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スバリストからも一目置かれる!? スバルが誇る迷車・珍車3選

くるまのニュース / 2022年5月5日 6時10分

スバルのクルマというと道を選ばないオールマイティな走りと高い安全性能を持つイメージが定着していますが、かつてはかなりユニークなモデルも存在しました。そこで、遊び心満載だったスバルの迷車・珍車を、3車種ピックアップして紹介します。

■質実剛健なイメージがあるスバル車のなかでも異色のモデルを振り返る

 スバルの前史というと1917年に設立された「飛行機研究所」にまで遡り、日本の航空機開発の黎明期を築いた航空機メーカー「中島飛行機」へと繋がります。

 戦前、戦中と飛行機の開発・生産をおこなっていた中島飛行機ですが、戦後になって12社へ分割され、そのうちの5社が共同出資し、1953年に「富士重工業株式会社」が誕生しました。

 そして、富士重工業は1958年に初の量産4輪自動車である「スバル360」を発売。庶民がマイカーを持つこと夢から現実へ変えた偉大な軽自動車として、日本の自動車に燦然と輝く名車です。

 その後「レオーネ」に代表される乗用車タイプの4WD車のパイオニアとなった富士重工は、今に続く水平対向エンジン+4WDの「シンメトリカルAWD」という他社にはないクルマづくりのコアテクノロジーを確立。

 2017年に社名を「株式会社SUBARU」に変える大きな転機を迎え、現在に至ります。

 今ではスバル車というと道を選ばないオールラウンダーであり、先進安全運転支援システム「アイサイト」によって優れた安全性能を誇るというイメージが定着していますが、一方で、これまでには非常にユニークなモデルも販売してきました。

 そこで、遊び心満載で異色のモデルといえるスバルの迷車・珍車を、3車種ピックアップして紹介します。

●ヴィヴィオ T-TOP

スバル40周年を記念して企画された超ユニークなモデルの「ヴィヴィオ T-TOP」スバル40周年を記念して企画された超ユニークなモデルの「ヴィヴィオ T-TOP」

 スバルは2012年に、軽商用車「サンバー」シリーズの生産を終了し、自社による軽自動車製造から撤退しましたが、これまでさまざまな軽自動車を世に送り出してきました。

 そのなかの1台が1992年に発売された「ヴィヴィオ」で、660ccながら直列4気筒エンジンを採用し、スーパーチャージャーを装着したモデルやフルタイム4WD車が設定されるなど、ベーシックなモデルから高性能モデルまで豊富なバリエーションが展開されました。

 そして、ヴィヴィオシリーズでも一際ユニークなモデルとして、1993年に3000台限定で「ヴィヴィオ T-TOP」が登場。

 ボディは屋根部分が取り外せるデタッチャブルルーフのオープンカーで、3分割のルーフと電動格納式のリアウインドウを組み合わせることで、「クーペ」「リアオープン」「Tバールーフ」「オープントップ(タルガトップ)」「フルオープン」と、全部で5パターンのスタイルが楽しめるのが特徴でした。

 スタイルはトランクが独立した2ドアセダンに近いスタイリングで、一見すると2シーターに見えましたが、狭いスペースにリアシートが設置された4人乗り2+2のモデルです。

 さらに1994年には、最高出力64馬力を発揮するスーパーチャージャー・エンジンにCVTを組み合わせた「ヴィヴィオ GX-T」が1000台限定でリリースされました。

 ヴィヴィオ T-TOPはスバル40周年記念特別車として企画されましたが、完成度が高く、さらに価格も119万8000円(消費税含まず)からと比較的安価で、異色のモデルながら意欲作でした。

●インプレッサスポーツワゴン グラベルEX

RVブームに乗っかったものの、あえなく珍車となってしまった「インプレッサスポーツワゴン グラベルEX」RVブームに乗っかったものの、あえなく珍車となってしまった「インプレッサスポーツワゴン グラベルEX」

 スバルは前述のとおり乗用車系4WD車では老舗メーカーですが、1990年代初頭に起こった「RVブーム」の頃は、自社でクロスカントリー4WD車を生産しておらず、いすゞから「ビッグホーン」のOEM供給を受け、販売していました。

 しかし、1993年にいすゞとの提携が終了したため、ラインナップからRVが消滅してしまいました。

 そこでスバルは1995年に、「インプレッサスポーツワゴン WRX」をベースにしたRV風モデル「インプレッサスポーツワゴン グラベルEX(エックス)」を発売。

 外観は最低地上高が185mmまで高められ、フロントにグリルガードとリアハッチには背面スペアタイヤキャリアを装着し、ボディは専用の2トーンカラーとされるなどクロカン車のイメージに仕立てられ、「レガシィ アウトバック」よりもさらにオフロードテイストが色濃いモデルとなっていました。

 一方で、エンジンは最高出力220馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒ターボ「EJ20型」を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDと、オールラウンドでスポーティな走りが可能な高性能ステーションワゴンでした。

 インプレッサスポーツワゴン グラベルEXはハイスペックなパワートレインで、使い勝手の良いステーションワゴンといえましたが人気となることはなく、1996年のマイナーチェンジで廃止され、販売期間は1年ほどと短命に終わりました。

●BAJA(バハ)

「アウトバック」をベースにスタイリッシュなピックアップトラックに仕立てられた「BAJA(バハ)」「アウトバック」をベースにスタイリッシュなピックアップトラックに仕立てられた「BAJA(バハ)」

 アメリカの自動車市場で、長年トップセラーに君臨しているのがピックアップトラック(ライトトラックと呼称)です。ピックアップトラックは税金や保険料が優遇されており、頑丈で使い勝手も良く、商用車としてだけでなく普段使いをメインしたユーザーからも支持されています。

 そのため、日本のメーカーも北米市場に特化したピックアップトラックをラインナップしていますが、かつて、スバルは既存のモデルをベースとしたピックアップトラックを販売していました。

 その第1弾が1977年に登場した、初代「レオーネ 4WD」をベースにしたシングルキャブのピックアップトラック「ブラット」です。

 スタイリッシュなデザインと悪路走破性の高さから若者を中心にヒットしましたが、アメリカでは1987年に2代目をもって販売終了となり、スバルのラインナップから蓋タボ ピックアップトラックが消滅してしまいました。

 その後2003年にスバル製ピックアップトラック第2弾として、4WDステーションワゴンの「アウトバック(日本名:レガシィ ランカスター)」をベースにした、ピックアップトラック「BAJA(バハ)」を発売し、北米のピックアップトラック市場へ復帰を果たしました。

 バハはアウトバックの後部を荷台(ベッド)につくり替える手法で開発された、モノコックボディの小型ダブルキャブピックアップトラックで、外観も専用デザインの前後バンパーにオーバーフェンダー、サイドプロテクターが装着されるなど、スタリッシュなSUT(スポーツユーティリティトラック)に仕立てられていました。

 搭載されたエンジンは当初、2.5リッター水平対向4気筒自然吸気のみでしたが、2004年に最高出力217馬力を発揮するパワフルな2.5リッター水平対向4気筒ターボを設定。

 バハはアウトバックと同等の走行性能や悪路走破性がある異色のピックアップトラックとして人気を集めましたが、より大型のミドルサイズ/フルサイズピックアップトラックほどの需要はなく、登場からわずか3年後の2006年に生産を終了しました。

 なお、バハが消滅した以降、現在までスバルのラインナップにピックアップトラックは設定されていません。

※ ※ ※

 冒頭にあるとおり、スバルが最初に発売した4輪自動車はスバル360ですが、それ以前に「P-1」を完成させ「すばる」と命名し、20台のみが生産されていました。

 P-1は最高出力55馬力を発揮する1.5リッターの直列4気筒OHVエンジンを搭載した本格的な4ドアセダンで、この20台のうち14台は社内のテスト用に、残りの6台は群馬県内のタクシー会社に販売され、1年間事業用車として走行テストがおこなわれました。

 タクシーとして運用されたP-1は、乗り心地の良さと、ボディや足廻りなどの耐久性は内外のどんなクルマにも優れていたと、高く評価されたといいます。

 しかし、P-1の量産化は当時の市場動向や、その他の事情から見送られ、一般ユーザーに販売されることはありませんでした。もし量産車1号がP-1だったならば、スバルの未来は大きく変わっていたかもしれません。

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