固定式のオービスを2km前から確実に教えてくれるのはとても助かります。

 制限速度を守っていても、固定式オービスを教えてくれると気持ち的に安心できます。またオービス手前では、急なブレーキをかけるドライバーもいるので、そのようなクルマに備えることもできます。

【メリット2】
 最近のレーダー探知機は、全国で普及が進んでいるレーザー式の移動式オービスLSM-300やLSM-310などに対して、障害物がなければかなり手前から探知できます。

【メリット3】
 レーダー探知機に収録してある取締りポイントは膨大な情報量で、それらの位置情報を元に取締り情報を教えてくれます。自分の生活圏内の道路でも「ここで一時停止の取締りをおこなうのか」と、新しい発見があったりします。

■レーダー探知機で、かえって安全運転になる?

【メリット4】
 レーダー探知機は取締りを逃れるための装置と思う人も多いと思いますが、実は安全意識を高める効果もあります。

 レーダー探知機を装着したことのある人は分かると思いますが、クルマで走行していると、「右方向、この先レベル3レーダー式取締りエリアです」「1km先、レベル3ステルス式取締りエリアです」などと音声案内が流れたかと思うと、突然、パチンコやスロット台のリーチがかかったような派手なメロディーが流れ出し、車内はとてもにぎやかになります。

 私の場合、最初はこの音をとてもうるさく感じたのですが、1週間もすると不思議と慣れてきます。

 それだけでなく、初めは音声案内から取締りのある場所と、ない場所を聞き分けて、ある場所ではいつも以上に速度を落としたりしていましたが、絶えず注意箇所や取締りポイントを聞かされ続けていると、日本中どこを走っていても取締りがおこなわれているような感覚になり、いかなる場合でも慎重な運転を心がけるようになりました。

 これは、音声案内を聞いていちいちそれに反応するより、絶えず慎重な運転をしていた方が楽だという結論です。例えるなら、子供がお母さんにいつも注意されているうちに、自然にちゃんとした行動ができるようになるようなイメージです。

 もちろん取締り情報だけでなく「すぐ先、事故多発エリアです」や、「この付近はゾーン30です」などと教えてくれたりもします。

 このような安全に関わる注意喚起もするので、メーカーによってはレーダー探知機を「セーフティレーダー」と呼んでいるところもあります。

【メリット5】
 取締り情報以外に「すぐ先消防署です」とか「すぐ先公衆トイレです」などと教えてもらうと「いや、そんな情報いらんから……」とレーダー探知機につっこんだりして和んでいます。

 一人で運転することが多いのでレーダー探知機が話し相手のような存在になることもあり、ユピテルからは二次元キャラクターの「霧島レイ」とやり取りできる機種まで登場しています。

【メリット6】
 オプションになるのですが、別売りのOBD2ケーブルを接続するとエンジンの状態や燃費などをレーダー探知機の画面に表示させることができます。また、機種によってはドライブレコーダーや衝突警報システム、わき見・居眠り運転警報器などと連動させることもできます。

ユピテル製のレーダー探知機の例(撮影:オービスガイド)ユピテル製のレーダー探知機の例(撮影:オービスガイド)

※ ※ ※

 次にデメリットも書いておきます。

【デメリット1】
 走行中、周囲に何もないところでレーダー感知の案内が入ったり、特定の車種が接近するとレーザー警告が出たりといった誤報がしばしばあり、その都度少しドキドキさせられます。

【デメリット2】
 新しいモデルは価格が3万円から4万円台と高価で、カー用品店などで取り付けもお願いするとさらに工賃もかかります。

【デメリット3】
 最新式でもMSSSという海外製の移動式オービスに反応しにくいなどの情報があります。

【デメリット4】
 レーダー探知機に対して嫌悪感を抱く人も少なからずいるので、設置場所に悩みます。

※ ※ ※

 私は新しい探知機に変えてまだ1週間ほどなので、これから最新の探知機が移動式オービスや半固定式オービスに対しどの程度有効なのか、実際に試せるのが楽しみです。

 レーダー探知機のお勧めの利用方法は、地元を運転する時は、音量のボリュームをゼロにして画面警告だけにします。知らない土地へ出かける時には、しっかりと案内してもらうようにすると良いかもしれません。

 大切なことはレーダー探知機を付けたからといって交通違反を防ぐことはできません。交通違反を防ぐことができるのはドライバー自身であり、レーダー探知機が有ろうが無かろうがハンドルをひとたび握ったらスピードを出しすぎず、常に周囲に注意を払うことはいうまでもありません。

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