FF最速ウォーズに名乗りを上げる究極のホットハッチ! VW新型「ゴルフGTI」はどう進化?
くるまのニュース / 2022年5月15日 20時10分
8世代目フォルクスワーゲン新型「ゴルフ」をベースにしたホットハッチ「ゴルフGTI」が日本で登場したのは2021年12月です。先代「ゴルフGTIパフォーマンス」と同等の245馬力エンジンを搭載するスポーツモデルはどのように進化したのでしょうか?
■ボディのしっかり感で不快な振動がない
ホットハッチ、コンパクトスポーツ、ボーイズレーサー……。呼び方はいろいろありますが、フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」はこの手のカテゴリーでは定番中の定番といえるモデルです。
ゴルフIがデビューした翌年にあたる1976年に登場した初代ゴルフGTIは、当初5000台程度を販売する計画でしたが、結果的に46万1690台を売り上げる大ヒット作となりました。
実は「パワフルなエンジンを積み、足まわりをスポーティに仕立てたコンパクトカー」は初代ゴルフGTI以前にも存在していましたが、これほど売り上げを伸ばし、一種の社会現象まで引き起こしたホットハッチはゴルフGTIが初めて。この結果、ゴルフGTIはベースモデルの進化にあわせてモデルチェンジを繰り返し、2021年に日本でデビューした8代目ゴルフにも新しいGTIが追加されることになったのです。
先に断っておきますと、8代目はゴルフの歴史のなかでも転換期にあたるモデルだと私は捉えています。
ドイツ本国では、ゴルフのEV版というべき「ID.3」がすでにデビューしており、Cセグメントのハッチバックはゴルフ8とID.3の2台で受け持つ格好となりました。
それでも、室内が広くて、使いやすくて、経済的によく走って、乗り心地も良好というゴルフの価値は基本的に変わっていません。ただし、ゴルフ8は足まわりに「ガツンッ!」という大入力が加わったときに、ボディのどこかから少し頼りない振動が伝わるようになってしまいました。
この点、どこまでも頑丈だったこれまでのゴルフとは、微妙にキャラクターというか立ち位置が変わっているような気がします。
では、8代目に生まれ変わったゴルフGTIはどうだったのでしょうか?
いまお話しした「ガツンッ!」に関していえば、GTIはそういうクセをほとんど感じさせません。ワインディングロードを心地いいペースで走っているときに路面の大きな段差を強行突破しても、「ドスッ」と鈍い音がするくらいで、不快な振動はほとんど感じられません。
タイヤとサスペンションのマッチングがいいのか、それとも車重の設定が適切なのか、厳密な理由はよくわかりませんが、私にはスタンダードなゴルフよりもGTIのほうがボディがよりしっかりしているように思えました。
■スポーツ性能と日常的な実用性を巧みにバランス
その乗り心地は、純粋なスポーツモデルに比べればソフト傾向で、低速走行時に荒れた路面を通過してもゴツゴツとした感触はほとんど伝えません。
むしろ、そうした振動を軽やかにやり過ごすしなやかさを備えているというべきでしょう。したがって街中でのちょっとした買い物、それに駅や学校まで家族や友人を送り迎えするといった用途にも難なく使えるはずです。
VW新型「ゴルフGTI」のインパネ
なお、オプションのアクティブシャシーコントロール“DCC”(電子制御式可変ダンパー)が装着されていた試乗車は、ドライビングモード切り替えで“スポーツ”を選ぶと、足まわりはぐっとソリッドな感触を示すようになります。
おかげで、ワインディングロードで積極的な走りを楽しんでも、ローリングやピッチングといったボディの動きをほどよく抑え込んで、レスポンスのいい走りが楽しめました。
正直にいえば、ボディの動きをGTIより小さく抑え込んだスポーツモデルはほかにもあります。でも、ワインディングロードでの走りだけを優先させてひどく硬い足まわりにするのではなく、ここにしなやかさを残すことで、快適な乗り心地とワインディングロードでの爽快な走りを両立させているように感じました。こうした懐の深さこそ、ゴルフGTIの真骨頂でしょう。
最高出力245馬力を生み出す2リッターターボエンジンも、こうしたクルマのキャラクターによくマッチした特性でした。
高出力エンジンだからといって高回転域のパワーばかりを追求するのではなく、低回転域から力強いトルクを発揮してくれるので、街中での使い勝手も極めて良好。
いっぽうで、エンジンは6000rpmオーバーまでスムーズに回ってくれるキャラクターのため、高速道路での追い越し加速もらくらく。また、反応が素早いデュアルクラッチシステムのDSGトランスミッションを駆使すれば、ワインディングロードでの俊敏な走りも楽しめます。
そのいっぽうで室内は広々としているうえにインテリアの質感も良好。そして後席を倒したときに出現する荷室は、様々なアウトドアグッズを呑み込んでしまいそうなくらいスペースに余裕があります。
また、運転席まわりにはタッチディスプレイを用いた操作系が採用されていて現代的ですが、使いやすさの点でいえばもう少し改善の余地があったように思えるのが玉にキズ。それでも、スポーツ性能と日常的な実用性を巧みにバランスさせたという意味において、ゴルフGTIはいまも魅力的な存在といえるでしょう。
VW新型「ゴルフGTI」の走り
Volkswagen Golf GTI
フォルクスワーゲン ゴルフGTI
・車両価格(消費税込):446万円
・試乗車オプション込み価格(消費税込):530万3500円
・全長:4295mm
・全幅:1790mm
・全高:1464mm
・ホイールベース:2620mm
・エンジン形式:直列4気筒ターボ
・排気量:1984cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG(DCT)
・最高出力:245ps/5000−6500rpm
・エンジン最大トルク:370Nm/1600−4300rpm
・車両重量:1430kg
・タイヤサイズ:235/35R19
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ クラウンセダン試乗記・評価 驚異的な乗り心地と静粛性
CORISM / 2024年4月13日 17時7分
-
【2024年】おすすめの国産・輸入ディーゼル車10選|メリット・デメリットも合わせて解説
MōTA / 2024年4月5日 18時30分
-
VW「ゴルフ」誕生50周年 3700万台超を販売
共同通信 / 2024年4月2日 18時30分
-
【マツダ ロードスター 新型試乗】限られたスポーツカー・ファンの期待に応えてくれた…河村康彦
レスポンス / 2024年3月30日 18時0分
-
トヨタ クラウンスポーツ試乗記・評価 その名の通り、走る楽しさと快適さを凝縮したSUV
CORISM / 2024年3月23日 19時28分
ランキング
-
110円パンならぬ「1万円パン」爆誕 新紙幣の顔・渋沢栄一ゆかりの地で...割れば中から黄金色
Jタウンネット / 2024年4月18日 21時0分
-
2SNSでも「かわいい」「癒し」と話題に! セリアで急増中の「シマエナガ」グッズ15選【一挙紹介】
オールアバウト / 2024年4月18日 20時45分
-
3「焦げ臭い匂いがする」 セガ「リアル猫型ロボット」で発熱→生地焼ける…… 販売停止に「深くお詫び」
ねとらぼ / 2024年4月18日 19時39分
-
4渋滞へトラックが「ノーブレーキ突入」衝撃の映像!? NEXCO緊急の注意喚起が話題に「運転の上手い人はこんなことしません!」
くるまのニュース / 2024年4月19日 7時40分
-
5「国宝級」藤原定家直筆の古今和歌集の注釈書、冷泉家の蔵から見つかる…推敲の跡も生々しく
読売新聞 / 2024年4月18日 18時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください